【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い、社会経済活動の正常化が進展し、緩やかな回復の動きがみられました。一方で、原材料価格及びエネルギー価格の高騰や為替相場の円安進行などの影響に加え、世界的な金融引締めや物価上昇の長期化など、国内、海外経済ともに依然として先行き不透明な状況が続いております。このような状況の下、当社グループの業績につきましては、ウィズコロナへの移行による個人消費の回復を取り込んだアスモトレーディング事業、また、主要顧客である高齢者施設の利用者数が回復しているアスモフードサービス事業及びアスモ介護サービス事業の業績は第1四半期に引き続き好調に推移いたしました。一方、ASMO CATERING(HK)事業においては店舗部門の伸び悩みにより厳しい状況が継続しております。以上の結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高10,235百万円(前年同期比3.7%増)、営業利益300百万円(前年同期比104.6%増)、経常利益339百万円(前年同期比74.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、199百万円(前年同期比123.7%増)となりました。売上高の増加は、主にウィズコロナ環境の中で回復しているアスモトレーディング事業及びアスモフードサービス事業によるものであります。利益の改善は、アスモフードサービス事業での売上単価値上げ交渉の成果及び売上原価コントロールによるもの、また、コロナ感染対策の縮小に伴いアスモフードサービス事業及びアスモ介護サービス事業で増幅していた衛生関連費用の減少と、人件費の見直しや販管費の抑制によるものであります。今後におきましては、各事業の状況に応じて引き続き売上高の拡大や利益率の改善を推し進めることで、業績の向上にむけグループ一丸となって邁進してまいります。
セグメントごとの状況は次のとおりであります。
セグメント名称(セグメントに該当する会社)
主要な事業の内容
アスモ事業(株式会社アスモ)
グループ会社の統制・管理、不動産賃貸
アスモトレーディング事業(株式会社アスモトレーディング)
食肉の輸入、食肉及び食肉加工品の販売
アスモフードサービス事業(株式会社アスモフードサービス)(株式会社アスモフードサービス首都圏)(株式会社アスモフードサービス東日本)(株式会社アスモフードサービス中日本)(株式会社アスモフードサービス西日本)
高齢者介護施設等における給食の提供
アスモ介護サービス事業(株式会社アスモ介護サービス)(株式会社アスモライフサービス)
訪問・居宅介護事業所の運営、有料老人ホームの運営
ASMO CATERING (HK) 事業(ASMO CATERING (HK) CO., LIMITED)
香港における外食店舗の運営、食品加工販売
その他
(ASMO CATERING(TAIWAN)COMPANY LIMITED)
台湾における外食店舗の運営 ※事業を休止中
① アスモトレーディング事業食肉市場では、世界情勢の不安に起因した燃料価格の高騰に加え、輸送費や穀物飼料価格の高止まりが続いた結果、世界的なインフレによる価格高騰がアメリカやオーストラリア等の輸入牛肉の価格に影響を及ぼしました。国内では、断続的な円安傾向により食肉価格の高騰が続き、販売価格への価格転嫁が難しい中で、特に9月は需要低下に加え為替も150円/$に迫るなど、価格の高騰から需要が低迷し利益確保に支障が出ました。しかしインバウンド需要が増えたことと、社会経済活動の正常化を受けたお盆休み期間の需要を追い風として7月・8月の販売が好調に推移しました。また、国内通販事業部門においても、お中元などの贈答需要は少し陰りが見えますが、提案件数を増やすべく展示会の開催による新規取引先企業への獲得を行っており、売上高は堅調に推移いたしました。一方で、費用面に関しては人件費の高騰に加え、展示会開催費用が増加したことにより、営業利益はわずかながらの減少となりました。以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、2,273百万円(前年同四半期比5.0%増)、セグメント利益(営業利益)は49百万円(前年同四半期比3.3%減)となりました。今後におきましては、長引く円安基調とさらなる物価上昇による消費者の生活防衛意識の高まりなど、足元では不透明な状況が続きますが、お客様へ安定的な商品の供給を継続すると共に、販路拡大と業績の向上に専念してまいります。
