【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症は、その拡大に一定の歯止めがかかり、各種規制の緩和により社会活動が回復し、景気は緩やかに回復してきました。一方で、世界的なエネルギーコストや資源・原材料価格の高騰による物価上昇の長期化、諸外国の金利上昇と円安進行等、依然として不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループにおいては、収益基盤の確立・向上や成長事業領域の探求、参入の検討等を継続的に行ってまいりました。過年度からの提案型営業が奏功し受注に至る案件もあり、これに加え、製造部門における業務の進め方の改善・見直しにより稼働率が向上する等の成果があった一方、顧客基盤や技術力等の強みを活かした受注強化や全社的な効率性・生産性の追求によるコスト競争力強化等においては、一段の改善・改革を早急に進める必要があり、喫緊の最優先課題であります。
また、従来の中核事業に捉われることなく、収益機会の多様化・分散を進めるべく、食に関連する取引先の課題解決に資する解凍機や衛生関連製品等の販売力強化、新規事業への参入検討、海外戦略再構築に向け、経営資源配分を抜本的かつ柔軟に見直し、具体的施策を早急に進めております。
このような中で、プラント工事については、主力の飼料・製粉メーカーから受注した設備更新や機械設置等の工事を順調に進める一方、年度内完工予定案件の受注強化を進めるとともに、来年度以降が納期となる工事案件の情報収集・提案・見積り提出等も進めております。
また、産業機械製造分野では、主力の飼料・製粉関連の取引先からのロールを始めとする各種機械製品の受注強化を進める一方、顧客の工場再編に起因した製造設備機械リプレース等、中長期的に収益に寄与する案件の獲得に向けた提案も同時並行で進めております。また、多様な業種における省力化・省人化ニーズを踏まえた開袋機受注等、顧客ポートフォリオの分散・多様化も進めております。一方、製造現場では、製造加工から検査までの各工程における業務の進め方の改善や老朽化設備の更新検討等により稼働率向上及び生産効率化による生産性向上に向けた取り組みを進めております。
当社グループは収益拡大に向けて、2023年10月には組織改正を実施し、解凍機、衛生関連製品等の「食」に関わる各種ソリューションの営業力の強化、提案力・プロモーション・メンテナンス体制の強化を進め、また成長領域に関わる新規事業への参入検討も進めております。
資本業務提携契約を締結しておりますAbalance株式会社とは、同社グループ会社が扱う光触媒製品の連携営業を進めるとともに、主力取引先においてカーボンニュートラル対応が必要となる中、太陽光発電導入に向けた共同提案を進める等、今後もAbalanceグループとの一層の連携を進化させてまいります。
こうした状況下、前連結会計年度において収益を押し上げていた大型プラント工事案件の完工により、当社グループの連結売上高は1,497百万円(前年同四半期は3,128百万円)と低調でありました。また、損益面に関しましては、売上高の大幅減少、また工場稼働率が低水準で推移したことなどを反映して、営業損失164百万円(前年同四半期は77百万円の営業利益)、経常損失143百万円(前年同四半期は114百万円の経常利益)となり、親会社株主に帰属する四半期純損益は、特別損益(投資有価証券売却益・固定資産除却損等)、法人税等を加減算し、誠に遺憾ながら115百万円(前年同四半期は1,569百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)の損失計上となりました。
なお、第1四半期連結会計期間より、当社グループの報告セグメントは単一セグメントとなったことから、セグメント別の記載を省略しております。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、5,808百万円(前連結会計年度末は総資産7,236百万円)と前連結会計年度末より1,427百万円の減少となりました。これは主に、仕掛品174百万円、建物及び構築物446百万円の増加等があったことに対し、現金及び預金753百万円、受取手形、売掛金及び契約資産688百万円、投資有価証券654百万円、長期未収入金152百万円、建設仮勘定204百万円の減少等があったことによるものです。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債は、2,984百万円(前連結会計年度末は負債3,810百万円)と前連結会計年度末より826百万円の減少となりました。これは主に、前受金115百万円の増加等があったことに対し、支払手形及び買掛金140百万円、電子記録債務365百万円、長期借入金112百万円、繰延税金負債217百万円の減少等があったことによるものです。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、2,823百万円(前連結会計年度末は純資産3,425百万円)と前連結会計年度末より601百万円の減少となりました。これは、為替換算調整勘定25百万円の増加があったことに対し、その他有価証券評価差額金411百万円、利益剰余金137百万円、自己株式の取得77百万円の減少があったことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ609百万円減少し、1,562百万円となりました。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
営業活動の結果支出した資金は16百万円(前年同四半期 営業活動の結果支出した資金1,306百万円)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失が108百万円となり、売上債権の減少689百万円、前受金の増加115百万円、固定資産除却損45百万円等の増加要因があったことに対し、貸倒引当金の減少152百万円、投資有価証券売却益25百万円、棚卸資産の増加167百万円、仕入債務の減少506百万円等の減少要因があったためであります。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
投資活動の結果支出した資金は336百万円(前年同四半期 投資活動の結果得られた資金は1,979百万円)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入213百万円、投資有価証券の売却による収入51百万円等の増加があったのに対し、有形固定資産の取得による支出393百万円、定期預金の預入による支出199百万円等の支出があったためであります。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
財務活動の結果支出した資金は259百万円(前年同四半期 財務活動の結果支出した資金842百万円)となりました。これは主に、短期借入金の減少44百万円、長期借入金の返済による支出112百万円、自己株式取得による支出77百万円等の支出があったためであります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は9百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)主要な設備
前事業年度末において、主要な設備である足利事業所で建設中であった新事務所棟が、当第2四半期連結累計期間(2023年8月)に完成し、開所しております。
なお、当第2四半期連結累計期間において、有形固定資産の建物及び構築物467百万円を計上しております。