【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻から約1年が経過したなかで、全体としては回復基調にあるものの、米国の金融システム不安による混乱やインフレの高止まり、あるいは中国経済の見通しに不透明感が強まったことから、景気回復の勢いは鈍いものとなりました。
このような外部環境のなか、当社グループの主力取扱商品である銅の価格は期初より堅調に推移し、当第3四半期の中盤にはロンドン金属取引所銅3か月先物価格で9,082ドルをつけたものの、米国での債務上限問題から金融市場に不安が広まり、本年5月には今年最安値となる7,910ドルをつけるなど6か月ぶりに8,000ドルを下回る低い水準となりました。また、販売数量は、インゴットは前年同四半期比1.5%減、スクラップは同8.2%減、全体では同6.3%減となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高615億26百万円(前年同四半期比6.0%減)、営業利益2億17百万円(同85.6%減)、経常利益53百万円(同96.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益53百万円(同93.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(非鉄金属事業)
非鉄金属事業の主力取扱商品である銅の期中平均円ベースCash価格が前年同四半期比0.7%高く推移したものの、販売数量では同四半期比6.3%減少したことから、当第3四半期連結累計期間の売上高は612億31百万円(同6.0%減)と前年同四半期比39億28百万円の減少となりました。
(美術工芸事業)
美術工芸事業は、金製品(仏像、仏具)、キャラクター製品の需要が引き続き底堅く、ほぼ横這いで推移したことから、当第3四半期連結累計期間の売上高は2億94百万円(同0.1%増)と前年同四半期比ほぼ同水準となりました。
財政状態につきましては、次のとおりであります。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は219億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億4百万円減少いたしました。これは主に、棚卸資産が13億30百万円増加した一方、売上債権が19億61百万円減少したためであります。
また、固定資産は31億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億2百万円減少いたしました。
この結果、総資産は251億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億7百万円減少いたしました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は138億14百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億47百万円減少いたしました。これは主に、仕入債務が7億59百万円増加した一方、短期借入金が7億29百万円、その他流動負債が1億46百万円減少したためであります。
また、固定負債は23億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億51百万円減少いたしました。
この結果、負債は162億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億98百万円減少いたしました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は89億10百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億8百万円減少いたしました。これは主に、利益剰余金が2億29百万円減少、自己株式が73百万円増加したためであります。
この結果、自己資本比率は35.5%となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当社は、銅合金中の微量貴金属の定量方法を確立することを目的に、大学と共同研究を進めております。当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は1,010千円であります。