② アスモフードサービス事業アスモフードサービス事業におきましては、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことを背景に高齢者施設の入居率や介護サービス利用者数が回復傾向となった結果、新規開拓営業活動の機会が増加し、給食受託施設数及び給食提供数が増加いたしました。また、イベント食をはじめとする高齢者施設での諸活動が再開しており、バラエティ豊かなメニューを提案・提供し、利用者様の生活に潤いをもたらすお手伝いをさせていただきました。一方で、費用面に関しては生鮮食品や加工食品を含めた食材価格の高騰、調理スタッフや栄養士などの人手不足による人件費の増加、原油価格上昇による光熱費の高騰が利益を押し下げる要因となっておりますが、一部では仕入れ先の見直しによる原材料費の削減に成功しており、献立内容の工夫も継続的に行うことで、利益の確保に取り組んでまいりました。また人員不足も引き続き深刻な状況ですが、社員研修や会社イベントにより従業員間の交流を深めることで離職率を低下させるとともに、長期間かけて基礎知識と実践力を学ぶ充実した教育カリキュラムを作成するなどして、社員教育に注力しております。以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、3,884百万円(前年同四半期比3.8%増)、セグメント利益(営業利益)は154百万円(前年同四半期比48.4%増)となりました。引き続き、給食受託施設を増やすべく営業活動に取り組むことで収益力の向上に努めてまいります。
③ アスモ介護サービス事業アスモ介護サービス事業におきましては、訪問介護事業所、居宅介護支援事業所、有料老人ホーム運営事業及び介護タクシー事業を営んでおります。介護業界全体として、新型コロナウイルス感染症の影響は低減いたしましたが、依然として先行きの見えない物価高騰への対応に苦慮しつつも、介護サービス提供の強化と並行してコスト管理に注力しながら日々努めてまいりました。そのような状況の中、今まで自重しておりました新規入居者獲得活動も精力的に取り組んだ結果、訪問介護事業所、居宅介護支援事業所のご利用者数、並びに有料老人ホームのご入居者数を順調に伸ばすことが出来ました。これにより当第2四半期連結会計期間末現在、訪問介護事業所36事業所(前年同期末は36事業所)居宅介護支援事業所12事業所(前年同期末は12事業所)となり、支援させていただいておりますご利用者様(※)は1,958名(前年同期末は1,884名)となりました。また、有料老人ホーム7施設(前年同四半期末は7施設)のご入居者は363名(前年同四半期末は321名)となりました。(※)介護タクシーでの介護保険利用者を除く以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、2,814百万円(前年同四半期比1.7%増)、セグメント利益(営業利益)は233百万円(前年同四半期比209.7%増)となりました。 今後におきましては、更なる業績増進を目指すとともに、介護人材育成に注力していく事で、より良い人材の確保と定着化に努め、介護サービスの質の向上を図ってまいります。
④ ASMO CATERING (HK) 事業香港では、第1四半期に引き続きアフターコロナで期待された小売や飲食業における需要の回復は見られません。コロナ疲れにより日本を主要とするアジア諸国への旅行や、特に週末において中国本土へ人が流失していることが一時的な要因として挙げられますが、より恒常的な要因として、2018年に起こった政治的な混乱を発端として香港社会が構造的に変革期を迎えていることも影響していると考えられます。過去には1997年の中国返還を機に、それまで中国という巨大市場との『ヒト、モノ、カネ』の西側諸国の窓口として確立されていた国際的な香港の価値が疑われ始め、2000年代前半にはインバウンドよりアウトバウンドが上回り、多くの香港人が西側諸国へ移民として流出しましたが、当時と同じような状況がコロナ禍を経て現在も続いております。そのような厳しい状況の中で、日系外食企業の積極的な香港進出の商機を捉え、食品加工販売部門では順調に売上を拡大し、当第2四半期連結累計期間では売上全体の約46%を占めるに至りました。以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、1,261百万円(前年同期比6.1%増)、セグメント損失(営業損失)は25百万円(前年同四半期はセグメント利益21百万円)となりました。今後も厳しい状況が続くことが予想されますが、アジアでは日本に次ぐ高齢化社会である香港において、昨今の人口減少などにより特に飲食業では採用難が続いており、食品加工販売事業に対する需要は伸び続けております。今後も店舗部門と食品加工販売部門のバランスを見極め、効率的な収益体制の確立に取り組んでまいります。
⑤ その他の事業その他セグメントに含まれておりますASMO CARTERING(TAIWAN)COMPANY LIMITEDは2019年3月を期末とする連結会計年度以降、事業を休止しております。以上の結果、当第2四半期連結累計期間のセグメント損失(営業損失)は0百万円(前年同四半期はセグメント損失0百万円)となりました。
(2) 財政状態
(資産)当第2四半期連結会計期間末における総資産は9,544百万円となり、前連結会計年度末に比べ641百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が407百万円、受取手形及び売掛金が167百万円、差入保証金が43百万円、前払費用が40百万円、未収入金が23百万円増加し、未収法人税等が31百万円、リース資産が13百万円減少したことによるものであります。
