【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、感染症対策と社会経済活動の両立により緩やかな回復の動きが継続したものの、世界的なインフレと金融引き締め政策、不安定な為替相場などにより、予断を許さない状況が続きました。
当社に関連の深い住宅業界について、新設住宅着工戸数は全体で昨年並みとなりましたが、資材価格の高騰や住宅ローン金利への懸念などから注視が必要な状況が続きました。
こうした状況において、当社では当事業年度を2年目とする中期経営計画を進めており、「既存事業の再構築と事業間連携の強化」、「新市場の創造と東南アジアでのビジネス基盤確立」、「未来社会に貢献するヒト創りと商品サービスの開発」、「ヒトとデジタル技術をつないだビジネス革新」、「ES(従業員満足)ファーストのガバナンス体制構築」を5つの重点戦略として設定し、将来を見据えた収益性の高い事業構造への転換を進めております。
当期間においては、インドネシアにおいてCADソフトによる足場計画図の作図と足場施工の技能教育、IT教育を事業とする合弁会社PT DAISAN MINORI INDONESIAを設立しました。また、社内業務の効率化を推進するデジタル人財を育成するため、IT関連のリスキリング教育をスタートいたしました。そのほか、物価上昇を背景とした一時手当の支給と、全社員を対象とした給与のベースアップを実施しました。
なお、全社業績に関して、売上高は伸長いたしましたが、損失額は前年同期よりも大きくなりました。これは国内事業における給与の増額、外国籍スタッフの多数採用による人件費並びに諸経費の増加、コロナ禍の規制緩和による活動費の増加、前年同期に投資有価証券の売却益を計上していたことによるものです。海外事業においては、コロナ禍前の水準近くまで受注高は回復したものの、期首の規制期間における新たな労働力確保のための採用コスト増加、並びにコロナ関連の助成金収入の減少等が利益圧迫の一因となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は7,695百万円(前年同期比8.3%増)、営業損失221百万円(前年同期は営業損失165百万円)、経常損失154百万円(前年同期は経常損失87百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失153百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失75百万円)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
①施工サービス事業
施工サービス事業につきましては、新設住宅着工の利用関係別戸数は、持家の減少が続く中、貸家と分譲住宅は、コロナ禍前の水準近くまで増加致しました。主要な取引先である大手ハウスメーカーの住宅の受注は昨年並みを維持しました。
このような状況の中、当事業においては中層大型建築物向け及び戸建て分譲向けの受注は増えましたが、全体の売上は微増にとどまりました。利益面では、入国制限中に採用を進めていた国外の施工スタッフの受け入れにより、施工力の拡充が進みましたが、稼働率は低い状況が続きました。そのほか、さらなる受注量確保のため外部の施工ネットワーク構築と利用を進めました。また、賃貸用仮設材について、受注量増加への備えとさらなる安全品質の向上のため、社内への投入量を増やしました。
以上の結果、売上高は5,222百万円(前年同期比2.7%増)、売上総利益は1,434百万円(同2.0%減)となりました。
②製商品販売事業
製商品販売事業につきましては、国内の企業収益が改善傾向にあることを背景に民間の建設工事は持ち直しが続き、特に工場や倉庫向けの工事が堅調に推移いたしました。
このような状況の中、建設用仮設機材のレンタル需要の高まりなどを背景として、全体の売上高は好調に推移しました。製品別売上高では、主力製品である「ビケ足場®」はコロナ禍前の水準を上回り、次世代足場「レボルト®」については引き合いが増えたことから過去最高を更新しました。また、鋼材等の原材料価格高騰による利益への影響は、前期末から段階的に行った価格交渉により限定的なものとなりました。
社内の取り組みとしては、生産管理及び販売管理の基幹システムをリプレースし、セキュリティと操作性向上を進めました。
以上の結果、売上高は1,163百万円(前年同期比2.8%増)、売上総利益は387百万円(同12.5%増)となりました。
③海外事業
海外事業につきましては、在外子会社のあるシンガポールでは、新型コロナウイルス感染症に対する規制が撤廃されたことを背景に経済活動は活発なものとなりました。
このような状況において、当事業では日系企業を中心とした販路開拓を進め、プラント向け人材派遣を中心として受注高はコロナ禍前の水準近くまで回復いたしました。利益面では、外国籍の現場スタッフの稼働率向上に努めた結果、当連結会計期間においては高い水準で推移しましたが、入国規制期間における採用コストの増加や、発注単価の高い外注業者の利用機会が増えたため、想定していた利益額を確保するには至りませんでした。
以上の結果、売上高は1,258百万円(前年同期比50.5%増)、売上総利益は256百万円(同54.2%増)となりました。
④その他
その他につきましては、業務受託料および保険代理店収入等で構成されており、売上高は51百万円(前年同期比1.8%減)、売上総利益は40百万円(同8.5%増)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、棚卸資産の増加199百万円、賃貸用仮設材の増加215百万円、有形固定資産のその他(純額)に含まれる建物の増加177百万円、投資その他の資産のその他に含まれる関係会社株式の増加96百万円等により前連結会計年度末に比べ957百万円増加の11,173百万円となりました。
負債は、短期借入金の増加1,198百万円等により前連結会計年度末に比べ1,073百万円増加の4,723百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ115百万円減少の6,450百万円となり、自己資本比率は57.7%となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は46百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営成績の現状と見直し
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。
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