【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況① 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間における我が国経済の状況は、ようやく新型コロナウイルスの流行及びその対処に伴う政策等による落ち込みの出口が見えはじめ、個人消費も回復傾向にあります。一方で、ウクライナ戦争に端を発する混乱、世界主要国での利上げ政策の影響から、外需に依存する日本でも景気後退の懸念は払拭されないままであります。また、長期的には国内の人口減少・少子高齢化の影響を受け、国内市場に依拠する企業にとっては、潜在成長率が停滞する恐れがあり大きな社会課題となっております。当社グループの属する業界においては、2010年代後半から活発化していた各企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)関連の投資が、コロナ禍によって冷え込んだ反動を含むかたちで大幅な回復の傾向にあります。DX、ITサービス関連の展示会の客足はコロナ禍以前まで回復しており、各企業のDX投資は本格化する様相を呈しております。DXは現状課題へのソリューションとなるだけでなく、より積極的な業務改善、事業改革の礎とする企業も増加しており、既存システムの刷新やデータ分析のAI化に対する期待は高く、今後もこの流れの加速は続いていくと見られています。一方で、エンジニアの不足は深刻化しており、優秀な人材の獲得競争が激化しております。そのような状況下、当社グループは、「テクノロジーに想像力を載せる」という経営理念の下、人にやさしいICTサービスの提供を目指し、当社グループ独自のテクノロジーで新たな時代への橋渡しとなるイノベーションを追求しております。経営基盤の安定を担うSI部門と成長を加速させるAIZE部門のシナジー効果を最大限に発揮させ、技術力と社会実装力を併せ持つ独自の企業としての優位性を確立してまいります。当第2四半期連結会計期間においては、新型コロナウイルス問題に出口が見えはじめたことによるDXへの大規模な投資が再開される概況に照準を合わせ、営業活動を行っております。一方で、新型コロナウイルス感染症対策として提供してきた自動検温装置と画像認識技術を結合したサービスの需要の低下が顕在化しております。また、当社グループは、顔認証AIが世の中に欠かせないテクノロジーとして社会に広く実装されるよう、大手企業含むパートナーとも協働し取り組んでおりますが、人々の生活や行動を変えるシステム実装には当初の想定以上に丁寧に時間をかけることが必要であり、あわせて、これらに関するシステム実装の規模拡大や収益化も短期の見込み数値として織り込むべきではないと判断いたしました。その結果、減損損失を認識するに至りました。第3四半期以降の業績への貢献を見据え、白ナンバー事業者へのアルコール検知の義務化を見越した、AIZEシステムにアルコールチェッカーとの連携機能を搭載したサービスの拡大、顔認証AIをスマートロックと連動させるプロダクトのローンチを行っております。また、マーケティング活動の活発化、販売パートナー網の拡充といった営業戦略によって、AIZEプロダクトの拠点ID数は増加しております。AIZEプロダクト以外にも、当社AI技術へのニーズは高く、画像分析や需要予測といったAI開発案件の増加へとつながっております。一方、エンジニア不足が継続する状況の中、先駆けてエンジニア人材強化のため先行投資を進めております。これらの結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は1,099,286千円(前年同期比9.3%減)、営業損失は33,428千円(前年同期は営業利益96,629千円)、経常損失は30,808千円(前年同期は経常利益93,664千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は401,262千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益84,738千円)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。(AIソリューション事業)当セグメントにおきましては、AI、IoT、DXに係る開発、WEBシステム開発やAIZE関連請負開発に関する売上は安定的に推移する一方、エンジニア人材強化のための先行投資を実施した結果、当第2四半期連結累計期間において、売上高は1,086,889千円(前年同期比9.6%減)となり、セグメント損失は37,103千円(前年同期はセグメント利益96,396千円)となりました。また、当セグメントのうち、SI部門における経営上の指標であるエンジニア単価については614千円(前連結会計年度比1.1%減)、エンジニア人数については1,329人月(前連結会計年度比46.6%の進捗)、AIZE部門における経営上の指標である拠点ID数は2,545件(前連結会計年度末比55.3%増)となりました。
(研修事業)当セグメントにおきましては、研修実施等による売上を計上しており、当第2四半期連結累計期間において、売上高は7,941千円(前年同期比58.3%増)となり、セグメント利益は3,545千円(前年同期比353.4%増)となりました。また、経営上の指標である研修の請負金額は、7,941千円(前連結会計年度比24.4%の進捗)となりました。
② 財政状態の状況(資産)当第2四半期連結会計期間末における資産の合計は、1,362,839千円と前連結会計年度末と比較して425,250千円減少しております。流動資産は1,092,867千円(前期末比391,835千円減)となり、主な要因としては現金及び預金が385,333千円減少したことによるものであります。固定資産は269,971千円(前期末比33,414千円減)となり、主な要因としてはAIZE技術開発を目的としたソフトウエア仮勘定が195,664千円、ソフトウエアが37,075千円それぞれ減少した一方、資本業務提携に伴い投資有価証券が213,285千円増加したことによるものであります。
(負債)当第2四半期連結会計期間末における負債の合計は、606,918千円と前連結会計年度末と比較して23,988千円減少しております。流動負債は476,842千円(前期末比4,850千円減)となり、主な要因としては買掛金が36,846千円減少した一方、短期借入金が32,000千円増加したことによるものであります。固定負債は130,076千円(前期末比19,137千円減)となり、主な要因としては長期借入金が19,150千円減少したことによるものであります。
(純資産)当第2四半期連結会計期間末における純資産の合計は、755,920千円と前連結会計年度末と比較して401,262千円減少しております。主な要因としては親会社株主に帰属する四半期純損失401,262千円の計上により利益剰余金が減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、694,596千円と前連結会計年度末と比べ385,333千円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、54,548千円の支出(前年同期は7,422千円の収入)となりました。主な減少要因は、税金等調整前四半期純損失382,212千円(前年同期は税金等調整前四半期純利益93,664千円)、主な増加要因は、減損損失324,873千円(前年同期はなし)等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、352,130千円の支出(前年同期は75,812千円の支出)となりました。主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出213,285千円(前年同期はなし)、無形固定資産の取得による支出125,626千円(前年同期は無形固定資産の取得による支出87,601千円)等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、21,345千円の収入(前年同期は61,912千円の収入)となりました。主な増加要因は、短期借入金の純増加額32,000千円(前年同期は短期借入金の純減少額10,000千円)、長期借入による収入30,000千円(前年同期はなし)、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出40,654千円(前年同期は長期借入金の返済による支出27,453千円)であります。
(2) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は2,323千円であります。
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