【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第1四半期累計期間における我が国経済は、個人消費や設備投資、インバウンド需要の回復等、緩やかな持ち直しがみられました。一方、世界的な金融引き締め等による原材料やエネルギーの価格高騰、国内の金融政策に伴う円安基調や物価上昇などにより、先行きは依然として不透明な状況が続いております。当社が属する情報サービス産業においては、デジタルトランスフォーメーション(DX)を背景に、企業の競争力強化や情報セキュリティの強化のためのIT投資意欲は引き続き拡大傾向にあります。当社の主要な事業領域であるクレジットカード業界においては、経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、クレジットカード業の取扱高は、前年の水準を引き続き上回り推移しております。
このような環境の中、当社はスーパーマーケット・ディスカウントストア等、小売業の新規・既存顧客を中心に、EMV(注)に準拠した決済システムの導入、新たな決済手段やサービス開始の提案等を引き続き進めるとともに、従来の売切り型に加えて、マルチ決済端末のサブスクリプションサービス「サクラ」を導入し、マーケットターゲットの拡大を進めてまいりました。2020年の経済産業省が推進するクレジットIC化に伴い、大規模加盟店・中規模加盟店に対してIC化が一斉に実施されましたが、その際システム導入した顧客からのリプレース案件も獲得できるよう取り組んでおります。以上の結果、当第1四半期累計期間における売上高は517,584千円(前年同四半期比48.2%増)となりました。利益面については、コスト低減に取り組んだ結果、営業利益は49,285千円(前年同四半期は営業損失91,216千円)、経常利益は49,697千円(前年同四半期は経常損失91,650千円)、四半期純利益は53,641千円(前年同四半期は四半期純損失83,280千円)となりました。(注)「EMV」とは、Europay、Mastercard、VISAの頭文字をとったもので、IC型クレジットカードに関する国際規格です。
当社は、2023年8月14日開催の取締役会において、セグメント区分を変更することを決議いたしました。前第1四半期累計期間において「キャッシュレス決済サービス事業」の単一セグメントとしておりましたが、当第1四半期会計期間より、「ペイメントインテグレーション事業」、「ペイメントサービス事業」及び「その他事業」の3つを報告セグメントとしております。
旧セグメント
新セグメント
キャッシュレス決済サービス事業
情報システム開発売上(フロー売上)
ペイメントインテグレーション事業(フロービジネス)
・決済システムの設計・開発・導入・販売・決済端末アプリケーションの設計・開発・導入・販売・決済端末の販売・システム機器の販売、ソフトウェアやシステムインフラ基盤に関する設計・開発・導入・販売
アウトソーシングサービス売上(ストック売上)
ペイメントサービス事業(ストックビジネス)
・決済ASPサービス(クラウド型)の提供・保守運用サービスの提供・決済端末のサブスク型販売・決済代行サービスの提供・ソフトウェアの保守、ハードウェアの保守、BPOサービスの提供
その他事業
・ヘルスケアアプリの設計・開発・販売・サービスの提供・事業化を検討している新規ビジネス等
セグメント別の経営成績は以下の通りです。なお、前年同四半期の数値については、変更後の区分により作成したものを記載しております。(ペイメントインテグレーション事業)ペイメントインテグレーション事業は、主要取引先からのリプレース大型案件を受注し、機器販売、受託開発ともに、好調に推移いたしました。以上の結果、売上高は272,216千円(前年同四半期比118.4%増)、セグメント利益(営業利益)は48,782千円(前年同四半期は57,180千円のセグメント損失)となりました。(ペイメントサービス事業)ペイメントサービス事業は、決済ASPサービス、保守運用サービスの提供等であり、本事業のストック売上は、フロー収益の案件が納品された後から売上計上されます。前事業年度で獲得したフロー案件からストック売上に繋がり、堅調に推移しました。以上の結果、売上高は245,367千円(前年同四半期比9.3%増)、セグメント利益(営業利益)は22,692千円(同518.4%増)となりました。(その他事業)その他事業は、主に、ヘルスケアアプリの設計・開発・販売・サービスの提供を行っております。当第1四半期累計期間においては、売上計上には至らなかったものの(前年同四半期は18千円のセグメント売上)、将来の収益獲得に向けた研究開発について継続して実施した結果、セグメント損失(営業損失)は22,189千円(前年同四半期は37,705千円のセグメント損失)となりました。
(2) 財政状態の状況(資産)流動資産は、前事業年度末と比べて45,273千円減少し、1,500,171千円となりました。これは主に、現金及び預金が239,258千円減少した一方、売掛金及び契約資産が164,367千円、商品が18,829千円増加したことによるものであります。固定資産は、前事業年度末と比べて63,381千円増加し、89,150千円となりました。これは主に、有形固定資産が9,679千円、無形固定資産が48,385千円、投資その他の資産が5,316千円増加したことによるものであります。この結果、当第1四半期会計期間末における資産合計は、前事業年度末に比べ18,107千円増加し、1,589,322千円となりました。
(負債)流動負債は、前事業年度末に比べて20,384千円減少し、1,048,951千円となりました。これは主に、第1四半期においては賞与引当金の計上17,412千円があったことと、買掛金が63,344千円、未払法人税等が15,456千円、契約負債が13,788千円増加した一方で、短期借入金が50,000千円、1年内返済予定の長期借入金が4,998千円、未払金が50,472千円、預り金が25,110千円減少したことによるものであります。固定負債は、前事業年度末と比べて15,600千円減少し、146,000千円となりました。これは主に、長期借入金が15,600千円減少したことによるものであります。この結果、当第1四半期会計期間末における負債合計は、前事業年度末に比べ35,984千円減少し、1,194,951千円となりました。
(純資産)純資産合計は、前事業年度末に比べて54,091千円増加し、394,370千円となりました。これは、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ225千円増加したほか、四半期純利益の計上により利益剰余金が53,641千円増加したことによるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計方針及び見積りに記載した会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等当第1四半期累計期間において、当社の経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動当第1四半期累計期間における研究開発活動の金額は7,825千円であり、セグメント別の内訳はペイメントインテグレーション事業が2,682千円、その他事業が5,143千円となっております。当第1四半期累計期間においても、前事業年度と同様に既存事業の拡張に向けた研究開発と将来の事業化に向けた研究開発を行っており、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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