【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当社グループが事業展開するリユース業界は、今後も継続的な成長が見込まれており、2021年のリユース市場規模は前年比11.7%増の2兆6,988億円となりました。また、2025年にはその市場規模は3兆5,000億円に到達すると見込まれております。(出所:㈱リフォーム産業新聞社「リユース業界の市場規模推計2022(2021年版)」(2022年9月))
当社グループは、地球環境も含めた持続可能性を高め中長期的な競争優位性を確立することが必要不可欠であるという認識のもと、「Circular Design for the Earth and Us」をパーパスに設定し、2030年に「Circular Design Company」の実現を目指しております。
2020年10月に、2025年8月期を最終年度とする中期経営計画「VG1000」を策定・発表しておりましたが、同計画2年目となる2022年8月期の終了にあたり見直しを行い、「VG1000 ver2.0」として、2022年10月に新たに発表いたしました。既存のCtoBtoBモデルのグローバル展開、グローバルも含めた小売の強化、顧客・パートナーとの関係強化によるリカーリング型ビジネスへの転換を戦略とし、事業を推し進めてまいります。なお、現中期経営計画の対象期間は、2026年8月期以降の飛躍に必要なあらゆる機能の実装・充実化を進める投資期と位置付けておりますが、投資は行いつつも利益成長も遂げていく計画としております。
2023年8月期は、特に人への投資を重点的に行う年と位置付けており、新規出店の再加速と事業拡大のための人員拡充に加え、従業員の能力向上、スキル習得等、積極的な人への投資を行う計画です。
上記計画に基づいた事業活動の結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間の連結業績は以下のとおりとなりました。
(単位:百万円)
前第2四半期
連結累計期間
(自 2021年9月1日
至 2022年2月28日)
当第2四半期
連結累計期間
(自 2022年9月1日
至 2023年2月28日)
前年同期比
増減額
増減率
売上高
26,113
33,629
7,515
28.8%
営業利益
213
505
292
136.9%
経常利益
182
485
302
165.2%
親会社株主に帰属する四半期純利益又は純損失(△)
△47
159
206
-
当社グループは「ブランド品、骨董・美術品等リユース事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当第2四半期連結累計期間における具体的な取組は以下のとおりです。
買取面においては、新規出店やWEBマーケティング等による集客拡大に向けた取組を展開いたしました。また、更なる仕入拡大に向け、自社ブランドによる買取のみならず、他業種とのアライアンスによる効率的な買取等も強化しております。これらの結果、当第2四半期連結累計期間における仕入高は25,419百万円(前年同期比3,561百万円増、同16.3%増)と過去最高の仕入高を更新いたしました。
出店戦略については、新規出店や店舗移転を推進し、より利便性の高い店舗網を構築するとともに、不採算店舗の退店を決定するなど、店舗効率の最大化を進めてまいりました。当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の買取店舗数は、国内135店舗、海外38店舗となりました。
仕入高・店舗数の四半期推移につきましては以下のとおりです。
[仕入高・店舗数]
当第2四半期連結会計期間の仕入高は、11,519百万円(前年同期比113百万円減、同1.0%減)となりました。2022年2月をピークに時計相場が下落基調で推移し、時計買取については厳しい環境が継続した一方、時計以外の商品仕入は順調に推移いたしました。
販売面においては、自社オークション「STAR BUYERS AUCTION(以下、「SBA」という。)」をはじめとした各販売チャネルにおいて売上高が順調に推移いたしました。
国内パートナーだけでなく海外パートナーが数多く参加しており、ラグジュアリー品に特化したグローバルプラットフォームとして、SBAが認知されてきた結果、当第2四半期連結累計期間の自社オークション売上高は18,721百万円(前年同期比5,253百万円増、同39.0%増)となりました。また、2022年4月より委託出品手数料を無料化したことにより、自社オークションにおける委託落札額が伸長し、当第2四半期連結累計期間の自社オークション手数料売上高は1,328百万円(前年同期比499百万円増、同60.3%増)となりました。
小売施策としては、「ALLU心斎橋店」オープンや初の個人向けオークションである「ALLU AUCTION」を開催するなど、顧客との関係性の深化に加えALLUブランドの認知向上を図ることで、小売強化に努めました。その結果、当第2四半期連結累計期間の小売売上高は3,910百万円(前年同期比83百万円増、同2.2%増)となりました。
なお、小売が好調に推移したことに加え、相場変動時に戦略的に販路選定を行ったこと等が功を奏し、当第2四半期連結累計期間における売上総利益率は、27.0%(前年同期比0.5ポイント増)となりました。
売上高(販路別)の四半期推移につきましては以下のとおりです。
[売上高(販路別)]
