【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
なお、2022年4月1日付で当社が連結子会社であった株式会社アクアリザーブを吸収合併したことに伴い、セグメント区分を見直した結果、第2四半期連結会計期間より、従来「防災・工事事業」に含まれておりました株式会社アクアリザーブの事業を「継手事業」に含めて記載する方法に変更しております。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値にて比較しております。詳細は(「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」)をご参照ください。
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、物価上昇による世界的な金融引締めや円安が続く中、欧米の景気後退懸念等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループは事業環境が好転し、営業力の強化に取り組んだことにより、当連結会計年度は、継手事業を始め全ての事業セグメントにおいて売上が増加し、損益面では円安要因を含む原材料価格の上昇等により利益率は低下したものの、トータルとして増益となりました。さらに、2022年4月1日付で実施した吸収合併に伴い、第2四半期連結会計期間に法人税等調整額(益)566百万円を計上いたしました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高22,174百万円(前期比12.9%増)、営業利益2,752百万円(前期比5.2%増)、経常利益3,060百万円(前期比10.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,413百万円(前期比40.4%増)となりました。
各セグメントの経営成績については、以下のとおりであります。
(継手事業)
フレキシブル継手および半導体関連の真空機器等、当事業全般的に売上は増加し、円安要因を含む原材料価格の上昇等により利益率は低下したものの、増収増益となりました。
その結果、当事業の売上高は13,846百万円(前期比16.4%増)、セグメント利益は2,209百万円(前期比6.1%増)となりました。
(防災・工事事業)
消防設備工事は、利益率の高い大型案件が完成したことにより、増収増益となりました。
その結果、当事業の売上高は4,140百万円(前期比6.4%増)、セグメント利益は832百万円(前期比15.9%増)となりました。
(自動車・ロボット事業)
産業機器等部品の売上が大きく増加したことにより、増収増益となりました。
その結果、当事業の売上高は2,368百万円(前期比12.7%増)、セグメント利益は143百万円(前期比13.3%増)となりました。
(介護事業)
他社の福祉用具レンタル事業を買収したこと等により、当事業全体の売上は増加いたしましたが、当該買収による支払手数料やのれん償却費等の販管費増加、および商品在庫の評価減等により大幅な減益となりました。
その結果、当事業の売上高は1,716百万円(前期比4.3%増)、セグメント利益は65百万円(前期比65.7%減)となりました。
(その他)
不動産賃貸事業は、業績に特段の変化は見られませんでした。
その結果、当事業の売上高は101百万円(前期比1.5%増)、セグメント利益は40百万円(前期比18.7%増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産については、主に現金及び預金1,644百万円の増加、電子記録債権270百万円の増加、商品及び製品246百万円の増加、未成工事支出金291百万円の減少、原材料及び貯蔵品742百万円の増加、有形固定資産1,282百万円の増加、繰延税金資産を含む投資その他の資産304百万円の増加等により、前連結会計年度末と比較して4,067百万円増加し、33,052百万円となりました。
負債については、未成工事受入金549百万円の減少、短期借入金2,000百万円の減少、一年内返済予定の長期借入金265百万円の増加、長期借入金4,280百万円の増加等により、前連結会計年度末と比較して1,942百万円増加し、10,462百万円となりました。
純資産については、主に利益剰余金1,727百万円の増加、その他の包括利益累計額297百万円の増加等により、前連結会計年度末と比較して2,125百万円増加し、22,590百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して1,644百万円増加し、6,233百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,802百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,822百万円、減価償却費858百万円により資金が増加したものの、棚卸資産の増加額1,006百万円、法人税等の支払額1,045百万円により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,016百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,904百万円により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、1,774百万円となりました。これは主に長期借入れによる収入5,000百万円により資金が増加したものの、短期借入金の減少額2,000百万円、配当金の支払額766百万円により資金が減少したことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
生産高(千円)
前年同期比(%)
継手事業
8,625,604
129.7
防災・工事事業
470,903
94.0
自動車・ロボット事業
1,870,601
116.2
合計
10,967,108
125.2
(注)1.金額は製造原価により表示しております。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.介護事業は生産活動を行っておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
継手事業
7,207,084
118.9
1,928,311
117.6
防災・工事事業
1,950,880
61.5
5,055,223
73.3
合計
9,157,964
99.2
6,983,535
81.8
(注)1.防災・工事事業は、消防設備の設計、施工、管理の金額となっております。その他については、受注生産を行っておりません。
2.介護事業は、受注生産を行っておりません。
3.自動車・ロボット事業は、各納入先より生産計画の提示を受け、これに基づき生産能力を勘案して生産計画を立てており、見込生産であります。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
販売高(千円)
前年同期比(%)
継手事業
13,846,967
116.4
防災・工事事業
4,140,640
106.4
自動車・ロボット事業
2,368,326
112.7
介護事業
1,716,434
104.3
その他
101,657
101.5
合計
22,174,025
112.9
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主要顧客(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当する相手先はありません。
3.上記のうち、株式会社テクノフレックスの製品売上高及び商品売上高の合計は、11,827,848千円であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)並びに(追加情報)」に記載しております。
なお、当連結会計年度末において、新型コロナウイルス感染症の今後の再拡大や収束時期等を正確に予測することは困難でありますが、会計上の見積りに際しましては、翌連結会計年度内には当該影響は概ね軽微なものになると仮定しております。
当社グループは、当該仮定に基づく会計上の見積りは、当連結会計年度末時点における最善の見積りであると判断しておりますが、想定以上に当該影響が長期化あるいは再拡大した場合には、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りに影響を及ぼす可能性がございます。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況及び② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金需要のうち主なものは原材料の仕入等の製造費用や販売費及び一般管理費等であり、投資等の資金需要は、設備投資等によるものであります。
これらの資金につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか金融機関からの借入により必要な資金を調達しております。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。経営指標については適宜各種会議体において共有され、必要に応じて経営環境、財政状態及び業界環境等を総合的に勘案したうえで、対応策の検討を行い、必要な施策をタイムリーに実施してまいります。
なお、当社グループは目標とする経営指標等として、ROE及び連結配当性向を掲げております。ROEは目標を10%以上にしており、2022年12月期におけるROEは11.4%となっております。連結配当性向は40%以上を目標としており、2022年12月期における連結配当性向は40.9%となっております。
今後、企業価値向上のために、財務基盤を強化し事業投資に対する適正な評価と最適な資本構成を実現し、徹底した経営効率の改善により、資本効率を更に高め、経営の安定性及び株主還元を重視してまいります。
しかしながら、これらの経営指標の目標数値においては、様々なリスクや将来の経済状況の変化等の不確実性を有しており、その達成を保証するものではありません。