【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年1月1日~2022年9月30日)における当社グループが属する不動産業界は、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢の長期化等により、原材料価格の上昇や供給面での制約が見られましたが、需要は底堅く推移しており、取引価格は上昇基調となっております。また、記録的な円安が進行している中、日本の不動産の割安感が増しており、今後インバウンドの回復による資金流入の拡大が見込まれます。国土交通省がまとめた2022年の基準地価(7月1日現在)は全国の全用途平均が3年ぶりに上昇し、住宅地は31年ぶりの上昇となりました。首都圏を見ますと、東京都の住宅地の基準地価は1.5%上昇し10年連続の値上がり、神奈川県・千葉県・埼玉県の住宅地の基準地価は、いずれも3年ぶりに上昇に転じております。 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)によれば、2022年9月度の首都圏の中古マンション成約件数は、前年比で5.9%減少し、8月に続いて前年同月を下回りました。一方で、成約平米単価は前年比プラス11.2%の2ケタ上昇となり2020年5月から29ヶ月連続、成約価格も同11.0%の2ケタ上昇となり2020年6月から28ヶ月連続で前年同月を上回りました。在庫件数は、前年比プラス13.0%の2ケタ増となり、8ヶ月連続で前年同月を上回っております。 このような事業環境の下、当社グループの主力事業である不動産売買事業は、首都圏における中古住宅の需要の高まりを受けて、居住用不動産の事業拡大に注力しております。 居住用不動産は、昨年開設した営業所のエリア深耕等、営業活動が軌道に乗り始めたことで、好調に推移しております。販売は、住設機器の需給逼迫が一段落したことに加え、当第3四半期より販売活動を更に強化したことが功を奏し、件数・金額ともに前年同期を上回る結果となりました。仕入についても、件数・金額ともに前年同期を大きく上回る結果となりました。 投資用不動産は、稼働率向上やバリューアップによる商品の付加価値を高めた上で、販売することにより、在庫回転率の向上に努めております。当連結累計期間の販売は、収益性を重視したことにより、件数・金額ともに前年同期を下回る結果となりました。一方で、仕入については物件の収益力・建物価値を見極め、高い需要が見込める物件の仕入活動を積極的に行った結果、居住用不動産同様に件数・金額ともに前年同期を上回る結果となりました。不動産開発事業は、収益性を見極めつつ販売活動を行っていることから進捗が遅れておりますが、環境に優しい製品を設置した新築物件として、新たに錦糸町・大島・浅草・神田馬喰町に「サイドプレイス」シリーズを竣工し、今期の業績に貢献するべくリーシング・販売活動を強化しております。不動産特定共同事業は、本年4月から新たに世田谷プロジェクトの販売を開始し、第1期募集が完了しました。また、当第3四半期の業績には寄与しておりませんが、第2期募集も完了しております。第3期募集の準備を進めるとともに、次回プロジェクトに向けた仕入も進めております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間は、売上高は217億9百万円(前年同期比18.2%減)、営業利益は19億78百万円(同6.7%増)、経常利益は14億91百万円(同3.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は10億17百万円(同5.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(不動産売買事業)不動産売買事業におきましては、投資用不動産の販売が56件(前年同期比50件減)、平均販売単価は2億17百万円(同23.4%増)となり、売上高は121億91百万円(同34.8%減)となりました。また、居住用不動産の販売が195件(前年同期比57件増)、平均販売単価は39百万円(同6.4%減)となり、売上高は76億18百万円(同32.3%増)となりました。以上の結果、売上高は200億52百万円(前年同期比19.7%減)、セグメント利益(営業利益)は27億51百万円(同14.4%増)となりました。(賃貸その他事業)賃貸その他事業におきましては、不動産賃貸収入が15億44百万円(前年同期比2.6%増)となりました。以上の結果、売上高は16億57百万円(前年同期比4.8%増)、セグメント利益(営業利益)は5億84百万円(同5.8%増)となりました。
(注)「投資用不動産」は、一棟賃貸マンション及び一棟オフィスビル等の賃貸収益が発生する物件を購入者が主に投資用として利用する不動産として区分し、「居住用不動産」は、区分所有マンションを中心に購入者が居住用として利用する不動産、および土地等も含まれております。
(2)財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末における財政状態は、資産が759億50百万円(前期末比21.0%増)、負債が518億93百万円(同32.2%増)、純資産は240億57百万円(同2.2%増)となりました。 資産の主な増加要因は、販売用不動産が142億76百万円増加したことによるものであります。 負債の主な増加要因は、1年内返済予定の長期借入金が18億23百万円、長期借入金が51億92百万円、1年内償還予定の社債が23億25百万円、社債が14億17百万円及び短期借入金が12億65百万円増加したことによるものであります。 純資産の主な増加要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が10億17百万円増加した一方、配当の支払等により利益剰余金が3億56百万円減少したことによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動該当事項はありません。