【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2022年7月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による活動制限の緩和が進み、ウィズコロナ・アフターコロナに向けた社会経済活動正常化の動きが見受けられました。一方、中国のゼロコロナ政策への対応に起因する生産・物流の混乱によって供給面での不安定な状況が続くとともに、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による資源・エネルギー価格の高騰や、世界的な金融引き締めに伴う為替動向等により、物価上昇が継続し景気減速も懸念され、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況のもと当社グループにおきましては、生地やファスナーなどの製品材料価格の上昇と急速な円安や物流費上昇などのコストアップに対応するため、2022年10月出荷分から販売価格の値上げを行いました。10月以降は、値上げ前の前倒し需要の反動による売上減少を回避するため各種対策を実施し、売上・利益の拡大に努めました。「JICHODO(ジチョウドウ)」ブランドにおいては、保守本流のワークウェアとして、SDGsに貢献できる環境配慮型商品をはじめとした多様な機能性商品を積極的にPRするとともに、中国における生産・物流の混乱により納期遅延が多発する中、ユーザー様が求める商品を、必要な数量、必要なタイミングで提供できる備蓄力・供給力を武器に、企業向けユニフォームの新規物件獲得による売上・シェアの拡大を図りました。「Jawin(ジャウィン)」ブランドにおいては、機能性はもとよりファッション性を取り入れたワンランク上のカジュアルワークウェアを展開し、イメージキャラクターである新庄剛志氏の「BIGBOSS」効果を積極的に活用してブランド認知度の更なる向上を図り、普段着としての着用も視野に入れ「ワークウェア」の範囲を超えたファン層の拡大と、それに伴う売上・利益の拡大に努めてまいりました。「Z-DRAGON(ジィードラゴン)」ブランドにおいては、あらゆる「現場」に適応するワークウェアとしての機能性と「かっこいい」デザイン性を兼ね備えた価格訴求力のある商品の展開を強化し、世代や性別を超えた幅広いユーザーへの浸透を図り、個人向け、企業向け、両面での受注拡大に注力してまいりました。また、発熱体を内蔵した電熱ベストや、どんな衣服にも装着できる電熱パッド等を展開する電熱ギアブランドにおいては、今秋冬商戦より品質・性能をアップグレードして「FEVER GEAR ADVANCE(フィーバーギアアドバンス)」として新たに展開し、市場シェアの拡大と、新規流通ルートの開拓に努めてまいりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は、電熱ギアブランド「FEVER GEAR ADVANCE」が好調に売上を伸ばしたことや、2022年10月からの値上げの効果と各施策の成果により、「JICHODO」、「Jawin」、「Z-DRAGON」各ブランドともに順調に推移したことにより、9,080百万円(前年同四半期比7.9%増)となりました。営業利益については、物流費を中心に経費削減を進めたことなどにより、1,492百万円(前年同四半期比25.0%増)となりました。経常利益は、輸入取引に係る為替変動リスクをヘッジする目的で行っております為替予約取引に係る時価評価によるデリバティブ評価損を計上したことなどにより、1,360百万円(前年同四半期比4.3%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は、908百万円(前年同四半期比11.1%減)となりました。
なお、当社グループは単一セグメントに該当するため、セグメント情報は記載しておりません。
財政状態に関する分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ135百万円増加し、40,203百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ733百万円増加し、30,043百万円となりました。これは主に、商品及び製品が850百万円、原材料及び貯蔵品が567百万円、それぞれ増加したことと、現金及び預金が314百万円、受取手形及び売掛金が320百万円、それぞれ減少したことなどによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ598百万円減少し、10,160百万円となりました。これは主に、投資有価証券が101百万円増加したことと、投資その他の資産その他が517百万円減少したことなどによるものであります。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ198百万円減少し、3,737百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が241百万円増加したことと、未払法人税等が270百万円減少したことなどによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ199百万円増加し、1,289百万円となりました。これは主に、固定負債その他が140百万円増加したことなどによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ135百万円増加し、35,176百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の四半期末残高は、前連結会計年度より312百万円減少し、8,803百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は405百万円(前年同期は2,405百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益1,384百万円、デリバティブ評価損571百万円、売上債権の減少320百万円、仕入債務の増加241百万円等による増加と、棚卸資産の増加1,417百万円、法人税等の支払額661百万円等による減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は143百万円(前年同期は329百万円の使用)となりました。これは主に、保険積立金の解約による収入219百万円等による増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は864百万円(前年同期は1,290百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額864百万円等による減少によるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
特記すべき事項はありません。