【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、政府による緊急事態宣言が2度にわたり発令される等、社会経済活動が大きく制限されたことから個人消費を中心とした内需が縮小し、輸出を中心とした外需も冷え込んだ結果、景気が大きく後退しました。当社が属する紙・パルプ業界におきましては、紙・板紙の内需は2011年以降マイナスで推移しておりますが、コロナ禍の影響を受けた今年度は減少ペースが加速し、リーマン・ショック直後を上回るマイナス幅となりました。一方、世界経済におきましても、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の制限を強く受け、景気は大きく冷え込みました。欧州では、感染再拡大に伴う各国の大規模な都市封鎖等の影響により、消費が急減し、景気は大きく落ち込んだ状況が継続しております。中国では、早期に新型コロナウイルス感染症を抑制したことでいち早く景気が回復し、10-12月の実質GDPは前年同期比6.5%増加し、通期でもプラス成長となりました。また豪州においては、中国と同様に新型コロナウイルス感染症拡大を早期に抑制し、個人消費が中心となり景気を押し上げ、10-12月期の実質GDP成長率は市場予想を上回り、主要国の中で最も高い伸びを見せております。このような状況下、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高4,304億4百万円(前期比12.8%増)となりました。営業損益においては、前年度及び当年度の海外子会社取得により売上総利益が大幅に増加いたしましたが、香港・中国の取引先において暫定清算手続きの申請に関連した売掛債権の回収遅延などが生じたことから貸倒引当金繰入額116億27百万円を計上した結果、営業損失は90億35百万円(前期は18億50百万円の営業利益)、経常損失は120億41百万円(前期は21億94百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純利益は、保有不動産の売却益を計上した結果、14億16百万円(同15.0%増)となりました。
当連結会計年度の業績については、以下の通りです。
(単位:百万円)
2020年3月期
2021年3月期
売上比(%)
売上比(%)
前年同期比
増減率(%)
売 上 高
381,397
100.0
430,404
100.0
49,006
12.8
売
上
総
利
益
23,708
6.2
51,915
12.1
28,206
119.0
販
売
費
及
び一
般
管
理
費
21,857
5.7
60,950
14.2
39,092
178.9
営 業 利 益又は営業損失(△)
1,850
0.5
△9,035
-
△10,885
-
経 常 利 益又は経常損失(△)
2,194
0.6
△12,041
-
△14,236
-
親会社株主帰属当
期
純
利
益
1,232
0.3
1,416
0.3
184
15.0
売上高の主な増減要因
営業利益の主な増減要因
+87,606百万(海外拠点紙パルプ等卸売事業)
△377百万円(国内拠点紙パルプ等卸売事業)
Antalis S.A.S.の買収効果
売上高減収要因
Spicers Limitedの業績が通期で寄与
△10,736百万円(海外拠点紙パルプ等卸売事業)
△38,634百万円(国内拠点紙パルプ等卸売事業)
海外取引先における売掛債権の回収遅延による
紙:グラフィック洋紙の需要減
貸倒引当金繰入額の計上
板紙:白板紙の販売不調
古紙:市況下落及び国内における需要減
事業別セグメントの業績は次の通りです。
<国内拠点紙パルプ等卸売事業> 紙分野では、デジタル化に伴う紙媒体離れが進む中、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、コミックスの販売拡大や巣ごもり需要に伴う学習参考書向けの販売では健闘したものの、イベントの中止によりチラシ等の需要が減少し、数量・売上高共に前年割れとなりました。板紙分野においては、飲料用包装資材向けを中心に段ボール原紙では比較的堅調に推移しましたが、インバウンド需要の消失により白板紙の販売が減少し、数量・売上高は前年より微減となりました。製紙原料分野では、古紙は紙需要の減退による発生量の減少や、海運の乱れによるコンテナ不足等が影響し、数量・売上高共に、前年より僅かに減少しました。パルプは春先の家庭紙需要増大の影響により、数量は前年を上回りました。この結果、国内拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は2,521億4百万円(同13.3%減)、セグメント利益は37億10百万円(同9.2%減)となりました。
<海外拠点紙パルプ等卸売事業>海外拠点においては、新型コロナウイルス感染症拡大によるロックダウンや、海運の乱れによるコンテナ不足の影響を受けたものの、本年度より豪州Spicers Limitedの業績が通年で寄与したほか、下半期においては、欧州・南米を中心に事業展開するAntalis S.A.S.の買収により、数量・売上高は前年を大幅に上回る結果となりました。欧州においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が、グラフィック用紙事業及びビジュアルコミュニケーション事業に大きく影響したものの、パッケージング事業は好調に推移しました。豪州でも、パッケージング事業が好調に推移し、ビジュアルコミュニケーション事業はコロナ影響前の水準まで回復しております。また、新型コロナウイルス感染症の影響をいち早く脱した中国では、経済の回復による段ボール原紙の需要増を取り込むなど、販売回復が見られております。しかし、香港・中国の取引先において暫定清算手続きの申請に関連した売掛債権の回収遅延などが生じたことから貸倒引当金繰入額を計上したため、大幅な営業損失となりました。この結果、海外拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は1,770億52百万円(同97.9%増)、セグメント損失は105億57百万円(前期は1億79百万円のセグメント利益)となりました。
