【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国の経済は、ワクチンの普及、感染防止策の徹底等により、新型コロナウイルス感染症の影響から回復に向けた動きを見せ、一定程度の経済活動は維持できる状況になったものの、変異株による感染再拡大に加え、ウクライナ侵攻や急速な円安等による、資源・エネルギー問題やインフレ等の新たな経済阻害要因も発生し、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような経済環境の下においても、当社グループの主軸である組込ソフトウェア開発の引き合いは高い需要 を維持しており、自動車関連ソフトウェアの開発は好調に収益を伸ばしました。また、半導体不足やAI及びエッジ向け半導体工場の活況な設備投資、CASE(Connected, Autonomous, Shared & Services, Electric)に関連する開発などを背景にして、半導体関連のソフトウェア開発、シミュレーション技術の分野は、堅調に推移しました。
さらに、前第3四半期連結会計期間において株式会社スクデット・ソフトウェア(以下、「スクデット社」という。)を新たに連結子会社とした影響もあり、売上高は前年同期比増収となりました。
営業利益においては、売上高の増収の影響等により売上総利益が前年同期比で増益となったものの、新規事業の推進、事業の拡大、営業活動の強化などに向けた人員の増強や拠点の整備、スクデット社に係る販管費やのれん償却費の発生、人材確保に向けた採用関連コストの増加などにより、販管費も増加した結果、前年同期比減益となりました。
経常利益においては、営業利益が前年同期比で減益となったものの、主に助成金収入の増加により営業外収益が増加したため、前年同期比増益となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益においては、経常利益の増益に加え、法人税等の見積コストが減少したため、前年同期比増益となりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高627,229千円(前年同期比19.9%増)、営業利益71,919千円(同2.8%減)、経常利益78,400千円(同1.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益55,395千円(同10.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当第1四半期連結累計期間と前年同期の一方若しくは両方がマイナスの金額である場合または前年同期比増減率が1,000%以上となる場合は、前年同期比増減率の記載に代えて、前年同期額を記載しております。
1. ソフトウェア開発事業
当セグメントは、自動車・産業製品向けの制御ソフトウェアの受託、自動車関連のシミュレーション及びモ デルベース開発技術の提案・開発・提供、近年の電子機器装置の安全性を担保するために必要なコンサルティ ング・安全性分析支援などを行っております。なお、連結子会社であるスクデット社は当セグメントに含めております。
経営成績の状況といたしましては、主力であります自動車関連ソフトウェアの開発の売上が大幅に伸びたことに加え、シミュレータ関連及び半導体関連のソフトウェア開発の売上が堅調に推移したため、売上高及びセグメント利益は前年同期比増収増益となりました。
この結果、売上高は604,540千円(前年同期比17.8%増)、セグメント利益(営業利益)は185,512千円(同12.7%増)となりました。
2. サービスデザイン事業
当セグメントにおいては、組込みシステム開発を通じて獲得した中核技術のノウハウを積極活用した新たな 商品及びサービスの提供などを行っております。なお、連結子会社である株式会社イマジナリーは当セグメントに含めております。
経営成績の状況といたしましては、事業の開始から間もなく本格的な稼働に至っておりませんが、当第1四半期連結累計期間においては、一定程度の売上を確保し、セグメント利益は黒字となりました。
この結果、売上高は13,974千円(前年同期は333千円)、セグメント利益(営業利益)は1,790千円(前年同期は9,148千円のセグメント損失)となりました。
3. その他
当セグメントにおいては、株式会社アトリエ、株式会社ヴィッツ沖縄が含まれております。
経営成績の状況としましては、沖縄地域での人材確保や開発シフトが進み、自動車や産業機器の組込みソフトウェア関連の売上が増加したため、売上高は前年同期比増収となりました。一方で、高利益率である自律装置などの安全コンサルタント事業は、堅調な受注があるものの検収時期のタイミングの影響等により、売上が減少し利益を押し下げたため、セグメント利益は前年同期比減益となりました。
この結果、売上高は43,525千円(前年同期比8.9%増)、セグメント利益(営業利益)は4,793千円(同25.5%減)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
流動資産は、2,428,871千円(前期末比1.7%増)となりました。主な内訳は、現金及び預金1,882,282千円(同8.6%減)、受取手形、売掛金及び契約資産214,013千円(同5.8%増)、仕掛品79,958千円(同1.9%増)であります。
固定資産は、471,873千円(同1.2%増)となりました。主な内訳は、保険積立金151,978千円(同3.5%増)、のれん94,304千円(同2.6%減)、有形固定資産39,297千円(同5.9%減)であります。
この結果、当第1四半期連結会計期間末における総資産は、2,900,744千円(同1.6%増)となりました。
(負債)
流動負債は、345,272千円(前期末比9.5%増)となりました。主な内訳は、賞与引当金53,250千円(同54.2%減)、買掛金36,931千円(同0.1%増)、未払法人税等26,214千円(同49.6%減)であります。
固定負債は、249,122千円(同2.0%増)となりました。主な内訳は、退職給付に係る負債155,532千円(同3.2%増)、長期未払金91,495千円(前期末同額)であります。
この結果、当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、594,395千円(前期末比6.2%増)となりました。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は、2,306,349千円(前期末比0.5%増)となりました。主な内訳は、資本金611,561千円(前期末同額)、資本剰余金546,050千円(前期末同額)、利益剰余金1,134,709千円(前期末比2.0%増)であります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、19,257千円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが認識している経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第1四半期連結会計期間末における資金の残高は1,482,282千円(前期末1,658,795千円)となり、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確保しております。また、当社の経営戦略の1つである“次世代事業の創生”のための研究開発資金を十分に確保できているものと認識しております。
また、当社グループは、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、主に営業活動によるキャッシュ・フローを資金の源泉としております。
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