【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の防止における行動制限の緩和を受けて経済活動の正常化が進み、緩やかな景気回復の動きが見られました。一方で、年間を通して為替相場が乱高下し、また、ウクライナ情勢の長期化などによる原材料価格やエネルギー価格の高騰に加え、各種物価高が個人消費に与える影響も懸念されるなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
そのような状況において当社グループは、各事業セグメントにおいて新規顧客の開拓、取扱商品と事業領域の拡大、対面に頼らない営業手法の構築に努めるほか、M&Aにも取り組み、2022年11月30日付で株式会社リーバンの株式を取得いたしました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産額は10,136百万円となり、前期末に比べ958百万円の増加となりました。主な内訳は、現金及び預金3,444百万円、売掛金4,270百万円、商品及び製品1,117百万円であります。
負債につきましては、6,709百万円となり、前期末に比べ204百万円の増加となりました。主な内訳は、買掛金1,430百万円、短期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)3,494百万円、長期借入金702百万円であります。
純資産につきましては、3,427百万円となり、前期末に比べ753百万円の増加となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は、PCメーカー向けのメモリ販売が低調に推移したことから15,007百万円(前期比7.2%減)、売上総利益は、3,581百万円(前期比30.0%増)となりました。販売費及び一般管理費は、積極的に広告宣伝費をかけたことや人件費の増加もあって2,518百万円(前期比23.8%増)となり、営業利益は1,063百万円(前期比47.4%増)、経常利益は1,031百万円(前期比45.0%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、いわゆる所得拡大促進税制の適用による法人税等の減少もあって、702百万円(前期比83.6%増)となりました
(単位:千円)
財務諸表科目
2022年3月期
2023年3月期
前期比
売上高
16,166,841
15,007,149
△7.2%
売上原価
13,410,558
11,425,190
△14.8%
売上総利益
2,756,282
3,581,959
30.0%
販売費及び一般管理費
2,034,703
2,518,228
23.8%
営業利益
721,579
1,063,730
47.4%
営業外収益
27,642
28,489
3.1%
営業外費用
37,952
61,130
61.1%
経常利益
711,268
1,031,089
45.0%
特別利益
45,693
-
-
特別損失
58,009
-
-
税金等調整前当期純利益
698,952
1,031,089
47.5%
法人税等合計
277,100
272,445
△1.7%
親会社株主に帰属する当期純利益
382,352
702,077
83.6%
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
なお、今期から内部管理費用の増加に伴い、配分に関して見直しを実施したため、一部セグメントにおいて販管費の増加及びこれに伴う営業利益率の低下が見られますが、内部費用の配分によるものであり、各事業の収益力が落ちたものではございません。
(メモリ製品製造販売事業)
メモリ製品製造販売事業においては、従来の法人向け、産業機器メーカー向けのメモリ販売、BtoC向けの販売に加えて、当社が販売代理店を務めるASRock Industrial社の製品を軸にした産業用PC等の拡販、新規に販売代理店となったRuijie Networks社のネットワーク製品の販売にも取り組んでまいりました。PCメーカー向けのメモリ販売は2Qから3Qにかけて大きく減少いたしましたが、直近では徐々に増加しております。また、様々な物価高騰の影響により、一般消費者には買い控えの兆候も見られていますが、法人向けメモリの年度末需要はコロナ禍以前並みに回復いたしました。IoTソリューション事業においては、入手困難な部材の代替品を搭載可能とした設計変更や一次産業向けの商品の開発、及び、自社独自製品のバッテリーセンサー、水質管理端末のビジネス拡大、新規受託開発に取り組んでまいりました。納期が遅延していた部材の入荷により、主力案件においてほぼ計画値まで出荷が完了したことや、CPUモジュールや受託開発案件の受注増により、IoTソリューション事業としては売上、利益とも前期を上回る結果となりました。
その結果、当事業における売上高は5,874百万円(前期比34.0%減)、営業利益は214百万円(前期比39.1%減)となりました。
(通信コンサルティング事業)
通信コンサルティング事業においては、キャリア3Gサービス終了に伴う5Gへのマイグレーション工事が順調に拡大したことで、屋内電波対策関連の工事件数が順調に増加いたしました。また、インターネット回線関連工事やIoT関連、監視カメラ関連など、各種通信建設工事案件の工事件数も大きく増加しております。また、3Qで子会社化したリーバンと連携して、広島営業所の開設も含め、西日本での施工体制強化にも取り組んでおります。コンタクトセンター事業においては、新規案件の獲得が進み、拠点拡張の効果が大きく出ております。今後も拠点拡張や効率化、拠点間の連携強化に加えて、他社とのサービス提携も狙ってまいります。既存事業の順調な拡大に加え、広告宣伝の効果もあって新規案件の獲得が進み、売上、利益とも前期を大きく上回る結果となりました。
その結果、当事業における売上高は6,096百万円(前期比42.9%増)、営業利益551百万円(前期比44.8%増)となりました。
(HPC事業)
HPC事業においては、新製品のラインナップを拡充し、学会や展示会に出展して積極的に展示、紹介を行うとともに、タイミングを見て販促キャンペーンをするなど、受注活動に努めてまいりました。また、人員増強と拠点拡張を通じて営業力の強化も図ってまいりました。為替が不安定な状況が続き、部材の調達難や原価高騰、競合他社との価格競争などもあり、外部環境は引き続き厳しい状況ではありますが、売上総利益率も回復してきたことで、前期比で売上は落としたものの、営業利益は上回る結果となりました。
その結果、当事業における売上高は2,731百万円(前期比3.2%減)、営業利益は250百万円(前期比39.7%増)となりました。
(単位:千円)
2022年3月期
2023年3月期
前期比
メモリ製品製造販売事業
売上高
8,901,371
5,874,417
△34.0%
営業利益
351,956
214,178
△39.1%
通信コンサルティング事業
売上高
4,265,673
6,096,495
42.9%
営業利益
380,995
551,504
44.8%
HPC事業
売上高
2,823,080
2,731,969
△3.2%
営業利益
179,358
250,649
39.7%
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)残高は、前連結会計年度末に比べ332百万円減少し3,396百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の減少は、20百万円(前連結会計年度は147百万円の資金の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,031百万円、棚卸資産の減少111百万円による資金の増加要因があった一方で、仕入債務の減少400百万円、売掛債権の増加792百万円、法人税等の支払額302百万円による資金の減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は393百万円(前連結会計年度は112百万円の資金の減少)となりました。主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社異動による支出379百万円、有形固定資産の取得による支出34百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は81百万円(前連結会計年度は253百万円の資金の増加)となりました。主な原因は、短期借入金の純増加100百万円、長期借入れによる収入420百万円、長期借入金の返済による支出421百万円によるものであります。