<不動産賃貸事業>全国主要都市のオフィスビル市場は、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるテレワーク等の勤務形態の変化で、夏以降はオフィス面積縮小の動きがあり平均空室率が上昇しました。このため、東京地区の平均賃料は下落に転じ、その他の地区でも注視が必要な状況です。当社グループでは主力物件であるKPP八重洲ビルが満室稼働したことに加え、一部テナントの入れ替え等による賃料単価の上昇もあり、前年比で増収となりました。この結果、不動産賃貸事業の売上高は12億47百万円(同2.9%増)、セグメント利益は6億29百万円(同6.6%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に税金等調整前当期純利益、有形固定資産の売却及び短期借入金の増加等で獲得した資金を、子会社株式の取得及び自己株式の取得等に充当したことで、前連結会計年度末比227億68百万円増加し、305億43百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用した資金は64億72百万円(前期は49億5百万円の獲得)となりました。これは主に仕入債務の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果獲得した資金は230億46百万円(前期は54億円の使用)となりました。これは主に、資金の有効活用と財務体質の向上を図るための有形固定資産売却による収入及び連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得(Antalis S.A.S.)による収入等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果獲得した資金は65億97百万円(前期は55億4百万円の獲得)となりました。これは主にAntalis S.A.S.の買収に伴う短期借入金の増加及び長期借入金の収入によるものであります。
③ 仕入及び販売の実績
(1) 仕入実績当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2020年4月1日至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)
238,181
86.5
海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)
159,924
186.1
合計(百万円)
398,105
110.2
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2020年4月1日至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)
252,104
86.7
海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)
177,052
197.9
不動産賃貸事業(百万円)
1,247
102.9
合計(百万円)
430,404
112.8
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
サムソンペーパーホールディングスグループ
55,742
14.6
-
-
(注)当連結会計年度のサムソンペーパーホールディングスグループについては、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(参考情報) 当社グループの品種別販売実績は以下のとおりであります。
品種別
前連結会計年度(自 2019年4月1日至 2020年3月31日)
当連結会計年度(自 2020年4月1日至 2021年3月31日)
紙
数量(トン)
1,930,400
2,139,066
金額(百万円)
211,246
228,021
板紙
数量(トン)
894,775
872,418
金額(百万円)
73,603
70,334
紙二次加工品
数量(トン)
30,286
25,916
金額(百万円)
28,368
21,028
パルプ・古紙
数量(トン)
1,221,006
1,257,351
金額(百万円)
32,492
31,119
その他
金額(百万円)
35,686
79,900
合計
数量(トン)
4,076,467
4,294,751
金額(百万円)
381,397
430,404
(注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 3.賃貸収入は「その他」に含まれております。
提出会社の商品販売実績は以下のとおりであります。
品種別
前事業年度(自 2019年4月1日至 2020年3月31日)
当事業年度(自 2020年4月1日至 2021年3月31日)
紙
数量(トン)
1,277,550
1,049,535
