【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における自動車業界は、半導体供給不足の緩和を背景に自動車メーカーの生産が正常化に向かい、回復基調で推移しました。しかしながら、中国における日系自動車メーカーの販売不振や、原材料・エネルギー価格の高止まり、人件費の上昇や北米を中心とした労働力不足は継続しており、先行きは依然として不透明な状況が続いています。
なお、化学品の販売価格形成の基準となるナフサ価格は、ピーク時からは落ち着いたものの、化学品・合成樹脂価格は高止まりで推移しました。
このような事業環境のもと、当社グループは、生産性の向上や、需要変動に対応したフレキシブルな生産・供給体制の構築を進め、収益確保に努めるとともに、次世代自動車の安全性、快適性、環境性能の向上に繋がる技術、製品、材料開発を推進してまいりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は66,969百万円(前年同期比3.5%減)、営業利益は1,049百万円(前年同期は営業損失42百万円)、経常利益は1,594百万円(前年同期比381.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は976百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失615百万円)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
①樹脂加工製品事業
日本、北米およびアジアでは、半導体供給不足の緩和を背景に生産の回復が進みましたが、中国では、急激なEV化の加速や自動車関連税の減額措置終了による反動減により、主要顧客の生産台数が減少しました。製品構成の良化や為替の影響があったものの、中国の落込みにより、売上高は前年同期を下回りました。
利益面では、中国の減産影響や、北米の人件費上昇があったものの、生産の正常化に伴う稼働ロスの縮小、合理化による収益改善努力により、前年同期比で増益となりました。
このような結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は53,509百万円(前年同期比2.0%減)、営業利益は448百万円(前年同期は営業損失884百万円)となりました。
②ケミカル事業
モビリティ分野は、半導体供給不足の緩和により国内向けは堅調に推移しましたが、中国では自動車向け原材料の販売が伸び悩みました。スマホ、タブレットなど液晶向け商材も、引き続き低調に推移しました。ファインケミカル、ライフサイエンス分野では、顧客の在庫調整の影響等により、販売数量が減少し、売上高は前年同期を下回りました。
利益面では、モビリティ分野における一過性の金型利益計上がありましたが、減収の影響により、前年同期比で減益となりました。
このような結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は13,460百万円(前年同期比8.9%減)、営業利益は747百万円(前年同期比21.6%減)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は77,691百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,011百万円増加しました。これは主に、受取手形及び売掛金が2,660百万円、現金及び預金が1,128百万円増加したこと等によるものであります。
また、固定資産は63,762百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,644百万円増加しました。これは主に、投資有価証券が3,028百万円、建物及び構築物が1,271百万円、機械装置及び運搬具が1,102百万円増加したこと等によるものであります。
これらの結果、総資産は141,453百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,656百万円増加しました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は57,178百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,675百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金が2,805百万円増加したこと等によるものであります。
また、固定負債は9,996百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,384百万円増加しました。これは主に、長期借入金が1,449百万円、繰延税金負債が662百万円増加したこと等によるものであります。
これらの結果、負債合計は67,174百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,060百万円増加しました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は74,278百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,595百万円増加しました。これは主に、為替換算調整勘定が2,224百万円、その他有価証券評価差額金が1,698百万円増加したこと等によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より1,099百万円増加し、18,758百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは7,245百万円(前年同期は3,109百万円)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益1,765百万円、減価償却費4,151百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは△3,707百万円(前年同期は△4,062百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出△3,328百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは△2,944百万円(前年同期は553百万円)となりました。これは主に、短期借入金の純減額△3,104百万円等によるものであります。
(4)資本の財源及び資金の流動性
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの資本の財源及び資金の流動性について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,464百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。