当第2四半期連結会計期間の売上高は、16,378百万円(前年同期比3,518百万円増、同27.4%増)となりました。第1四半期連結会計期間において、小売施策のため戦略的に在庫を確保したことが功を奏し、当第2四半期連結会計期間の小売売上高は2,361百万円(前年同期比295百万円増、同14.3%増)となりました。また、自社オークション売上高は、8,718百万円(前年同期比1,947百万円増、同28.8%増)、自社オークション手数料売上高は623百万円(前年同期比192百万円増、同44.7%増)と好調に推移いたしました。
売上高(国内・海外)の四半期推移につきましては以下のとおりです。
[売上高(国内・海外)]
当第2四半期連結会計期間においては、インバウンド需要回復への期待から国内パートナーの自社オークションでの落札が増加したこと等により、国内売上高は12,608百万円(前年同期比2,243百万円増、同21.6%)となりました。また、海外売上高比率も23.0%となり、依然として高い水準を維持しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産合計は、資金調達による現金及び預金の増加780百万円や、株式会社米自動車の子会社化の影響を含めた商品の増加1,299百万円があった一方で、還付に伴う未収消費税等の減少453百万円等により、前連結会計年度末に比べて1,642百万円増加し、18,446百万円となりました。固定資産合計は、販売店舗の新規出店・本社移転等に伴う有形固定資産の増加1,016百万円、株式会社米自動車の子会社化に伴うのれんの増加687百万円、システム開発に伴うソフトウェア及びソフトウェア仮勘定等のその他無形固定資産の増加265百万円等により、前連結会計年度末に比べて2,211百万円増加し、8,657百万円となりました。これらの結果、資産合計は前連結会計年度末に比べて3,854百万円増加し、27,103百万円となりました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債合計は、1年内償還予定の社債の増加232百万円の他、本社移転に伴う未払金の発生等、その他流動負債の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,090百万円増加し、15,411百万円となりました。固定負債合計は社債の増加868百万円、長期借入金の増加1,513百万円があったこと等により、前連結会計年度末に比べて2,694百万円増加し、3,770百万円となりました。これらの結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて3,785百万円増加し、19,181百万円となりました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上があった一方で、配当金の支払により、利益剰余金の減少162百万円があったほか、新株発行による資本金及び資本剰余金の増加242百万円、新株予約権の増加40百万円、為替換算調整勘定の減少52百万円等により、前連結会計年度末に比べて68百万円増加し、7,922百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ777百万円増加し、8,583百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各区分ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、383百万円の収入(前年同期は3,504百万円の支出)となりました。これは主に、棚卸資産の増加額930百万円や法人税等の支払額536百万円による資金の減少があった一方で、税金等調整前四半期純利益334百万円や減価償却費457百万円、未収消費税等の減少額458百万円、売上債権の減少額192百万円等による資金の増加があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,290百万円の支出(前年同期は789百万円の支出)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出471百万円や、有形固定資産の取得による支出367百万円、無形固定資産の取得による支出328百万円等による資金の減少があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,739百万円の収入(前年同期は2,186百万円の収入)となりました。これは主に、配当金の支払額320百万円や短期借入金の減少額300百万円による資金の減少があった一方で、長期借入れによる収入1,550百万円や社債の発行による収入1,000百万円等の資金の増加があったためであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は18百万円であります。
(6)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、従業員数に著しい増減はありません。
(7)主要な設備
当第2四半期連結累計期間の主な設備投資については、本社の移転、商品仕入を担う買取店舗(新設:国内5店舗・海外1店舗、移設:国内1店舗)、小売販売を担う販売店舗(新設:国内1店舗)等への設備投資を実施いたしました。また、より魅力的なプラットフォームの構築を目的としたシステム開発、強化を進めてまいりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間に実施した設備投資の総額は1,224百万円となりました。