金額(百万円)
147,106
121,447
板紙
数量(トン)
713,451
699,165
金額(百万円)
59,250
55,268
紙二次加工品
数量(トン)
18,453
15,144
金額(百万円)
24,807
19,773
パルプ・古紙
数量(トン)
1,231,458
1,211,422
金額(百万円)
30,723
28,982
その他
金額(百万円)
28,180
27,638
合計
数量(トン)
3,240,912
2,975,266
金額(百万円)
290,067
253,111
(注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。
提出会社の用途別販売実績は以下のとおりであります。
用途
前事業年度(自 2019年4月1日至 2020年3月31日)
当事業年度(自 2020年4月1日至 2021年3月31日)
金額(百万円)
構成比(%)
前年比(%)
金額(百万円)
構成比(%)
前年比(%)
新聞用
2,342
0.8
93.6
2,081
0.8
88.9
印刷用
120,800
41.6
97.4
98,186
39.0
81.3
包装・容器用
70,115
24.2
93.4
66,794
26.5
95.3
情報用紙
43,760
15.1
99.8
36,465
14.5
83.3
製紙原料用
30,726
10.6
69.6
28,982
11.5
94.3
その他
22,324
7.7
98.6
19,318
7.7
86.5
合計
290,067
100.0
92.9
251,830
100.0
86.8
(注) 1.用途の分類は当社独自の基準によっております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による認識及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度における当社グループの経営成績につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。新型コロナウイルス感染症の拡大による業績への影響については、地域及び事業により、その回復度合いなどが異なると見ております。しかしながら、ワクチン接種率の上昇により、感染症拡大は確実に終息へ向かい、当社業績に対してもプラスの影響を及ぼすことを見込んでおります。このような状況下、当社グループは長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に則り、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営の基本方針」に記載の通り、対処すべき課題に対応してまいります。
(a) 事業別セグメントの実績
(単位:百万円)
2020年3月期
2021年3月期
前年同期比
増減率(%)
国 内 拠 点紙パルプ等卸売事業
売 上 高
290,738
252,104
△38,634
△13.3
セグメント利益
4,088
3,710
△377
△9.2
利 益 率 (%)
1.4
1.5
+0.1
-
海 外 拠 点紙パルプ等卸売事業
売 上 高
89,446
177,052
87,606
97.9
セグメント利益又 は 損 失
179
△10,557
△10,736
-
利 益 率 (%)
0.2
-
-
-
不
動
産
賃
貸
事
業
売 上 高
1,212
1,247
35
2.9
セグメント利益
590
629
38
6.6
利 益 率 (%)
48.7
50.4
1.7
-
合 計
売 上 高
381,397
430,404
49,007
12.8
セグメント利益又 は 損 失
4,858
△6,217
△11,075
-
調 整 額
△3,007
△2,817
189
-
営 業 利 益又は営業損失
1,850
△9,035
△10,885
-
利 益 率 (%)
0.5
-
-
-
(b) 国内紙パルプ等卸売事業について当連結会計年度における、国内紙パルプ等卸売事業の業績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。2022年3月期の日本国内市場におきましては、紙事業、特にグラフィック用紙事業について、当連結会計年度の実績は上回るものの、最終的には前連結会計年度の需要まで回復するのは難しいと見込んでおります。板紙事業につきましては、当連結会計年度より飲料関係及び通販関連の段ボール原紙需要の増加が下支えし、2022年3月期も全体的には微増を見込んでおります。古紙につきましては、世界的な古紙需要の増加に伴い、2021年の年初来からの輸出価格の高騰が一定程度継続する見込みです。その為、国内市況の大きな変動は見込んでおりませんが。国内古紙発生量の減少により、仕入価格が上昇し、当社利益への影響が懸念されております。このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、国内紙パルプ等卸売事業の拡大を目指す所存です。
[国内基本戦略]
1.総合循環型経営の促進製品販売と古紙回収による循環型事業モデルの確立マテリアルリサイクルとサーマルリサイクルによる事業の拡大
2.海外グループ企業とのコラボレーションとシナジー
市場特性に合わせたパッケージング事業及びビジュアルコミュニケーション事業への展開
3.環境事業の推進・拡大
環境配慮型素材や製品の開発・販売
4.ソリューション事業の拡大バイオマス発電所運転支援システムの展開
