【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況① 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間における我が国経済の状況は、新型コロナウイルスの5類感染症への移行に伴い、本格的な回復を見せ始めております。一方で、世界的なインフレの亢進等により、中期的にはブレーキがかかりうる状況であります。当社グループの属する業界においては、2010年代後半から活発化していた各企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)関連の投資が、コロナ禍によって冷え込んだ反動を含むかたちで大幅な回復の傾向にあります。DX、ITサービス関連の展示会の客足はコロナ禍以前まで回復しており、各企業のDX投資は本格化する様相を呈しております。DXは現状課題へのソリューションとなるだけでなく、より積極的な業務改善、事業改革の礎とする企業も増加しており、既存システムの刷新やデータ分析のAI化に対する期待は高く、今後もこの流れの加速は続いていくと見られています。一方で、エンジニアの不足は深刻化しており、優秀な人材の獲得競争が激化しております。そのような状況下、当社グループは、「テクノロジーに想像力を載せる」という経営理念の下、人にやさしいICTサービスの提供を目指し、当社グループ独自のテクノロジーで新たな時代への橋渡しとなるイノベーションを追求しております。経営基盤の安定を担うSI部門と成長を加速させるAIZE部門のシナジー効果を最大限に発揮させ、技術力と社会実装力を併せ持つ独自の企業としての優位性を確立してまいります。当第3四半期連結会計期間においては、ポストコロナといわれる状況下で各企業のDXへの大規模な投資が再開される概況に照準を合わせ、営業活動を行っております。一方で、新型コロナウイルス感染症対策として提供してきた自動検温装置と画像認識技術を結合したサービスの需要の低下が顕在化しております。また、当社グループは、顔認証AIが世の中に欠かせないテクノロジーとして社会に広く実装されるよう、大手企業含むパートナーとも協働し取り組んでおりますが、人々の生活や行動を変えるシステム実装には当初の想定以上に丁寧に時間をかけることが必要であり、これらに関するシステム実装の規模拡大や収益化には相応の時間を要するものとみております。しかしながら、白ナンバー事業者へのアルコール検知の義務化の改正道路交通法施行を控え、AIZEシステムにアルコールチェッカーとの連携機能を搭載したサービス、顔認証AIをスマートロックと連動させるプロダクトへの問い合わせは確実に増加しており、併せて受注は増加傾向にあることから、第4四半期以降の業績への貢献を見込んでおります。また、マーケティング活動の活発化、販売パートナー網の拡充といった営業戦略によって、AIZEプロダクトの拠点ID数は増加しております。AIZEプロダクト以外にも、当社AI技術へのニーズは高く、画像分析や需要予測といったAI開発案件の増加へとつながっております。一方、エンジニア不足が継続する状況の中、先駆けてエンジニア人材強化のため先行投資を進めております。これらの結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は1,735,536千円(前年同期比5.7%減)、営業損失は97,606千円(前年同期は営業利益131,335千円)、経常損失は95,092千円(前年同期は経常利益115,985千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は468,936千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益96,317千円)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。(AIソリューション事業)当セグメントにおきましては、AI、IoT、DXに係る開発、WEBシステム開発やAIZE関連請負開発に関する売上は安定的に推移する一方、エンジニア人材強化のための先行投資を実施した結果、当第3四半期連結累計期間において、売上高は1,696,901千円(前年同期比5.9%減)となり、セグメント損失は111,425千円(前年同期はセグメント利益121,803千円)となりました。また、当セグメントのうち、SI部門における経営上の指標であるエンジニア単価については620千円(前連結会計年度比0.0%減)、エンジニア人数については2,035人月(前連結会計年度比71.4%の進捗)、AIZE部門における経営上の指標である拠点ID数は2,704件(前連結会計年度末比65.0%増)となりました。
(研修事業)当セグメントにおきましては、当第3四半期連結会計期間において、季節性の要因で新卒研修等の実施件数が増加したことにより、当第3四半期連結累計期間において、売上高は32,224千円(前年同期比12.6%増)となり、セグメント利益は13,764千円(前年同期比40.3%増)となりました。また、経営上の指標である研修の請負金額は、32,224千円(前連結会計年度比99.1%の進捗)となりました。
② 財政状態の状況(資産)当第3四半期連結会計期間末における資産の合計は、1,398,513千円と前連結会計年度末と比較して389,576千円減少しております。流動資産は1,101,748千円(前期末比382,955千円減)となり、主な要因としては現金及び預金が403,201千円減少したことによるものであります。固定資産は296,765千円(前期末比6,621千円減)となり、主な要因としてはAIZE技術開発を目的としたソフトウエア仮勘定が195,664千円、ソフトウエアが37,574千円、繰延税金資産が17,726千円それぞれ減少した一方、資本業務提携等に伴う、投資有価証券の取得により243,285千円増加したことによるものであります。
(負債)当第3四半期連結会計期間末における負債の合計は、710,050千円と前連結会計年度末と比較して79,143千円増加しております。流動負債は597,405千円(前期末比115,712千円増)となり、主な要因としては短期借入金が161,000千円増加した一方、買掛金が56,833千円減少したことによるものであります。固定負債は112,644千円(前期末比36,569千円減)となり、主な要因としては長期借入金が36,582千円減少したことによるものであります。
(純資産)当第3四半期連結会計期間末における純資産の合計は、688,462千円と前連結会計年度末と比較して468,720千円減少しております。主な要因としては親会社株主に帰属する四半期純損失468,936千円の計上により利益剰余金が減少したことによるものであります。
(2) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は44,391千円であります。これは、AIソリューション事業セグメントにおける、AIZE技術開発を目的としたソフトウエア開発に関する費用であります。当該費用について、従来はソフトウエア仮勘定に計上しておりましたが、当第3四半期連結会計期間より、開発体制や内容の見直しを行い、将来の収益獲得が確実でないことが明らかなため、研究開発費として費用計上を行っております。
#C5026JP #トリプルアイズ #情報通信業セクター