【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日)における我が国の経済は新型コロナウイルス感染症の影響から正常化に向けて体制構築が進められているものの、世界規模での地政学リスクの顕在化、原材料価格等の高騰及び金融不安等により、依然として不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループにおきましては、当期より開始したデジタルマーケティング事業を中心に経営資源の選択と集中を加速し、継続的な収益体質の強化を目指すべく、新たな収益体制の構築を開始しております。現時点では、日本におけるデジタルギフト事業の展開等で投資が先行している状況ではありますが、BSPグループとの業務提携による投資事業組合等のファンド運営等新たな事業への投資も進めております。
理美容事業におきましては、顧客の来店頻度がコロナ禍前の状況にはなかなか戻らず、理美容店・エステティックサロンへの売上回復にはまだ時間を要しております。また、原材料不足による商品欠品、原材料高による仕入価格の上昇が追い打ちをかけている状況です。原材料高の商品価格への転嫁も検討を致しましたが、市場が受け入れ難い状況であろうと判断し、理美容事業を縮小する予定といたしました。
通信販売事業におきましては、上半期で発生した訴訟は現在係争中であります。当社のビジネスモデルの1つであるタレントを使用しての映像制作においては、再発防止に注意してまいります。また、今年度から映像制作部門を内製化することで顧客企業の要望を取り入れやすくなったことで顧客満足度を高め、映像制作の受注の増加につなげております。コロナ禍やインフレ等の影響により通信販売業界の競争も激しくなる中で、消費者が必要とする商品の選定、TVを視聴してショッピングを楽しむ消費行動や顧客動向・市場動向の調査・分析の重要性が増しております。当社は、市場動向をみながら、顧客企業や取扱商材の多様化による売上拡大を進めており、その一例として、美容関連商材のみで構成した新形態の番組の収録を2023年2月に実施し、新規顧客企業の獲得につなげております。また、通信販売事業を通して取り扱う商材についても、商品販売だけでなく資料請求等を含めた情報提供等への拡大も進めており、引き続き市場のニーズにマッチしたサービスを提供することで新たな受注に繋げていきたいと考えております。また、当社の既存消費者顧客に対するアウトバウンドによる商品紹介についても、積極的にコンタクトを取らせて頂くことで継続的な収益につなげながら、試験的にDM発送受託事業も開始し、収益構造の多様化を進めております。
デジタルマーケティング事業におきましては、前述のとおり日本でのデジタルギフト事業の運営体制を構築しつつ営業も開始しております。韓国でのデジタルギフト事業のノウハウ等を活かして、日本市場に合うシステムの開発も営業活動と並行して行っております。なお、デジタルマーケティング事業に関しましては、連結企業の決算期が12月であることから、当社連結グループにおける決算数値は3カ月遅れで反映させており、みなし取得日である2022年6月30日以降の第3四半期以降(2022年7月1日~2022年12月31日)を損益計算書に反映させております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,617,004千円(前年同期比72.5%増)、営業損失は63,471千円(前年同期は11,923千円の営業利益)、経常損失は28,172千円(前年同期は15,971千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純利益は41,288千円(前年同期比889.5%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、Mafin inc.の100%の議決権を取得し、連結子会社になったことに伴い、デジタルギフトに関連する事業等を含めたデジタルマーケティング事業を新たに開始し、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。また、コンサルティング事業に関しましてはデジタルマーケティング事業に注力し、事業規模を縮小していることから詳細の概況は記載しておりません。
イ.理美容事業
理美容事業におきましては、前期に好調だった韓国コスメ商材が、同韓国メーカーの日本市場への進出により取扱いが停止となったこと、為替の動向、原材料の欠品及び原材料高の影響で商品供給に問題が生じ、顧客への商品供給が安定していない状態です。結果として、特に前期からの反動が大きく当該事業における売上高は180,756千円(前年同期比19.3%減)となりました。
ロ.通信販売事業
通信販売事業におきましては、第1四半期より継続しております訴訟事件が解決しておらず、再収録等に必要となった費用等の負担が発生しております。コロナ禍やインフレ等の影響により通信販売事業の競争も激化しており、当社としては取扱商品の多様化、番組構成・訴求方法などを研究し、一般消費者の購買動向に沿った番組制作を進めてまいります。当期は、顧客企業数の拡大及び顧客企業への放送枠の販売拡大に至らず、当該事業における売上高は670,527千円(前年同期比0.8%増)となりました。
ハ.デジタルマーケティング事業
デジタルマーケティング事業におきましては、韓国市場における既存事業は順調に利益を確保しておりますが、日本市場におけるデジタルギフト事業については、営業活動は開始しておりますが、まだ投資が先行している状態であります。その結果、当該事業における売上高は748,070千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ742,575千円増加し1,138,308千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは127,344千円の支出(前連結会計年度は18,385千円の支出)となりました。資金減少の主な要因は売掛債権の増加328,059千円が発生したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは668,631千円の収入(前連結会計年度は626千円の支出)となりました。資金増加の主な要因は連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入797,241千円が発生したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは198,577千円の収入(前年同期はキャッシュ・フローの増減なし)となりました。資金増加の主な要因は株式の発行による収入107,323千円及び非支配株主からの払込みによる収入101,898千円が発生したことによるものであります。
