【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結累計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当社グループは「Bright Valueの実現~記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する~」という企業理念のもと、自社開発の人工知能(AI)エンジン「KIBIT(キビット)」を活用した高度な情報解析技術を駆使し、祖業である国際訴訟支援、不正調査から製造、金融、小売、流通、そして医療分野といった様々なフィールドで、必要かつ適切な情報に出会えるフェアな世界の実現及び社会課題の解決に貢献しております。
■各事業の当第2四半期連結累計期間の活動状況は以下のとおりです。 (AIソリューション事業)ライフサイエンスAI分野の中のAI創薬領域においては、2023年7月12日に、“Drug Discovery AI Factory”(以下、DD-AIF)事業を開始いたしました。今日、新薬研究開発では、難易度の著しい上昇に伴い成功確率が低下するとともに、コストは加速度的に高騰しています。こうした状況の中で革新的な医薬品の研究開発を成功させるために、大手製薬企業はアカデミアやベンチャー企業、AI創薬企業と積極的に連携し、適切な標的分子の選定の意思決定などに注力するようになっています。こうした創薬プロセスを進める上でキーとなるのが「仮説」です。仮説は医薬品開発における設計図ともいえるもので、開発の最上流である標的探索から臨床研究、上市までの様々なフェーズの中で極めて重要な役割を担い、医薬品開発の成否を左右します。従来、創薬研究者は長期にわたって多くの関連論文やオミックスデータを読み込み、多大な労力をかけて仮説を打ち立ててきました。FRONTEOのDD-AIF事業では、仮説生成に特化したAIと創薬研究者の知見との融合により、高品質な仮説生成のハイスループット化に成功し、エビデンスに基づく仮説を短期間かつ多量・高精度で作り出すことが可能となりました。標的探索やドラッグリポジショニングなどにおける幅広い活用により、医薬品研究開発の効率化・加速化・成功確率向上を支援する新たなサービスを展開することにより、DD-AIFが提供する仮説生成に特化した工程を新たなバリューチェーンとして確立し、FRONTEO DD-AIFが医薬品産業において不可欠な存在となることを目指してまいります。
AI医療機器領域における「会話型 認知症診断支援AIプログラム」に関しては、会話の音声を入力データとするプログラム(自動音声書き起こし機能付きプログラム)において臨床試験に向けた開発が進捗しております。また、「会話型 認知症診断支援AIプログラム」に続き、「うつ病診断支援AIプログラム」においても、2023年9月に共同研究先である慶応義塾大学医学部と独占的開発・販売について合意いたしました。この合意により、実用化・本格的な事業化に向けた提携先との取り組みを進めてまいります。なお、「統合失調症診断支援AIプログラム」などその他の製品につきましても、順調に開発を進めており、開発パイプラインの拡充を図ってまいります。
ビジネスインテリジェンス分野につきましては、売上高は堅調に推移しております。 企業のDX推進により引き続き旺盛な重要があり、当第2四半期連結累計期間においては、株式会社三菱UFJ銀行(以下、三菱UFJ銀行)で「KIBIT」を搭載したAIソリューションが導入されたことを発表いたしました。 また、特にコンプライアンス対応のための投資ニーズは高く、2023年3月に発表した不正検知システム「KIBIT Eye(キビット アイ)」は第1四半期連結会計期間に続き連結売上高に貢献しているとともに、複数の企業との間で導入に向けた協議を継続しており、当社AIソリューションの社会実装は着実に進捗しております。さらに、製品開発においては、「KIBIT WordSonar for VoiceView(キビット ワードソナー フォー ボイスビュー)」、「KIBIT WordSonar for AccidentView(キビット ワードソナー フォー アクシデントビュー)」を始めとした各製品の開発・改良が順調に進捗しており、顧客のニーズをとらえたアウトプットを提供することで、事業を推進してまいります。
経済安全保障分野につきましては、刻々と変化する国際情勢、熾烈を極める最先端技術の開発競争など、企業を取り巻く社会的背景により、サプライチェーンにおける規制や調達・人権リスク、投資による支配、機密情報の漏洩リスクが高まる中、自社や取引先のサプライチェーンなどの健全性の評価、最先端技術の情報漏洩対策は急務となっております。当第2四半期連結累計期間においても米中対立の中で、米国の税関国境保護局(以下、CBP)による海上貨物に関する物流セキュリティ規制が強化されており、日本企業はCBPの輸入差し止めを回避するための対策として「KIBIT Seizu Analysis(キビット セイズ アナリシス)」によるサプライチェーン解析の需要が増加いたしました。加えてウクライナ戦争の長期化シナリオを前提として、欧州等、各国の対ロシア規制が一層強化されており、日本企業においても海外事業の安定化を図るうえで自社のグローバルサプライチェーン可視化の受注件数も増加傾向にあります。当第2四半期連結累計期間においては、サプライチェーン解析ソリューションに、紛争鉱物デューデリジェンスを支援する新機能を搭載し、運用を開始いたしました。引き続き、経済安全保障対策を推進する企業を多面的に支援できるよう、的確なソリューションを提供することで事業の拡大に努めてまいります。
(リーガルテックAI事業)リーガルテックAI事業は、当社ポータルサイト「FRONTEO Legal Link Portal」、勉強会、ウェビナーなどのマーケティング活動を積極的に推進しております。それらの活動により、顧客である弁護士事務所や企業からの問い合わせ数、受注数は着実に増加しておりますが、売上高への貢献には時間を要しております。年間での売上目標達成に向けて、引き続き、マーケティングや営業の活動量を積極的に高めることに加え、退職者PC保全サービスを開始することなどにより、売上高の回復に努めてまいります。
■各事業の当第2四半期連結累計期間のセグメント別および連結業績の概況は以下のとおりです。なお、第1四半期連結会計期間より、ライフサイエンスAI分野の売上高の一部をビジネスインテリジェンス分野に移管したことに伴い、前年同期の数値を移管後の数値に組替えて比較しております。 また、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントごとの業績をより適切に反映させるため、全社費用の配分基準の見直しを行ったことに伴い、前年同期の数値を変更後の数値に組替えて比較しております。
