【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、前第1四半期連結会計期間に行われた企業結合に係る暫定的な会計処理が前連結会計年度末に確定しており、前第2四半期連結累計期間との比較・分析にあたっては暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類へ移行したことにより、個人消費の持ち直しや社会活動の正常化、設備投資の増加、インバウンド需要の回復等、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で長期化する原材料・エネルギー価格の高騰、円安進行による物価上昇、地政学的リスクの高まり、世界的な金融引き締めを背景とした世界的な景気後退懸念等、先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループが属する情報サービス業界においては、引き続きデジタル技術を活用したビジネスプロセスやビジネスモデルの変革を行うDX(デジタルトランスフォーメーション)、クラウドサービスの利活用等の投資需要が依然として強く、堅調な状況が続いております。また、「標的型攻撃」に代表されるサイバー攻撃への防衛策等、情報セキュリティ対策の重要性も一層高まっており、今後も市場規模の拡大が見込まれております。
このような環境のもと当社グループでは、2023年9月29日に上場維持基準適合に向けて、中期経営計画(VISION2023)の最終年度である2024年3月期を期初とした延長版「新中期経営計画(VISION2025)」を発表いたしました。積極的なM&Aの推進、業務提携先との連携強化、DXビジネス推進、人材育成への投資と得意分野の強化、既存SI分野の更なる売上拡大、資本政策・株主還元に取り組み、更なる企業価値の向上を目指してまいります。現在は事業構造の選択と集中による高付加価値ビジネス推進へのシフトを積極的に推進しております。M&Aを活用し当社の成長戦略の柱であるパッケージベースSI・サービスの更なる拡大に向け、グループ連携の強化を図り、さらに既存顧客とのパートナーシップの強化による領域の拡大及び顧客満足度の向上に努め、DX推進本部を中心とする、ローコード開発やアジャイル開発等の新デジタル分野に対応した人材育成の強化、クラウドシフトへの取り組みに注力してまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は6,465,470千円(前年同四半期比19.6%増)と、第1四半期連結会計期間に続き、全サービスラインで売上高が前年売上を上回る結果となりました。利益面につきましては、処遇改定に伴う人件費の増加や新デジタル分野への人材育成費用等の人的資本投資を行い経費等が増加しましたが、増収による増益に加え、事業構造の選択と集中による高付加価値ビジネスによる利益率改善の結果、営業利益は761,648千円(前年同四半期比72.1%増)、経常利益775,878千円(前年同四半期比71.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は525,370千円(前年同四半期比95.1%増)と大きく伸長し、売上高・利益面ともに二桁以上の増加率を達成することができました。
事業のサービスライン別の業績を示すと次のとおりであります。
事業のサービスライン
売上高(千円)
前年同期比(%)
システムインテグレーション・サービス
3,657,321
121.1
インフラソリューション・サービス
648,121
107.4
パッケージベースSI・サービス
2,160,027
121.3
合計
6,465,470
119.6
(システムインテグレーション・サービス)
金融分野については、ネットバンク及び信託銀行向け受託開発案件が堅調に推移し、またクレジットカード分野も前年に引き続き順調に推移したことにより前年を大きく上回りました。また、産業・流通分野については、通信回線事業者向け受託開発案件が堅調に推移し、公共分野については前年度から続いている大型プロジェクト案件及び行政機関向けシステム開発案件の受注による売上が増加したこと等により大きく伸長しております。この結果、システムインテグレーション・サービス全体の売上高は3,657,321千円(前年同四半期比21.1%増)となりました。
内訳を業種別に示すと、次のとおりであります。
業種別
売上高(千円)
前年同期比(%)
金融
1,602,187
123.0
(うち銀行)
965,474
136.4
(うちクレジットカード)
519,677
107.5
(その他)
117,035
104.6
産業・流通
1,547,300
113.9
公共
236,939
188.8
医療
270,893
115.8
合計
3,657,321
121.1
(インフラソリューション・サービス)
当社におけるDX推進の中心であるクラウド開発につきましては、人材育成の強化を行い、公共向けクラウド案件の受注により売上高が増加しております。また半導体不足の影響が緩和したことによる基盤構築・導入案件の受注が増加したことにより、売上高は648,121千円(前年同四半期比7.4%増)となりました。
(パッケージベースSI・サービス)
当社における成長戦略の柱であるパッケージベースSI・サービスについては、引き続きDX推進の中心であるクラウド分野のSalesforce関連の導入支援及びアドオン開発の全社展開における大型案件獲得により、売上高が増加しております。また、子会社インフリーでの中心ビジネスであるSAP関連の導入支援及びアドオン開発の売上高については、大規模プロジェクトの受注による当社事業部門と共同体制を構築し対応した結果、大幅に増加しております。さらに子会社テクニゲートと当社事業部門が展開する会計パッケージの導入支援、保守及びアドオン開発の売上高については、2023年10月1日からのインボイス制度開始を迎え、バージョンアップ作業及びアドオン開発の改修案件の受注により、売上が急伸いたしました。この結果、パッケージベースSI・サービス全体の売上高は2,160,027千円(前年同四半期比21.3%増)と売上が大きく増加いたしました。
(2)財政状態に関する説明
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は7,793,194千円となり、前連結会計年度末と比較して290,417千円の増加となりました。これは主に、売掛金及び契約資産が298,182千円増加、システム開発の進捗により仕掛品が60,539千円増加、有価証券が100,000千円増加した一方、現金及び預金が67,700千円減少、その他流動資産が16,792千円減少、のれん及び顧客関連資産が52,857千円減少、繰延税金資産が34,154千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は2,588,700千円となり、前連結会計年度末と比較して48,347千円の減少となりました。これは主に買掛金が49,794千円増加、未払金が57,056千円増加、契約負債が34,889千円増加、預り金が13,140千円増加、受注損失引当金が16,300千円増加した一方、未払法人税等及び未払消費税等が73,771千円減少、賞与引当金及び役員賞与引当金が131,846千円減少、株主優待引当金が15,135千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は5,204,494千円となり、前連結会計年度末と比較して338,764千円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が336,849千円増加したこと等によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,963,863千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は262,410千円となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益の計上額775,878千円、のれん償却額及び減価償却費の計上額85,936千円、仕入債務の増加額49,794千円、受注損失引当金の増加額16,300千円、契約負債の増加額34,889千円、その他流動資産の減少額19,700千円、その他流動負債の増加額70,303千円等の資金増加と、売上債権の増加額298,182千円、棚卸資産の増加額60,539千円、賞与引当金及び役員賞与引当金の減少額131,846千円、株主優待引当金の減少額15,135千円、法人税等の支払額296,570千円等の資金減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は43,083千円となりました。これは主に、有形及び無形固定資産取得による支出39,187千円の資金減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は189,728千円となりました。配当金の支払額188,520千円、自己株式の取得による支出1,208千円等の資金減少によるものであります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
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