③販売及び仕入の実績
イ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
理美容事業(千円)
180,756
△19.3
コンサルティング事業(千円)
16,862
△64.6
通信販売事業(千円)
670,527
0.8
デジタルマーケティング事業(千円)
748,070
-
報告セグメント計(千円)
1,616,216
72.6
その他(千円)
787
△5.0
合計(千円)
1,617,004
72.5
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
株式会社ディーエムジェイ
144,922
15.5
-
-
株式会社ヴァーナル
126,637
13.5
-
-
株式会社全日本通教
122,642
13.1
-
-
(注)3.当連結会計年度の株式会社ディーエムジェイ、株式会社ヴァーナル及び株式会社全日本通教については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
ロ.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
理美容事業(千円)
133,529
△20.3
コンサルティング事業(千円)
-
-
通信販売事業(千円)
392,983
△16.5
デジタルマーケティング事業(千円)
172,345
-
報告セグメント計(千円)
698,858
9.5
その他(千円)
382
△5.2
合計(千円)
699,241
9.5
(注)金額は実際仕入価格によっております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.財政状態
当連結会計年度末の総資産は2,821,794千円となり、前連結会計年度末に比べて2,309,721千円の増加となりました。流動資産は2,477,787千円となり、前連結会計年度末に比べて1,989,084千円の増加となりました。この増加は、主に現金及び預金925,090千円(うち子会社取得に伴う増加661,823千円、その他の増加263,267千円)並びに売掛金998,159千円(うち子会社取得に伴う増加989,430千円、その他の増加8,728千円)の増加によるものであります。固定資産は344,006千円となり、前連結会計年度末に比べて320,636千円の増加となりました。この増加は、主に子会社の取得に伴い差入保証金が248,897千円増加したことによるものであります。流動負債は1,878,245千円となり、前連結会計年度末に比べて1,743,277千円の増加となりました。この増加は、主に未払金897,212千円(うち子会社取得に伴う増加895,358千円、その他の増加1,854千円)の増加によるものであります。固定負債は316,541千円となり、前連結会計年度末に比べて311,677千円の増加となりました。この増加は、主に子会社の取得に伴い長期借入金が311,737千円増加したことによるものであります。純資産は627,006千円となり、前連結会計年度末に比べて254,766千円の増加となりました。この増加は、主に新株の発行による資本金55,845千円及び資本準備金55,845千円並びに非支配株主持分101,898千円の増加によるものであります。
ロ.経営成績
以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,617,004千円(前年同期比72.5%増)、営業損失は63,471千円(前年同期は11,923千円の営業利益)、経常損失は28,172千円(前年同期は15,971千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純利益は41,288千円(前年同期比889.5%増)となりました。
セグメントごとの概況を含む売上高につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。営業利益に関しましては、日本市場に適合したシステムの開発や及び営業体制の構築等の運営体制の整備のための投資が影響しております。経常利益に関しましては韓国において付加価値税更正請求還付金を還付加算金として計上したこと、また親会社株主に帰属する当期純利益に関しましては、Mafin inc.の株式取得に伴い負ののれん発生益を特別利益に計上したことによって影響が生じております。
当社グループにおきましては、デジタルギフトの本格展開のために日本市場に適合したシステムの開発や及び営業体制の構築等の運営体制の整備のための投資を行ったため利益を確保できておりませんが、今後は早期の利益計上を目指してまいります。また今後も継続して利益を確保できる体制を整えるために、各事業セグメントごとの選択と集中を行い、グループ全体としての企業価値の向上に繋げてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要は主に運転資金需要及び利益拡大に向けた投資需要であります。運転資金は主に通販事業における番組制作費及び放送枠仕入高、理美容事業における商品仕入高、デジタルマーケティング事業の手数料、販売費及び一般管理費などの営業費用であり、営業キャッシュ・フローを源泉とし必要に応じて借入又は第三者割当増資による新株式等の発行を行う方針としています。投資需要につきましては、計画している投資はありませんが、自己資金に加えて借入又は第三者割当増資による新株式等の発行を行う方針です。なお、当連結会計年度末における借入金の残高は長期借入金311,737千円となります。
資金の流動性につきましては、当連結会計年度末における流動比率が連結ベースで131.9%(前連結会計年度末は362.1%)となっており、十分な財務健全性を有していると認識しております。
③重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社グループは、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。当社グループは、貸倒債権、棚卸資産、法人税等、財務活動、偶発事象等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。当社グループは、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判別しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数値についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
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