【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けながらも、活動制限の解除や各種政策により経済活動が緩やかに再開され、景気回復の動きが見られました。一方、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐる国際情勢不安の長期化や、原材料価格・エネルギー価格の高騰、為替市場の急激な変動といった景気減速懸念により、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループを取り巻く経営環境につきましては、原材料・物流コストの高騰、急速な円安進行といった外部要因の影響が続くなか、環境意識の高まりから紙製品事業は好調に推移いたしました。特に、ウィズコロナの下でオンライン消費活動が定着したことを背景に、紙製宅配資材の市場規模は今後も拡大していくものと見込まれております。また、行動制限や入国制限の緩和、経済活動支援等の影響による人流回復が進むことで、来店型事業における紙製包装資材需要はさらに増加していくものと期待されます。このような環境のもと、2021年6月30日に公表した中期経営計画『次世代パッケージ企業への転換』に掲げる『環境対応と成長基盤確立のための3ヵ年~本気の変革~』を基本方針として、「事業構造の転換」、「新規事業の発掘」、「コスト削減」、「業務運営の効率化」、「組織・人員の見直し」などに取り組み、引き続き環境戦略の強化、構造改革の徹底に努めてまいりました。当第3四半期連結累計期間の取り組みとして、生産設備・人員配置の見直し等による紙製品事業の生産体制再構築、事業の見極めと不採算事業の整理を実施したほか、新たな市場も含めた開拓を進めてまいりました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は19,423百万円(前年同四半期比0.9%減)、営業利益335百万円(前年同四半期は営業損失287百万円)、経常利益356百万円(前年同四半期は経常損失271百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益277百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失249百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、各セグメントのセグメント利益(営業利益)は、「セグメント情報等」に記載のとおり、各セグメントに配分していない全社費用447百万円を配分する前の金額であります。「紙製品事業」紙製品事業につきましては、国内における個人消費の回復もあり、主力の角底袋、宅配袋、手提袋の販売数量・金額増加により、売上高は前年同期に比べ1,596百万円増加して10,038百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は原材料費が増加したものの、生産体制の効率化に伴う利益率の向上により、前年同期に比べ381百万円増加して696百万円となりました。「化成品事業」化成品事業につきましては、環境意識の高まりから、包装資材の紙化の流れが継続し、ポリ宅配袋の販売数量・金額減少などにより、売上高は前年同期に比べ1,442百万円減少して4,501百万円となりました。セグメント損益(営業損益)は売上高減少に加えて調達コストの上昇や円安の影響があったものの、前期より継続している事業構造改革の成果により固定費削減が進んだ結果、前年同期に比べ197百万円増加しましたが、40百万円の損失となりました。「その他事業」その他事業につきましては、S・V・S(スーパーバッグ・ベンダー・システム)を主たる事業として展開しておりますが、前期需要が旺盛であった新型コロナウイルス感染拡大を背景とした清掃用品の売上高が減少したことにより、売上高は前年同期に比べ335百万円減少して4,883百万円となりました。品目ごとの販売構成では、清掃用品、包装用品が減少し、事務用品が増加しております。セグメント利益(営業利益)は前年同期に比べ25百万円増加して127百万円となりました。
(2) 財政状態の状況当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,674百万円増加して15,453百万円となりました。流動資産は、現金及び預金が446百万円減少、電子記録債権が104百万円減少した一方、受取手形及び売掛金が1,689百万円増加、棚卸資産が620百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,793百万円増加の11,161百万円となりました。固定資産は、設備投資等により110百万円増加、投資有価証券の時価評価差額が137百万円増加した一方、有形固定資産の売却及び除却で36百万円減少、減価償却で182百万円減少、事業保険金が84百万円減少、繰延税金資産が56百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ119百万円減少の4,291百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,257百万円増加して12,583百万円となりました。これは、賞与引当金が74百万円減少、リース債務が69百万円減少した一方、支払手形及び買掛金が786百万円増加、電子記録債務及び設備関係電子記録債務が337百万円増加、短期借入金及び長期借入金が163百万円増加、未払金及び設備関係未払金が30百万円増加したことなどによるものであります。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ416百万円増加して2,870百万円となりました。これは、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益計上により277百万円増加、その他有価証券評価差額金が82百万円増加、為替換算調整勘定が48百万円増加したことなどによるものであります。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の17.7%から18.5%になりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を常にめざし、安定的な営業キャッシュ・フローの創出や資金調達手段の確保に努めております。設備投資などの長期資金需要につきましては、自己資金及び主に金融機関からの長期借入など、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討し対応しております。また運転資金需要につきましては、自己資金、営業活動から得られるキャッシュ・フローに加え、金融機関からの当座貸越枠を利用した短期借入金により対応しております。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は4百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 生産、受注及び販売の実績当第3四半期連結累計期間において、化成品事業の生産、受注及び販売の実績が著しく減少しております。これは、2020年7月1日よりプラスチック製レジ袋の有料化が施行されたことにより、子会社における生産活動を停止したことなどから、生産高が前年同四半期比91.2%減、受注高が25.5%減、販売高が24.3%減となったものです。