(c) 海外紙パルプ等卸売事業について当連結会計年度における、海外紙パルプ等卸売事業の業績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。2022年3月期の海外市場につきましては、欧州・豪州ともに、グラフィック用紙の需要は日本と同様、前連結会計年度の水準までは回復しない見通しです。一方、欧州におけるパッケージング事業は好調を継続する他、ビジュアルコミュニケーション事業についても、新型コロナウィルス感染症のワクチン接種率の高まりと共に、需要は前連結会計年度の水準まで回復する見通しです。豪州においても、ビジュアルコミュニケーション事業でのM&A効果が表れ、業績が回復する見通しです。中国については、巨額の一過性損失を計上したことで潜在的なリスクが一掃され、新たに中国国内市場での販売体制を再構築し、需要旺盛な紙・板紙の消費を取り込んで、業績を伸長する見込みとしております。なお、2022年3月期より、昨年7月に買収した仏Antalis S.A.S.の業績が通期で寄与するため、大幅な増収増益が見込まれます。このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、海外紙パルプ等卸売事業の拡大を目指す所存です。
[海外基本戦略]
1.インオーガニック・グロース外部経営資源の獲得(インオーガニック)による事業領域の拡大海外紙卸商の買収(豪Spicers Limited・仏Antalis S.A.S.)など
2.グローバルネットワークを活かした展開ハイブリッド型ビジネスモデル(※)の展開
※ハイブリッド型ビジネスモデル
(d) 不動産賃貸事業について当連結会計年度における、不動産賃貸事業の業績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。当該事業セグメントにつきましては、当連結会計年度は前連結会計年度と比較して増収増益となりましたが、その金額は僅少でありほぼ横ばいの結果となりました。賃貸物件の安定稼働を重視しており、資産価値を維持するための修繕等を計画的に実施しております。今後も引き続き、現有物件の安定稼働とローコストでの運用を心掛け、安定した収益を確保する事業として推進してまいります。
② 財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、2,751億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ858億2百万円増加しました。これは主に、Antalis S.A.S.の買収による売上債権の増加及び商品の増加等によるものであります。負債は、2,315億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ894億97百万円増加しました。これは主に、Antalis S.A.S.の買収による仕入債務及び短期借入金の増加及び子会社株式取得に伴う長期借入金等の増加によるものであります。 純資産は、435億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ36億95百万円減少し、自己資本比率は15.8%となり、前連結会計年度末に比べ9.1ポイント減少しました。これは主に、円高に伴う為替換算調整勘定及び退職給付に係る調整累計額の減少と、Antalis S.A.S.の買収による総資産の増加等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。当社グループは、長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に基づく第二次中期経営計画(2019年度~2021年度)を推進中ですが、事業で創出される営業キャッシュ・フローにつきましては、成長投資と株主還元に、適正に配分していく所存です。成長投資への支出につきましては、海外事業の拡大と事業ポートフォリオの多角化を目的としております。今後も海外投資を中心に、投資先の事業内容、投資時点の当社グループの財政状態及び資金需要を勘案し、適切に判断してまいります。株主還元への支出につきましては、株主への還元を充実させていくことを心掛けるとともに、収益の確保に不可欠な設備投資、研究開発等に必要な内部資金の確保をした上で、今後の事業展開等を総合的に勘案し、配当を実施することを基本としております。原則として、配当性向30%以上を目処に、安定的・継続的な利益還元に努めていくこととしております。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、国内外で当社グループの業績への影響が出ておりますが、重要な資金繰りの懸念はございません。当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は、国内で16億58百万円、海外で288億84百万円となっており、当社が考える適正な残高水準を上回る資金を確保いたしました。また、予定されている資金支出につきましても、資金調達の目途は立っております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、キャッシュ・フローの配分に関する方針に変更はございません。
④ 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、重要な会計上の見積り及び追加情報」に記載しているとおりです。
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