【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行したことにより、行動制限が大幅に緩和されたことで、緩やかな景気の持ち直しがみられるものの、ロシア・ウクライナ情勢、世界的な金融引締め等を背景とした物価上昇や為替相場の変動等から依然として先行き不透明な状況にあります。
こうした状況の下、家計の金融資産残高は、株高等を背景に過去最高の2,043兆円(2023年6月27日現在。日本銀行『資金循環統計(速報)』)となるとともに個人株主数(延べ人数)は、9年連続で増加し6,982万人(東京証券取引所『2022年度株式分布状況調査の調査結果』)となりました。
株主優待制度につきましては、業績への懸念がある企業や機関投資家保有比率の高い大手企業、上場廃止企業で株主優待制度を廃止する動きが見られましたが、配当利回りと株主優待利回りを合計した総合利回の向上、株式流動性の改善、株主管理のDX化及び企業の認知度向上等を目的に新たに株主優待制度を導入する企業もあり、引き続き需要があることが伺えます。結果として、株主優待制度導入企業数は、1,469社となりました(2023年6月30日現在)。
さらに、東京証券取引所の市場区分見直しにより、新たな上場基準を意識した企業が増加している状況や招集通知の電子提供制度の開始等、当社グループのサービスへのニーズは今後一層高まるものと認識しております。
このような環境において、当社グループは、「上場企業と投資家を繋ぐことにより効率的な資本市場の実現と上場企業の企業価値最大化を支援すること」のミッションの下、機関投資家マーケティングプラットフォーム「IR-navi」、個人投資家マーケティングプラットフォーム「プレミアム優待倶楽部」及び顧客企業ごとに異なる株主優待ポイントの合算利用を可能とする株主優待共通コイン「WILLsCoin」の提供に注力し、バーチャル株主総会の推進等の株主総会プロセスの電子化並びに電子議決権行使プラットフォーム「WILLsVote」のサービス提供を行いました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における当社グループの業績は、売上高は2,054,607千円(前年同期比18.1%増)、営業利益は496,618千円(同30.7%増)、経常利益は496,202千円(同31.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は337,807千円(同38.6%増)となりました。
報告セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(株主管理プラットフォーム事業)
「プレミアム優待倶楽部」は、「ポイント制株主優待」と株主の「電子化」(株主の電子メールアドレスを取得して法定書類を電磁的に提供し、また株主専用サイトにおける上場企業と株主との双方向コミュニケーションを実現すること)を組み合わせたサービスであります。契約社数は2022年度末より7社純増し、計87社になりました。また、顧客企業の株主数の増加及び1社当たりのポイント売上高の平均単価が増加いたしました。これらの結果、「プレミアム優待倶楽部」の売上高は1,430,185千円(前年同期比18.5%増)となりました。
「IR-navi」は、上場企業へ提供している機関投資家マーケティングプラットフォームサービスであります。契約社数は2022年度末より11社純増し計329社となったものの、顧客単価が減少したことにより売上高は161,085千円(同0.2%減)となりました。
「ESGソリューション」は、統合報告書やアニュアルレポート等の投資家とのコミュニケーションツールを企画、制作するサービスであります。SDGs、ESGの社会的要請を背景に堅調に推移し、売上高は112,068千円(同10.3%増)となりました。
「その他」は、株主総会、決算説明会の企画及び運営サポートを行うサービス等であります。株主管理のDX推進を目的としたバーチャル株主総会及びオンライン決算説明会の受注が新型コロナウイルス感染症拡大の収束により売上高は54,253千円(同7.1%減)となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の株主管理プラットフォーム事業の売上高は1,757,593千円(同15.0%増)、セグメント利益は478,050千円(同22.8%増)となりました。
(広告事業)
広告事業は、「自社媒体 Web広告」と「Web広告代理店及びアドバタイジングゲーム」によって構成されております。
「自社媒体 Web広告」は、自社媒体におけるWeb広告配信を行うサービスであります。検索エンジンアルゴリズムのアップデートにあわせ、WEBコンテンツの見直し・追加を行い、WEB検索からのアクセスが増加したことにより売上高は241,982千円(前年同期比79.3%増)となりました。
「Web広告代理店及びアドバタイジングゲーム」は、「自社媒体 Web広告」で蓄積してきたWebマーケティング及びWeb広告のノウハウを生かし、広告代理店として顧客のWeb広告活動のサポートを行うサービスであります。
また、顧客のWebサイトに株式会社ネットマイルが開発したゲームソリューションを導入し、Web広告売上及びユーザーのロイヤリティ向上等を行っております。一部広告主の出稿方針の変更により、インフルエンサー売上が減少し、売上高は72,670千円(同14.8%減)となりました。
「その他」の受託開発に伴うサービスについての売上高は1,800千円(前年四半期と同額)となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の広告事業の売上高は316,453千円(同42.5%増)、セグメント利益は18,567千円(前年四半期は9,305千円の損失)となりました。
② 財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ175,588千円増加の3,436,747千円となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が161,219千円、ソフトウエア仮勘定が53,020千円、投資その他の資産が22,755千円とそれぞれ増加したものの、現金及び預金が71,307千円減少したこと等によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ84,026千円増加の1,682,320千円となりました。これは主に、買掛金が166,422千円、契約負債が73,727千円増加したものの 、未払金が48,476千円、短期借入金が21,840千円、賞与引当金が18,018千円、役員賞与引当金が18,681千円、未払法人税等が14,935千円、長期借入金が12,390千円とそれぞれ減少したこと等によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ91,561千円増加の1,754,426千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したことにより利益剰余金が337,807千円増加したものの、配当金の支払により146,255千円、自己株式の取得により99,991千円減少したこと等によるものであり、その結果、自己資本比率は51.0%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,071,307千円減少し、994,060千円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、335,365千円となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益496,183千円、法人税等の支払額163,233千円があったこと等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、△1,124,380千円となりました。これは主に、定期預金の預入による支出1,000,000千円、無形固定資産の取得による支出99,445千円があったこと等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、△282,292千円となりました。これは、短期借入金の純減少額21,840千円、長期借入金の返済による支出14,056千円、自己株式の取得による支出100,141千円、配当金の支払額146,255千円があったことによるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
該当事項はありません。
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