【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間末現在において判断したものであります。 当社は、第1四半期会計期間の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。 詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期財務諸表 注記事項(会計方針の変更等)」に記載のとおりであります。なお、前第3四半期累計期間及び前第3四半期会計期間との会計基準が異なるため、以下文中の売上高前年同期間比につきましては、参考として記載しております。
(1)経営成績の分析 当第3四半期累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けながらも、行動制限の緩和等により人流が戻り始め、経済活動が徐々に正常化に向かう動きがみられております。一方、急速な円安進行や原油高による材料やサービスの価格上昇等が、国内経済に及ぼす影響も顕在化してきました。 当社をとりまく環境においては、米国、国内、それぞれの理由により非常に厳しい市場動向となりました。 最初に、米国の状況です。 玩具業界にかかわらず、急激な物価上昇により、消費者は高額商品を買い控える傾向が顕著に出ております。当社商品「Magna-Tilesシリーズ」も8月度をピークとして前年を大幅に上回る数量の出荷が続きましたが、このような市場の影響を受け、しだいにシリーズの中でも高額品の売れ行きが鈍り、低額品に偏りました。これにより、代理店や量販店の思惑によって買い込まれた商品在庫の消化が想定より遅れており、注文の再開には相当な時間を要すことが見込まれてまいりました。 次に国内の状況です。 消費の傾向も玩具遊具等から外出や飲食に移る傾向となり、玩具市場では、年末に向けても商戦が活性化するようなニュース性ある商品もほとんどなく低迷状況となりました。 当社におきましては、主力の乳児・知育玩具カテゴリーを中心に既存の定番品が底堅く、市場全体の中では比較的好調な推移となりました。一方、自転車類において、当社商品「いきなり自転車」12インチ、14インチの2車種において、お子様が後輪ギア付近で手指を挟まれてお怪我されたことに伴い、当該車種について一時販売を休止し、安全性を高める補充部品の提供へ移行することから、当第3四半期売上高への影響が生じております。 この結果、国内販売・海外販売総合で当第3四半期累計期間の売上高は、63億3百万円(前年同期間売上比75.3%増)となりました。
利益面では、国内販売向け輸入仕入については円安影響を大きく受け、売上原価の上昇が売上総利益を圧迫しました。海外製造のビジネスモデルを持つ当社にとって、円安の影響は海外販売の為替差益と、国内販売の為替差損を合わせますと、為替差損の方が大きく生じる状況にあります。経費では、自転車のお怪我対応に伴う補助部品の製造や購入者様への通知、再販に向けた諸費用(現時点における総額見通し約25百万円)のうち3百万円が当第3四半期に発生いたしました。
この結果、当第3四半期累計期間の営業利益は6億6百万円(前年同期間比149.5%増)となり、経常利益は5億96百万円(前年同期間比146.3%増)、四半期純利益は4億13百万円(前年同期間比146.7%増)となりました。
(パーパス制定後の企業活動の進捗) 当社は4月に新たな経営方針としてパーパス「子どもの好奇心が、はじける瞬間をつくりたい!」を制定しました。これは当社の強みを最大限に発揮する新商品・新事業の研究開発にリソースを集中し、収益性を根本的に改善していくための指針となります。 具体的な課題への落とし込み、社員の行動指針の策定などを同時進行で協議を重ねております。 活動としましては、企業としての認知を高め、外部の協力者を得ることを目標に、企業活動そのものを外部に向けてメディアやSNSを通じた発信をしております。(当社発信のnote URL
https;//note.com/people_pr/ ) また、社内では、パーパスを主軸とした新規事業発案促進のため、企画部門のみならず管理部門等も含めた社員全員を対象に、新事業アイデア一斉提案の場を設ける活動を始めました。
※以下、第2四半期時にお知らせした事項を含みます。・広報チームを立ち上げ、メディアやSNSを用いた情報発信を始めました。(当社発信のnote URL
