【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間における世界経済・日本経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響が緩和される中で緩やかに持ち直しの動きが見られました。一方で、国内外ともに原材料価格の高騰や、サプライチェーンの混乱による供給制約に加えて、ロシアのウクライナ侵攻や円安が急速に進む為替相場など、引き続き先行き不透明な状況が続いております。このような状況の中、当社グループは、国内では顧客対応の充実など農業構造変化への対応強化、海外では主力市場である北米、欧州、アジアでの販売強化に努めてまいりましたが、連結経営成績は以下のとおりとなりました。当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比1,962百万円増加し、125,394百万円(前年同期比1.6%増加)となりました。国内売上高は前年同期比5,865百万円減少の85,099百万円(前年同期比6.4%減少)となりました。農機製品はサプライチェーン混乱に伴う生産遅延や米価低迷・資材価格高騰による購買意欲減退に加え、前期にあった経営継続補助金の反動もあり減少しました。また、作業機も補助金反動により減少となりました。一方で、補修用部品及び修理整備等のメンテナンス収入は、農機製品の売上が減少する中でも前年同期を維持しました。海外売上高は前年同期比7,827百万円増加の40,295百万円(前年同期比24.1%増加)となりました。北米はコンパクトトラクタ市場が調整局面に入るも、現地在庫レベル回復に向け当社出荷は続伸しました。欧州はライフスタイルの変化を捉え、コンシューマー向けを中心に販売が伸長、加えて景観整備向け需要の回復に伴うプロ向け販売も増加しました。また、Iseki-Maschinen GmbHの連結子会社化による増加もありました。アジアは韓国向けの増加はあるも、中国向け半製品の出荷減などにより減少しました。営業利益は前年同期比2,664百万円減少の3,160百万円(前年同期比45.7%減少)となりました。各地域で価格改定を実施しましたが、原材料価格高騰影響の全てをカバーするには至らず収益を圧迫、加えて販管費も増加しました。経常利益は前年同期比2,634百万円減少の3,882百万円(前年同期比40.4%減少)となりました。為替差益の増加はあったものの前期に計上した受取和解金の剥落や持分法による投資損失の拡大もあり、営業利益と同様の減少幅となりました。税金等調整前四半期純利益は前年同期比1,912百万円減少の4,435百万円(前年同期比30.1%減少)となりました。Iseki-Maschinen GmbHの連結子会社化による段階取得に係る差益及び負ののれん発生益の特別利益発生などにより減少幅が縮小しました。親会社株主に帰属する当第3四半期純利益は、前年同期比1,298百万円減少の3,482百万円(前年同期比27.2%減少)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は505百万円減少、営業利益は211百万円減少、経常利益は6百万円増加しております。 詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更等)」に記載のとおりであります。
商品別の売上状況につきましては、次のとおりであります。〔国内〕
整地用機械(トラクタ、耕うん機など)は18,151百万円(前年同期比3.6%減少)、栽培用機械(田植機、野菜移植機)は6,530百万円(前年同期比10.2%減少)、収穫調製用機械(コンバインなど)は11,443百万円(前年同期比2.5%減少)、作業機・補修用部品・修理収入は31,635百万円(前年同期比7.8%減少)、その他農業関連(施設工事など)は17,338百万円(前年同期比7.8%減少)となりました。〔海外〕
整地用機械(トラクタ、芝刈機など)は30,465百万円(前年同期比26.3%増加)、栽培用機械(田植機など)は1,252百万円(前年同期比31.7%減少)、収穫調製用機械(コンバインなど)は1,829百万円(前年同期比20.7%減少)、作業機・補修用部品・修理収入は3,351百万円(前年同期比23.5%増加)、その他農業関連は3,396百万円(前年同期比127.9%増加)となりました。
(2) 財政状態の分析〔資産〕
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ24,708百万円増加し212,393百万円となりました。主に、受取手形、売掛金及び契約資産の増加11,651百万円、棚卸資産の増加12,156百万円、有形固定資産の増加843百万円によるものであります。〔負債〕当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ18,753百万円増加し139,876百万円となりました。主に、短期借入金及び長期借入金の増加15,065百万円、仕入債務の増加2,811百万円、固定負債その他の増加537百万円によるものであります。〔純資産〕当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,955百万円増加し72,516百万円となりました。主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上3,482百万円、非支配株主持分の増加2,586百万円によるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,271百万円でした。
なお、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。