(AIソリューション事業)ライフサイエンスAI分野につきましては、受託解析案件により得た収益が寄与し売上高は148,067千円(前年同期比1.3%減)となりました。ビジネスインテリジェンス分野につきましては、前期に取り組んだ営業体制強化の効果により売上パイプラインが堅調に積み上がったことに加えて第2四半期連結累計期間において三菱UFJ銀行で「KIBIT」を搭載したAIソリューションが導入され、売上高は1,184,143千円(前年同期比45.1%増)となりました。その結果、AIソリューション事業全体の売上高は1,334,924千円(前年同期比37.7%増)と概ね想定通りの結果となりました。営業損益につきましては、前期下期の人的投資に伴う費用増や経済安全保障分野に関する投資により、85,702千円の営業損失(前年同期は50,740千円の営業損失)となりました。
サービスタイプ別の売上高の概況は下表のとおりです。
(単位:千円)
サービスタイプ別
計
AIソリューション事業
ライフサイエンスAI
148,067(150,144)
ビジネスインテリジェンス
1,184,143(816,014)
海外AI
2,714(3,383)
AIソリューション事業売上高 計
1,334,924(969,542)
( )は前第2四半期連結累計期間の実績
(リーガルテックAI事業)リーガルテックAI事業につきましては、顧客基盤のさらなる再構築により問い合わせ数が増加したものの売上高の回復には至っておらず、売上高は2,113,242千円(前年同期比33.6%減)、売上高の減少に伴い472,987千円の営業損失(前年同期は174,086千円の営業損失)となりました。
サービスタイプ別の売上高の概況は下表のとおりです。
(単位:千円)
サービスタイプ別
計
eディスカバリサービス
Review
608,058(769,375)
Collection, Process
200,728(379,177)
Hosting
964,990(1,514,787)
計
1,773,778(2,663,341)
フォレンジックサービス
339,464(519,043)
リーガルテックAI事業売上高 計
2,113,242(3,182,385)
( )は前第2四半期連結累計期間の実績
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の連結業績は、売上高3,448,167千円(前年同期比17.0%減)、営業損失558,690千円(前年同期は224,827千円の営業損失)、経常損失492,076千円(前年同期は128,742千円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失511,508千円(前年同期は653,832千円の親会社株主に帰属する四半期純損失)と前年同期を下回る結果となりました。なお、リーガルテックAI事業の自社利用ソフトウエアの一部について今後の利用停止を決定したこと等により減損損失として99,300千円、韓国子会社でのコスト構造の最適化を目的とした構造改革費用として38,476千円を特別損失として計上しております。
(2) 連結財政状態の分析
(資産)総資産は、前連結会計年度末と比べて301,017千円減少し、8,844,212千円となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比べて273,322千円減少し、3,389,816千円となりました。これは主に、現金及び預金が299,379千円増加した一方で、未収入金が538,142千円減少したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末と比べて27,695千円減少し、5,454,395千円となりました。これは主に、差入保証金が33,892千円、為替の影響でのれんが58,043千円、顧客関連資産が47,665千円増加したものの、使用権資産の償却により73,383千円、減損処理等によりソフトウエアが113,398千円減少したことによるものであります。
(負債)負債合計は、前連結会計年度末と比べて258,253千円減少し、3,836,925千円となりました。流動負債は、前連結会計年度末と比べて207,089千円増加し、2,416,262千円となりました。これは主に、借入実行により短期借入金が300,000千円増加したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末と比べて465,342千円減少し、1,420,662千円となりました。これは主に、流動負債に振り替えたことにより長期借入金が362,991千円減少したことによるものであります。
(純資産)純資産合計は、前連結会計年度末と比べて42,764千円減少し、5,007,286千円となりました。これは主に円安の影響により為替換算調整勘定が増加した一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失を計上したことなどによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,770,813千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と、その主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により増加した資金は581,059千円(前年同期比1,262,950千円の収入の増加)となりました。これは主に、非資金項目である減価償却費及びのれん償却額、減損損失によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により支出した資金は288,434千円(前年同期比16,700千円の支出の減少)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出200,517千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により支出した資金は60,863千円(前年同期比680,678千円の支出の減少)となりました。これは主に、短期借入れによる収入が300,000千円あった一方で、長期借入金の返済による支出365,351千円によるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当社グループは、研究開発活動の内容及び金額を特定のセグメントに関連付けることができないため、一括して記載しております。
(研究開発費の金額)当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は111,666千円であります。
(研究開発の内容)当社は、独自開発した人工知能エンジン「KIBIT」について創薬支援、診断支援、経済安全保障、金融、人事・営業支援等さまざまなフィールドでの利便性をさらに向上させるため、新たなソリューションの拡充、製品の開発を行っております。
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