【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年1月1日から2022年9月30日まで)の世界経済は、エネルギーをはじめとした多くの商品の価格が上昇し、インフレ抑制のために米国をはじめ各国で政策金利が上がっています。また、中国では経済成長率が鈍化するなど、世界的に先行きが不透明な状況が続いています。わが国経済は、円安による輸入コストの上昇、エネルギー価格の高止まりや自動車生産台数の伸び悩みなど、厳しい経済情勢が続いています。一方、コロナウイルス感染状況の改善を背景に、全国旅行支援による観光業を含めた活発な消費活動への期待が高まっています。このような状況下、当社グループは販売価格改定など、原燃料価格の上昇に対応しながら事業活動を継続いたしました。その結果、売上高は1,187億1千7百万円(前年同期比4.7%増収)、営業利益は120億5千4百万円(前年同期比11.4%減益)、経常利益は137億7千3百万円(前年同期比4.5%減益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は102億9千4百万円(前年同期比3.4%減益)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は59億2千万円減少し、営業利益は4千6百万円減少しております。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
①基幹化学品事業
電解製品は、販売数量減となりましたが、原燃料価格上昇に応じた価格改定により増収となりました。アクリルモノマー製品は、販売数量減となりましたが、原燃料価格上昇に応じた価格改定により増収となりました。工業用ガスは、自動車部品市場向けの販売数量減により減収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は545億6千7百万円(前年同期比8.1%増収)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は16億6千7百万円減少しております。営業利益は、原燃料価格の上昇による変動費増がありましたが、引続き価格改定をすすめた結果、59億4千7百万円(前年同期比1.3%増益)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、営業利益は2百万円減少しております。
②ポリマー・オリゴマー事業
アクリルポリマーは、自動車関連向け製品の販売数量減により、減収となりました。アクリルオリゴマーは、巣ごもり需要減退によりディスプレー向けなどで販売数量減となりましたが、海外販売分の円安による為替差の影響により、前年並みの売上となりました。高分子凝集剤は、消費活動の回復による需要増で増収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は269億2千1百万円(前年同期比6.0%増収)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は15億9千2百万円減少しております。営業利益は、原燃料価格の上昇に応じた価格改定をすすめておりますが、販売数量減なども影響し、33億6千9百万円(前年同期比17.6%減益)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、営業利益は2千7百万円減少しております。
③接着材料事業家庭用は、国内および海外とも出荷は前年並みとなりましたが、円安の影響もあり増収となりました。機能性接着剤は、自動車やスマートフォンの生産減の影響で販売数量減となり、減収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は82億4千2百万円(前年同期比2.0%減収)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は2億9千3百万円減少しております。営業利益は、スマートフォンや自動車関連向け販売数量減に加え、技術研究費、減価償却費および海外での広告費用などが増加し、3千3百万円(前年同期比96.0%減益)と大幅な減益となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、営業利益は6百万円減少しております。
④高機能材料事業
高純度無機化学品は、半導体向け製品の販売数量増により増収となりました。無機機能材料は、スマートフォンの生産減によりイオン捕捉剤の販売数量が減少しましたが、消臭剤が堅調に出荷され前年並みの売上となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は74億2千6百万円(前年同期比3.6%増収)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は1千6百万円減少しております。営業利益は、減価償却費や技術研究費の増加により、16億7千6百万円(前年同期比10.8%減益)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、営業利益は1千万円減少しております。
⑤樹脂加工製品事業管工機材製品は、価格改定により増収となりました。ライフサポート製品は新製品投入の効果があり増収となりました。建材・土木製品は前年並みの売上となりました。エラストマーコンパウンドは、タイでの販売増により増収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は205億2百万円(前年同期比7.5%増収)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は5億5百万円減少しております。営業利益は、原燃料価格上昇に応じた価格改定の影響があり、13億9千8百万円(前年同期比27.7%増益)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、営業利益は0百万円減少しております。
⑥その他の事業
新規製品の研究開発事業、輸送事業、商社事業などにより構成される当セグメントは、売上高は10億5千6百万円(前年同期比63.2%減収)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は18億4千5百万円減少しております。営業損失は3億8千8百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による営業利益への影響はありません。
財政状態につきましては、資産合計は、「土地」および「棚卸資産」が増加しましたため、前連結会計年度末に比べ43億9千2百万円、1.7%増加し、2,633億4千8百万円となりました。負債合計は、「未払法人税等」が減少したものの、リース債務の増加により固定負債の「その他」などが増加しましたため、前連結会計年度末に比べ3億9千万円、0.7%増加し、527億3千3百万円となりました。純資産合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により「利益剰余金」が増加しましたため、前連結会計年度末に比べ40億1百万円、1.9%増加し、2,106億1千4百万円となり、自己資本比率は78.1%となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの中期的な経営戦略および対処すべき課題について重要な変更はありません。なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりますが、当第3四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は35億6百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。