③ 仕入及び販売の実績
a.仕入実績
品目
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
メモリ製品製造販売事業(千円)
4,790,633
△41.5
通信コンサルティング事業(千円)
214,938
20.0
HPC事業(千円)
2,203,599
△15.5
その他(千円)
39,890
17.4
合計(千円)
7,249,061
△34.2
(注)1.金額は仕入価額により記載しております。
b.販売実績
品目
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
メモリ製品製造販売事業(千円)
5,867,891
△34.0
通信コンサルティング事業(千円)
6,093,689
42.9
HPC事業(千円)
2,719,019
△3.3
その他(千円)
326,548
64.0
合計(千円)
15,007,149
△7.2
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
ソフトバンク(株)
2,521,903
15.6
3,810,083
25.4
(株)マウスコンピューター
4,266,073
26.4
1,727,302
11.5
(株)ユニットコム
1,929,399
11.9
819,589
5.5
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択や適用、資産負債及び収益費用の金額並びに開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。経営者はこれらの見積りについて、過去の経験及び実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
流動資産は、前連結会計年度末に比べ552百万円増加し9,317百万円となりました。これは主として、売掛金の増加809百万円などによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ406百万円増加し819百万円となりました。これは主として、株式会社リーバンの取得に伴うのれんの増加271百万円によるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ958百万円増加し10,136百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ74百万円増加し5,798百万円となりました。これは主として、法人税の増加37百万円、短期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の増加140百万円などによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ130百万円増加し910百万円となりました。これは主として、長期借入金の増加79百万円によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ753百万円増加し3,427百万円となりました。これは主に当期純利益758百万円を計上したことによります。
b.経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ1,159百万円減少(7.2%減)の15,007百万円となりました。
売上高の内訳は、メモリ製品製造販売事業が5,867百万円、通信コンサルティング事業が6,093百万円、HPC事業が2,719百万円となっております。また、売上高全体に占める割合は、メモリ製品製造販売事業が39.1%、通信コンサルティング事業が40.6%、HPC事業が18.1%となっております。
(売上原価)
売上原価は、前連結会計年度に比べ1,985百万円減少の11,425百万円となりました。また、原価率は、76.1%となり、前連結会計年度に比べ6.8%低下しました。これは主に、利益率の低いPCメーカー向けのメモリ販売が低調だったため、原価率が改善したものであります。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ483百万円増加の2,518百万円となりました。主な増加の要因は、人件費の増加261百万円、広告宣伝費の増加86百万円などによるものであります。また、売上高対販売費及び一般管理費比率は、16.8%となり、前連結会計年度に比べ4.2%上昇しました。
(営業利益)
営業利益は、前連結会計年度に比べ342百万円増加の1,063百万円となりました。
(経常利益)
経常利益は、前連結会計年度に比べ319百万円増加の1,031百万円となりました。
(税金等調整前当期利益)
税金等調整前当期利益は、前連結会計年度に比べ332百万円増加の1,031百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ319百万円増加の702百万円となりました。
なお、事業全体の包括的な分析及びセグメント別の分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績等の状況」をご参照ください。
c.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、子会社株式の取得等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持する事を基本方針としております。
短期運転資金は営業活動により得られたキャッシュ・フロー、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。また、当社は、金融機関との間で合計5,180百万円を限度とするコミットメントラインを設定しており、資金需要に応じて機動的な資金調達を実行しております。
これら営業活動及び財務活動により調達した資金については、事業運営上必要な流動性を確保することに努め、機動的かつ効率的に使用してまいります。今後については、IoT関連投資、商品の仕入、有望な新規事業領域への進出、子会社株式の取得等に積極的に投資してまいります。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は4,271百万円、現金及び現金同等物の残高は3,444百万円となりました。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは収益性指標として売上高、営業利益及び経常利益を重視しております。
売上高は期初業績予想比1,492百万円減(9.0%減)でしたが、営業利益は業績予想比413百万円増(63.7%増)及び経常利益は業績予想比391百万円増(61.1%増)となりました。これは主に、PCメーカー向けのメモリ販売が低調に推移したことにより売上高は減少したもの、通信コンサルティング事業において3Gから5Gへのマイグレーション工事が大きく進捗したことによるもので、詳細は、事業全体の包括的な分析及びセグメント別の分析は、「4(経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析) (1)経営成績等の状況の概要 b.経営成績」をご参照ください。