https;//note.com/people_pr/ )すでにいくつかの取材のお申し込みや、協業のお申し出をいただいており、手応えを感じています。・おもちゃとジェンダーをテーマとした活動に着手しました。(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000132.000045493.html)・パーパス実現のため、社員とともに「行動指針」策定のためのワークショップを継続的に行っています。・パーパスを具体的な事業として実現するため、全社を挙げて新事業・新商品アイディア提案を、コンペ形式で行う「P-1グランプリ」の第一回を開催しました。上位は事業具体化に向けてプロジェクトをスタートしています。・リスク管理チームを立ち上げ、当社を取り巻く優先的なリスクをピックアップ、具体的な管理体制の構築に進んでおります。・内部監査体制を一新し、新たな内部監査チームを発足しました。コロナ禍で働き方が一変したことから、現状に即した規程の改定から着手し、ガバナンス強化を目指してまいります。
(各カテゴリー別の売上高)第3四半期累計期間売上高の前年同期間対比
区分の名称
2022年1月期第3四半期(千円)
2023年1月期第3四半期(千円)
前年同期比
乳児・知育玩具
1,023,678
1,020,882
99.7
ドール・メイキングトイ(旧女児玩具)
222,433
195,638
88.0
遊具・乗り物
520,902
371,582
71.3
その他(育児・家具)
123,771
135,921
109.8
海外販売
1,705,030
4,578,859
268.6
合計
3,595,814
6,302,882
175.3
(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)を第1四半期会計期間の期首より適用しており、当該会計基準等を適用した後の数値となっておりますが、影響額が軽微であることから前年同期間売上高との比較比率を参考値として記載しております。
(カテゴリー別の概況) ・海外販売
前述のとおり、主力の米国向け「Magna-Tilesシリーズ」は先行した流通期待により、年末年始に向けた在庫補充を当第3四半期までに完了したことから、前年同期間比較で大幅な売上増となりました。米国以外のアジア向け等の販売につきましては、中国では「ゼロコロナ政策」による一部地域のロックダウン等、消費回復も一進一退の様子が窺え、当社売上高もアジア向け全体では前年同期間並みの推移となりました。
・乳児・知育玩具 当カテゴリーでは、国内販売では新発売の『ピタゴラスBASIC知育いっぱい!ボールコースターサウンド』が好調に推移している「ピタゴラスシリーズ」や、定番品の「やりたい放題シリーズ」が底堅く、また上半期に一部値上げを実施したベビー玩具類や低調だった「お米シリーズ」もしだいに売上が回復に向かい始めました。
・ドール・メイキングトイ お人形シリーズの低迷が続く中、DIY玩具の「ねじハピシリーズ」が一定の人気を保てており、期間限定品として発売した「すみっこぐらしワールドDIYセット」は予定の年内での完売が見込まれております。
・遊具・乗り物 当カテゴリーは、コロナ禍では巣ごもり需要による売上増が顕著でしたが、当期は消費の傾向の変化により苦戦を強いられております。また、前述のとおり、自転車シリーズの中で一部製品リコールに伴う販売休止も売上に影響しました。
・その他(育児・家具) 育児用品では、上半期に続きお風呂用品「ラッコハグ」が新色(ソフトアプリコット)も人気で、家具の「テディハグシリーズ」とともに当カテゴリーは一定の売上を保てております
(2)資産、負債及び純資産の状況 当第3四半期会計期間末における資産合計は、前事業年度末から88百万円増加の28億73百万円となりました。資産の部では、主に、年末商戦に向けた仕入の増加等で商品が増加したことや金型等固定資産の投資に伴い、流動資産、固定資産ともに前事業年度末から増加しました。 負債では、流動負債で主に仕入に伴う支払債務の増加の一方、未払法人税等やその他に含まれる前受金の減少等により、負債合計で前事業年度末から3百万円減少し、4億71百万円となりました。 純資産合計は、四半期純利益計上の一方、配当支払等により、前事業年度末より90百万円増加し24億2百万円となり、結果、自己資本比率は83.6%となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は、1億61百万円です。
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