【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)
財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期累計期間における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ変更され、社会活動の回復傾向が見られております。また、2026年に向けて半導体増産計画による半導体及び関連する材料・電子部品産業の工場及び製造設備等の増加に伴うクリーンエアーシステムの導入計画が期待されております。一方で、半導体関連部品の供給不足は改善しつつあるものの原材料価格は高止まりしており、先行きにつきましては引き続き動向を注視する必要があります。
当社における事業環境は、海外において各種案件に関する業務が回復しております。国内においては感染症対策製品の受注は一部の補助金の継続に伴い一定水準を維持しており、老人福祉施設等新分野への拡販を行っております。また、各種電子部品等の供給停滞による影響については、引き続き在庫積み増しと代替部品調達等をおこなっており、納期への対応は改善傾向にあります。
電子工業分野では、半導体関連の製造装置メーカー、電子材料関連及び電子部品メーカーの設備投資が活発であり、受注残が増加しております。一方、バイオロジカル分野においては、感染症研究用及び再生医療分野の細胞加工用クリーンルーム、製薬分野では工場及び研究施設への設備投資が拡大しております。
営業面におきましては、G7広島サミット企業展示へ「DACシステム搭載型ハイブリッド空気清浄機」を参考出展(株式会社レブセルとの共同開発品)し製品化に取組んでおります。販売代理店向けの製品説明会をウェビナー方式にて6月21日に実施し、全国各地の多数の電子及びバイオ各分野の代理店へ配信し、昨年より多くの方々に視聴していただきました。また、展示会については、FOOMA JAPAN 2023(6月6日~6月9日、東京ビッグサイト)及び第24回インターフェックス Week 東京(7月13日~7月15日、東京ビッグサイト)に新製品をはじめ実機を多数展示し、各々食品業界及び製薬業界の顧客、代理店、建築設備関係者の方々に多くご来場いただきました。2023年1月に熊本県熊本市東区に開所した「熊本出張所」は、熊本地区の営業及び物流倉庫の拠点として順調に稼働しております。さらに2023年4月に静岡県富士市に開所した「静岡出張所」及び「静岡サービスセンター」につきましても、地元へ密着した活動を進めております。
生産面におきましては、草加工場近隣に取得した土地(約1,750㎡)の活用に向け、2023年6月に太陽光発電設備を有するZEB_Ready仕様の3階建屋(延べ床面積2,520㎡)の設計・施工を契約しました。2024年末までを目途として倉庫及び事務所等を建設し、竣工後は草加工場機能を一部移転することで草加工場の建替えを進め、生産能力を向上させる計画が進行しております。
また、2023年3月30日の発行決議による従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブとしての新株式の発行に伴い、6月23日に13,740株の発行を完了しました。
①
経営成績
製品別の販売状況は、「クリーンルーム」、「安全キャビネット」、「フィルターユニット」、「SS—MAC」、「エアーシャワー」等が増加しました。また、「無菌クリーンテント」、「パッケージ式クリーンユニット(陰圧ユニット含む)」等は減少しました。
収益面におきましては、原価率の高い「クリーンルーム」等の販売が増加し、各種経費の増加もあり前年同期比で増収減益となりました。
以上の結果、当第2四半期累計期間の業績は、売上高72億10百万円(前年同期比19.5%増)、営業利益5億6百万円(同4.6%減)、経常利益8億1百万円(同0.3%減)、四半期純利益5億72百万円(同4.5%減)となりました。
②
財政状態
当第2四半期会計期間末における総資産は199億3百万円と前事業年度末に比べ73百万円(0.4%)の減少となりました。
当第2四半期会計期間末における資産、負債及び純資産の状況とそれらの内訳は次のとおりであります。
(資産)
流動資産は142億83百万円であり、前事業年度末に比べ4億62百万円(3.1%)の減少となりました。主な内訳は、現金及び預金7億20百万円の減少、その他流動資産2億26百万円の増加となります。
固定資産は56億20百万円であり、前事業年度末に比べ3億89百万円(7.4%)の増加となりました。主な内訳は、土地(埼玉県草加市)2億46百万円の増加、投資その他の資産97百万円の増加となります。
(負債)
当第2四半期会計期間末における負債は59億80百万円であり、前事業年度末に比べ69百万円(1.1%)の減少となりました。
流動負債は51億29百万円であり、前事業年度末に比べ46百万円(0.9%)の増加となりました。主な内訳は、支払手形及び買掛金等の仕入債務1億85百万円の減少、未払法人税等1億26百万円の増加、受注損失引当金25百万円の増加及びその他流動負債62百万円の増加となります。
固定負債は8億50百万円であり、前事業年度末に比べ1億15百万円(12.0%)の減少となりました。主な内訳は、長期借入金58百万円の減少及び退職給付引当金38百万円の減少となります。
(純資産)
純資産は139億22百万円であり、前事業年度末に比べ3百万円(0.0%)の減少となりました。主な内訳は、譲渡制限付株式報酬としての新株式の発行による資本金、資本剰余金各7百万円の増加、「信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)」において、「日本エアーテック従業員持株会専用信託」が保有する当社株式28百万円の減少、配当金6億24百万円の支出による減少及び四半期純利益5億72百万円の計上による増加となります。
(2)
キャッシュ・フローの状況
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ7億26百万円減少し、49億47百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間の営業活動において得られた資金は、2億73百万円(前年同期は14百万円の支出)となりました。主な内訳は、税引前四半期純利益8億9百万円、受取利息及び受取配当金2億45百万円の計上、売上債権及び契約資産の増加1億19百万円、仕入債務の減少1億85百万円及び法人税等の支払額1億6百万円となります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間の投資活動において使用した資金は、3億61百万円(前年同期比2億7百万円の支出減)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出2億60百万円及び投資有価証券の取得による支出1億3百万円となります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間の財務活動において使用した資金は、6億52百万円(同1億83百万円の支出減)となりました。主な内訳は、配当金の支払額6億15百万円となります。
(3)
優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)
研究開発活動
当第2四半期累計期間における研究開発活動の金額は96百万円であります。なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の促進を図るため、研究所員を3名から6名に増員しております。
新製品として「風量自動制御型クリーンブース」、「新型クリーンモニター」、「新型クリーンオーブン」、「新型採痰ブース」、「オゾン消臭除菌ストッカー」等を開発し上市しました。
研究においては、更なる省エネルギー化を目標とした高効率の送風機の研究及び各種気流シミュレーションを用いた製品開発等に取組んでおります。
(5)
生産、受注及び販売の実績
当第2四半期累計期間において、生産面におきましてはパワー半導体関連部品の供給不足による影響が軽減されつつあり、幅広い製品分野において仕様及び納期等の顧客対応が改善傾向にあります。一方で原材料価格の高騰等の要因が継続しており、販売価格への転嫁時期のギャップ等により原価率が増加しております。引き続き、原価低減及び受注価格の向上に注力しております。
半導体及び関連する材料・電子部品産業の設備投資に伴うクリーンエアーシステムの受注は堅調です。感染症対策機器の受注は昨年より既に減少に転じておりますが、本年9月末を期限とする補助金交付を受け一定程度の受注が継続しております。その結果、全体の受注残高も同レベルで推移しております。
(6)
経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」を参照下さい。
(7)
資本の財源及び資金の流動性についての分析
2023年3月30日開催の臨時取締役会決議に基づき、従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブとしての新株式の発行による増加、並びにストック・オプションの行使による増加に伴い、当第2四半期累計期間において資本金が10百万円、資本剰余金が12百万円それぞれ増加し、当第2四半期会計期間末において資本金が21億9百万円、資本剰余金が21億57百万円となっております。