【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績及び財政状態の影響
① 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年1月1日から2022年9月30日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新たな変異ウイルスの出現、円安進行、原油や原材料の高騰、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の長期化等を受け、先行きの不透明感が高まっております。
一方、家計の金融資産残高は、株高等を背景に過去最高の2,007兆円(2022年9月20日現在。日本銀行『資金循環統計(速報)』)となるとともに個人株主数(延べ人数)は、8年連続で増加し6,460万人(東京証券取引所『2021年度株式分布状況調査の調査結果』)となりました。
当社グループを取り巻く環境におきましては、前四半期同様、業績懸念や機関投資家の保有比率が高い大手企業や上場廃止企業で株主優待制度の廃止が相次ぎましたが、総合利回り及び認知度の向上等を目的に株主優待制度を導入する企業も散見しました。株主優待制度として自社サービスの割引を実施する企業もさることながら、プレミアム優待倶楽部、QUOカード及びカタログギフト等の他社サービスを利用した企業もあり、引き続き需要があることが伺えます。結果として、株主優待制度導入企業数は、1,465社となりました(2022年9月30日現在)。
また、感染拡大防止及び株主管理のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の観点から、「バーチャル株主総会」及び「オンライン決算説明会」の実施企業が増加しました。
当第3四半期連結累計期間における当グループの業績は、売上高2,882,676千円(前年同期比12.1%増)、営業利益607,463千円(同30.0%増)、経常利益600,037千円(同29.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益384,380千円(同20.8%増)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)(収益認識に関する会計基準等の適用)」をご参照ください。
報告セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(株主管理プラットフォーム事業)
「プレミアム優待倶楽部」は、「ポイント制株主優待」と株主の「電子化」(株主の電子メールアドレスを取得して法定書類を電磁的に提供し、また株主専用サイトにおける上場企業と株主との双方向コミュニケーションを実現すること)を組み合わせたサービスであります。
新型コロナウイルス感染症の拡大による業績悪化等の影響で株主優待制度を廃止する企業がある中で、当社は2021年末より契約社数が7社純増し、計78社となりました。また、顧客企業の株主数の増加により、1社当たりのポイント売上高の平均単価が増加いたしました。これらの結果、「プレミアム優待倶楽部」の売上高は1,986,573千円(同41.2%増)となりました。
「IR-navi」は、上場企業へ提供している機関投資家マーケティングプラットフォームサービスであります。2021年末より契約社数が1社純増し、計317社となったものの顧客単価が減少したことにより、売上高は211,824千円(同3.6%減)となりました。
「ESGソリューション」は、統合報告書やアニュアルレポート等の投資家とのコミュニケーションツールを企画、制作するサービスであります。SDGs、ESGの社会的要請を背景に堅調に推移しましたが、前第3四半期連結累計期間は感染症の拡大により順延されていた売上高が計上されたこと等の影響により、売上高は305,190千円(同4.6%減)となりました。
「その他」は、株主総会、決算説明会の企画及び運営サポートを行うサービス等であります。感染拡大防止や株主管理のDX推進を目的としたバーチャル株主総会及びオンライン決算説明会の受注が進んだことにより売上高は66,459千円(同10.7%増)となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の株主管理プラットフォームの事業の売上高は2,570,046千円(同28.1%増)、セグメント利益は629,412千円(同42.0%増)となりました。
(広告事業)
広告事業は、「自社媒体 Web広告」と「Web広告代理店及びアドバタイジングゲーム」によって構成されております。
「自社媒体 Web広告」は、自社媒体におけるWeb広告配信を行うサービスであります。感染症の影響により企業の広告宣伝・マーケティング費用削減の傾向にありましたが、営業強化及び様々な施策を講じた結果、売上高は196,759千円(同91.3%増)となりました。
「Web広告代理店及びアドバタイジングゲーム」は、「自社媒体 Web広告」で蓄積してきたWebマーケティング及びWeb広告のノウハウを生かし、広告代理店として顧客のWeb広告活動のサポートを行うサービスであります。また、顧客のWebサイトに株式会社ネットマイルが開発したゲームソリューションを導入し、Web広告売上及びユーザーのロイヤリティ向上等を行っております。感染症の拡大により企業の広告宣伝・マーケティング費用削減の影響を受けましたが、近年急激に市場規模が拡大しているインフルエンサーマーケティングへの取り組みや広告主への営業強化を図ることにより、その影響を最小化することに努めてまいりました。これらの結果、売上高は126,034千円(同72.5%減)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」の適用により、従来、広告主からの収受代金を売上高として計上しておりましたが、広告主からの収受代金から仕入代金を控除した手数料を売上高として計上しております。
「その他」の受託開発に伴うサービスについての売上高は4,450千円(同64.8%増)となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の広告事業の売上高は327,244千円(同42.9%減)、セグメント損失は21,948千円(前年同期は22,159千円の利益)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は3,138,424千円となり、前連結会計年度末に比べ489,370千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が157,915千円、受取手形、売掛金及び契約資産が171,812千円、ソフトウエアが78,417千円、投資その他の資産が71,072千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は1,554,967千円となり、前連結会計年度末に比べ243,920千円増加いたしました。これは主に、買掛金が159,922千円、契約負債(前連結会計年度は前受金)が141,400千円増加したものの、未払金が29,835千円、長期借入金が20,122千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は1,583,457千円となり、前連結会計年度末に比べ245,449千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したことにより利益剰余金が384,380千円増加したものの、配当の支払49,323千円及び自己株式の取得99,133千円により減少したこと等によるものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
#C4482JP #ウィルズ #情報通信業セクター