(負債)当第2四半期連結会計期間末における負債合計は3,143百万円となり、前連結会計年度末に比べ555百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が186百万円、未払金が150百万円、短期借入金が58百万円、未払消費税等が53百万円、預り金が38百万円、前受収益が30百万円、仮受金が26百万円増加し、リース債務が18百万円減少したことによるものであります。
(純資産)当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は6,401百万円となり、前連結会計年度末に比べ85百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が64百万円、為替換算調整勘定が18百万円、非支配株主持分が4百万円増加し、退職給付に係る調整累計額が2百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は66.6%(前連結会計年度末は70.5%)となりました。
(3) キャッシュ・フロー当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は5,426百万円となり、前年同四半期末に比べて350百万円の増加となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは495百万円の収入となりました。これは主に税金等調整前四半期純利益339百万円や、売上債権及び仕入債務の増減による収入60百万円、その他の資産及び負債の増減による収入89百万円などによるものであります。また、前第2四半期連結累計期間に比べてキャッシュ・イン・フローが1百万円減少した主な要因として、税金等調整前当期純利益は118百万円増加したものの、売上債権と仕入債務の増減による支出が112百万円増加し、その他の資産及び負債の増減による支出が100百万円増加し、たな卸資産の減少による収入が72百万円増加したことなどが挙げられます。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは29百万円の支出となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出28百万円によるものであります。 また、前第2四半期連結累計期間に比べてキャッシュ・アウト・フローが60百万円増加した主な要因として、前第2四半期連結累計期間ではスポット的に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却により48百万円の収入があったところ当第2四半期連結累計期間では無かったことや、有形固定資産の取得による支出が20百万円増加したことなどが挙げられます。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは76百万円の支出となりました。これは主に短期借入金の純増減額の増加による収入58百万円、配当金の支払額115百万円、リース債務の返済による支出20百万円などによるものです。また、前第2四半期連結累計期間に比べてキャッシュ・アウト・フローが41百万円増加した主な要因として、短期借入金の純増減額の増加による収入が45百万円減少したことなどが挙げられます。
以上のとおり、当社グループの当第2四半期連結累計期間の資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フロー収入と投資活動によるキャッシュ・フロー収入を合わせた、いわゆるフリー・キャッシュ・フローが466百万円の収入であることから、財務活動によるキャッシュ・フローにおける配当金支払やリース債務の返済を十分にカバーできる水準となっております。資本の財源につきまして、当社グループの運転資金・設備投資資金は期中の一時的な子会社の借入やリース債務を除き、自己資金により充当しております。当第2四半期連結会計期間末の有利子負債残高はリース債務85百万円及び短期借入金73百万円のみであります。リース債務は順調な返済により前連結会計年度末と比較して18百万円減少しております。短期借入金は58百万円増加しておりますが、これはアスモトレーディング事業において主力商品であるメキシコ産牛肉の販売が着実に増えてきており、特に需要期において予定以上の購買が必要になった際、資金繰りのための買い控えにより販売機会損失を起こさないために設けている当座貸越枠において、年末需要に備えて借入を行ったことによるものであります。資金の流動性につきましても、現金及び現金同等物の当第2四半期連結会計期間末残高が5,426百万円であることから、十分な資金を確保できており、小規模なM&Aや隣接事業への拡大についても対応できる水準であります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動該当事項はありません。