【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束に向けての動きが加速する中で、国内の経済活動は一定の回復傾向にあるものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に起因するエネルギーや原材料価格の高騰等によるインフレ懸念が高まり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが主にサービスを提供する情報産業分野においては、AI、IoT等の先端技術の普及やクラウドシフトを背景にDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けた取り組みが進んでおり、企業のIT投資需要は引き続き堅調に推移するものと見込まれます。最適なITインフラが企業の経営戦略を支える重要な役割を担っており、これら企業の需要に対応する質の高いITエンジニアの採用・育成の必要性が更に高まっております。
このような環境の下、当社グループでは良質なエンジニアの育成や社内エンジニアのDXシフト等によるサービスの価値向上に取り組むほか、ビジネスパートナーリソースの活用も含め、多種多様な顧客ニーズに応えられる体制作りを強化してまいりました。
これらの結果、当社グループの売上高は10,160,241千円(前年同期比19.7%増)、営業利益は1,091,223千円(前年同期比178.5%増)、経常利益は1,283,129千円(前年同期比84.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は855,227千円(前年同期比86.7%増)となりました。
また、事業分野別のセグメント概況は、以下のとおりであります。
① システムインテグレーション事業
システムインテグレーション事業においては、既存技術領域でのIT技術支援を推進し、長期安定的な分野であるITインフラ・クラウドテクノロジーや、デジタルクリエイティブ・WEB運営、システム開発などのサービスを提供しております。
当第2四半期連結累計期間においては、引き続き、「ITインフラの設計構築・運用」「システムの開発及び運用」等の成長領域におけるエンジニアの採用及び育成に取り組むほか、営業体制の拡充によってエンジニア稼働数の拡大と新規顧客開拓に注力いたしました。また、ビジネスパートナー各社との連携強化による外部リソース活用につきましては、引き続き積極的に取り組んでおります。
これらの結果、当セグメントの売上高は7,203,923千円(前年同期比16.9%増)、セグメント利益は588,509千円(前年同期比115.3%増)となりました。
② デジタルトランスフォーメーション事業
デジタルトランスフォーメーション事業においては、Salesforceの定着化支援を軸としたカスタマーサクセスソリューション事業のほかクラウドシステムの構築や運用、企業の情報資産を保護するサイバーセキュリティ等の先端技術を用いたサービスを提供しております。
当第2四半期連結累計期間において、カスタマーサクセスソリューション事業では、新規顧客開拓に注力したほか、採用や社内エンジニアのDXシフトによるSalesforceエンジニアの育成・創出、MA(マーケティングオートメーション)ツールやBI(ビジネスインテリジェンス)ツールなどSalesforceと連携する複数の製品を扱える人材の育成に注力し、エンジニアの付加価値向上に努めました。クラウド&ソリューション事業においては、クラウド基盤への移行や24時間365日対応のマネージドサービスを中心に底堅いIT投資需要のもと、取引拡大に取り組みました。
これらの結果、当セグメントの売上高は2,532,851千円(前年同期比34.0%増)、セグメント利益は479,726千円(前年同期比196.3%増)となりました。
③ みどりクラウド事業
みどりクラウド事業では、ITを用いて農業・畜産・水産のDX化を支援する「みどりクラウド」「ファームクラウド」などのプラットフォームサービス、一次産業をはじめとした各産業分野の個別課題を解決するソリューションサービスを展開しております。
当第2四半期連結累計期間においては、引き続きソリューションサービスの受注拡大に注力するとともに、フードバリューチェーンにおけるDX化ソリューションの開発、提案に取り組んでまいりました。
これらの結果、当セグメントの売上高は203,310千円(前年同期比20.1%増)、セグメント損失は7,737千円(前年同期はセグメント損失24,615千円)となりました。
④ 機械設計エンジニアリング事業
機械設計エンジニアリング事業においては、連結子会社である株式会社セラクビジネスソリューションズでの3DCAD分野の技術、実験や性能検査などの品質管理に関わる技術、通信建設及び情報通信に関する技術を提供しております。
当第2四半期連結累計期間においては、CADエンジニアの採用・育成に注力いたしました。安定した稼働率や新しい技術領域での案件獲得が図られたことにより、売上は堅調に推移しております。引き続き各領域での案件獲得が期待され、教育によるエンジニアの付加価値向上や地理的展開を図り、企業規模を拡大させてまいります。
これらの結果、当セグメントの売上高は305,466千円(前年同期比11.6%増)、セグメント利益は32,029千円(前年同期はセグメント損失16,591千円)となりました。
⑤ その他事業
その他事業においては、連結子会社である株式会社セラクECA(2022年8月26日に株式会社セラクCCCに商号変更)での有料職業紹介・人材派遣・IT技術教育講座等のサービスを提供しておりましたが、Salesforce定着化支援を行っているカスタマーサクセスソリューション事業を分割し(決議日:2022年8月26日、効力発生日:2022年12月1日)、連結子会社である株式会社セラクCCCに承継させることにいたしました。なお、2022年12月1日以降の株式会社セラクCCCの損益につきましては、デジタルトランスフォーメーション事業のセグメントにて計上いたします。
これらの結果、当セグメントの売上高はありませんでした(前年同期はセグメント売上高なし)。セグメント損失は1,304千円(前年同期はセグメント損失2,123千円)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ950,565千円増加し10,570,993千円となりました。これは主に、現金及び預金が639,427千円、売掛金及び契約資産が159,233千円、保険積立金が82,650千円、流動資産「その他」が42,782千円、仕掛品が31,673千円、敷金及び保証金が22,974千円増加したことなどによるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ215,937千円増加し4,317,213千円となりました。これは主に、未払法人税等が201,220千円、賞与引当金が84,140千円増加したものの、買掛金が37,169千円、未払消費税等が25,066千円減少したことなどによるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ734,627千円増加し6,253,780千円となりました。これは主に、利益剰余金が735,224千円増加したことなどによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、資金という)の残高は、6,246,386千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、883,012千円(前年同期は107,269千円の収入)となりました。
主な要因は、法人税等の支払額218,299千円、売上債権の増加額159,233千円、前払費用の増加額38,069千円、仕入債務の減少額37,169千円、棚卸資産の増加額30,834千円、未払消費税等の減少額25,066千円等の資金の減少要因があったものの、税金等調整前四半期純利益1,279,615千円、賞与引当金の増加額84,140千円等の資金の増加要因が生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、125,680千円(前年同期は113,143千円の支出)となりました。
主な要因は、保険積立金の積立による支出82,650千円、敷金及び保証金の差入による支出26,878千円等の資金の減少要因が生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、119,105千円(前年同期は109,187千円の支出)となりました。
主な要因は、配当金の支払額119,534千円等の資金の減少要因が生じたことによるものであります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は3,664千円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
#C6199JP #セラク #サービス業セクター