【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、ウィズコロナへの転換が進んでいることで新型コロナウイルス感染症による景気の影響が和らいできております。しかしながら、長期化するロシア・ウクライナ情勢並びに円安の影響等に伴い原材料価格及び資源・エネルギー価格の高騰による物価の上昇等により、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。このような環境の下、当社グループは、「事業計画及び成長可能性に関する事項について記載した書面」に記載のとおり、次の成長戦略を実行してまいりました。(既存主力事業)主にバーコードリーダーや赤外線通信用リーダーのハード及び保守メンテナンス売上、受託開発の進捗売上及びシステム保守売上を計上、また受注状況においては、小売店向けの大型受注を獲得する結果となりました。(新製品の開発/販売)顔認証技術を活用した新製品「AsReaderGoMA」の最終調整に入っております。(営業力の強化)大手キャリア様との協業体制を強化し、継続して案件の御紹介をいただくとともに、新規受注の拡大を目指した営業活動手法の検討を進めております。(海外展開)海外大手飲料メーカーの追加注文及び納入がありました。更なる追加注文の獲得を目指すとともに、新規の大口案件を獲得するための営業活動を進めております。2023年4月25日の取締役会において、オランダを本拠とするAsReader Europe B.V.の解散及び清算を決議、2023年6月末日に手続き完了を予定しております。販売拠点が減少いたしますが、アメリカを本拠とするAsReader,Inc.からの拡販を可能とする体制を整備いたしました。今後のヨーロッパ市場への拡販は継続して行ってまいります。
以上の取り組みの結果、当社グループの当第3四半期連結会計期間末の財政状態及び当第3四半期連結累計期間における経営成績は、次の結果となりました。
①財政状態の状況(資産)当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、2,781,305千円となり、前連結会計年度末の2,519,553千円と比べ、261,752千円の増加となりました。主な要因は、商品及び製品の増加347,866千円、有形固定資産の増加282,077千円、投資有価証券の増加101,250千円、その他流動資産のうち前渡金の増加100,101千円、その他流動資産のうち仮払法人税等の増加86,006千円、無形固定資産の増加19,508千円、投資その他の資産のうち長期前払費用の増加16,746千円、投資その他の資産のうち繰延税金資産の減少12,342千円、売掛金及び契約資産の減少50,403千円、現金及び預金の減少638,554千円によるものです。(負債)当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、822,869千円となり、前連結会計年度末の447,333千円と比べ375,536千円の増加となりました。その主な要因は、短期借入金の増加500,000千円、賞与引当金の増加18,006千円、製品保証引当金の減少9,960千円、その他流動負債のうちの契約負債の減少20,027千円、買掛金の減少30,297千円、未払法人税等の減少85,290千円によるものです。(純資産)当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、1,958,435千円となり、前連結会計年度末の2,072,219千円と比べ113,784千円の減少となりました。その主な要因は、資本金の増加14,375千円、資本剰余金の増加14,375千円、利益剰余金の減少143,858千円によるものです。
②経営成績の状況当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高1,227,646千円(前年同期比32.6%減)、営業損失153,074千円、(前年同期は266,907千円の営業利益)、経常損失126,615千円、(前年同期は323,250千円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失143,858千円(前年同期は198,695千円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 ①AsReader事業
AsReader事業の連結売上高は902,857千円(前年同期比40.2%減)、セグメント損失は29,944千円(前年同期は428,053千円のセグメント利益)となりました。当社主力商品である「AsReader」の販売では、国内向けでは、製造業界、自動販売機業界、医療業界、食品業界、卸売業界への販売が堅調に推移したほか、卸売業界への新規納入がありました。海外向けでは、飲料メーカーへの追加納入がありました。一方で、新製品の販売が当初の計画よりずれ込んだことよる開発費用の追加発生及び、滞留在庫に対する商品評価損の計上などの影響により、セグメント損失が発生する結果となりました。
②システムインテグレーション事業 システムインテグレーション事業の連結売上高は322,262千円(前年同期比3.5%増)、セグメント利益は28,149千円(前年同期は3,819千円のセグメント損失)となりました。物流業界向け、小売業界向けなどのシステム開発の受注があり、一部で進捗が遅れている案件もありますが、概ね堅調に推移しました。また、前年同期に一部不採算案件に対して受注損失引当金を計上していたため、当期のセグメント利益が前年同期と比べ、大幅に改善する結果となりました。
③賃貸事業 2023年8月期第2四半期連結会計期間に竣工したAsTech Osaka Buildingの建設地が大阪市の定める特別用途地区(中高層階住居専用地区)に該当することから、7階~9階の3フロアを住居として賃貸することとなりました。当該賃貸開始に伴い賃貸事業セグメントを追加しております。 2023年1月から入居者の募集を開始し、2023年8月期第3四半期末において入居率100%となった結果、賃貸事業の連結売上高は2,526千円、セグメント損失は1,962千円となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計方針及び見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、8,259千円であります。 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「1 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの資本の財源及び資金の流動性について重要な変更はありません。