【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績及び財政状態の影響
① 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日から2023年9月30日まで)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行したことにより、行動制限が大幅に緩和されたことで、緩やかな景気の持ち直しがみられるものの、ロシア・ウクライナ情勢、世界的な金融引締め等を背景とした物価上昇や為替相場の変動等から依然として先行き不透明な状況にあります。
こうした状況の下、家計の金融資産残高は、株高等を背景に過去最高の2,115兆円(2023年9月20日現在。日本銀行『資金循環統計(速報)』)となるとともに個人株主数(延べ人数)は、9年連続で増加し6,982万人(東京証券取引所『2022年度株式分布状況調査の調査結果』)となりました。
株主優待制度につきましては、業績への懸念がある企業や機関投資家保有比率の高い大手企業、上場廃止企業で株主優待制度を廃止する動きが見られましたが、配当利回りと株主優待利回りを合計した総合利回りの向上、株式流動性の改善、株主管理のDX化及び企業の認知度向上等を目的に新たに株主優待制度を導入する企業もあり、引き続き需要があることが伺えます。結果として、株主優待制度導入企業数は、1,477社となりました(2023年9月30日現在)。
さらに、東京証券取引所の市場区分見直しにより、新たな上場基準を意識した企業が増加している状況や招集通知の電子提供制度の開始等、当社グループのサービスへのニーズは今後一層高まるものと認識しております。
このような環境において、当社グループは、「上場企業と投資家を繋ぐことにより効率的な資本市場の実現と上場企業の企業価値最大化を支援すること」のミッションの下、機関投資家マーケティングプラットフォーム「IR-navi」、個人投資家マーケティングプラットフォーム「プレミアム優待倶楽部」及び顧客企業ごとに異なる株主優待ポイントの合算利用を可能とする株主優待共通コイン「WILLsCoin」の提供に注力し、バーチャル株主総会の推進等の株主総会プロセスの電子化並びに電子議決権行使プラットフォーム「WILLsVote」のサービス提供を行いました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における当グループの業績は、売上高3,348,713千円(前年同期比16.2%増)、営業利益764,363千円(同25.8%増)、経常利益762,767千円(同27.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益522,027千円(同35.8%増)となりました。
報告セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(株主管理プラットフォーム事業)
「プレミアム優待倶楽部」は、「ポイント制株主優待」と株主の「電子化」(株主の電子メールアドレスを取得して法定書類を電磁的に提供し、また株主専用サイトにおける上場企業と株主との双方向コミュニケーションを実現すること)を組み合わせたサービスであります。契約社数は2022年度末より9社純増し、計89社になりました。また、顧客企業の株主数の増加及び1社当たりのポイント売上高の平均単価が増加いたしました。これらの結果、「プレミアム優待倶楽部」の売上高は2,202,320千円(前年同期比10.9%増)となりました。
「IR-navi」は、上場企業へ提供している機関投資家マーケティングプラットフォームサービスであります。契約社数は2022年度末より21社純増し計339社となったものの、顧客単価が減少したことにより売上高は216,644千円(同2.3%増)となりました。
「ESGソリューション」は、統合報告書やアニュアルレポート等の投資家とのコミュニケーションツールを企画、制作するサービスであります。SDGs、ESGの社会的要請を背景に堅調に推移し、売上高は375,921千円(同23.2%増)となりました。
「その他」は、株主総会、決算説明会の企画及び運営サポートを行うサービス等であります。株主管理のDX推進を目的としたバーチャル株主総会及びオンライン決算説明会の受注が新型コロナウイルス感染症拡大の収束により売上高は67,196千円(同1.1%増)となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の株主管理プラットフォーム事業の売上高は2,862,082千円(同11.4%増)、セグメント利益は724,166千円(同15.1%増)となりました。
(広告事業)
広告事業は、「自社媒体 Web広告」と「Web広告代理店及びアドバタイジングゲーム」によって構成されております。
「自社媒体 Web広告」は、自社媒体におけるWeb広告配信を行うサービスであります。検索エンジンアルゴリズムのアップデートにあわせ、WEBコンテンツの見直し・追加を行い、WEB検索からのアクセスが増加したことにより売上高は407,662千円(前年同期比107.2%増)となりました。
「Web広告代理店及びアドバタイジングゲーム」は、「自社媒体 Web広告」で蓄積してきたWebマーケティング及びWeb広告のノウハウを生かし、広告代理店として顧客のWeb広告活動のサポートを行うサービスであります。
また、顧客のWebサイトに株式会社ネットマイルが開発したゲームソリューションを導入し、Web広告売上及びユーザーのロイヤリティ向上等を行っております。一部広告主の出稿方針の変更により、インフルエンサー売上が減少し、売上高は108,807千円(同13.7%減)となりました。
「その他」の受託開発に伴うサービスについての売上高は3,120千円(同29.9%減)となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の広告事業の売上高は519,590千円(同58.8%増)、セグメント利益は40,197千円(前年四半期は21,948千円の損失)となりました。
② 財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ336,125千円増加の3,597,284千円となりました。これは主に、現金及び預金が82,031千円、受取手形、売掛金及び契約資産が140,845千円、仕掛品が40,412千円、ソフトウエア仮勘定が73,584千円とそれぞれ増加したこと等によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ132,218千円増加の1,730,511千円となりました。これは主に、短期借入金が21,186千円、未払金が39,486千円、未払法人税等が56,601千円、賞与引当金が18,018千円、役員賞与引当金が18,681千円、長期借入金が17,460千円と減少いたしましたが、買掛金が135,156千円、契約負債が157,849千円とそれぞれ増加したこと等によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ203,906千円増加の1,866,772千円となりました。これは主に、配当金の支払により218,751千円、自己株式の取得により99,991千円と減少いたしましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したことにより利益剰余金が522,027千円増加したこと等によるものであります。その結果、自己資本比率は51.9%となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
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