【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績に関する説明当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は緩やかに持ち直しつつある一方で、世界規模での供給面での制約が顕在化し、欧米を中心とした物価上昇と金融引締めが続くなか、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクや、為替相場をはじめとした金融資本市場の変動等による影響に十分注意していく必要があります。このような経済状況下、当社グループ(当社及び連結子会社)では、こうした足元のマクロ経済環境に注視しつつ、引き続き、国内外における新規投資機会の獲得活動を継続する一方、新規事業戦略の検討や既存事業における経営の効率化等に取り組んでまいりました。その結果、当第2四半期連結累計期間は売上高3,751百万円(前年同四半期比4.5%増)、営業損失24百万円(前年同四半期は営業利益26百万円)、経常利益15百万円(前年同四半期比84.2%減)、税金等調整前四半期純利益15百万円(前年同四半期比84.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失1百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益41百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの名称を「海外事業」より「投資事業」に変更しており、当第2四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
① 不動産事業不動産事業につきましては、株式会社トラストアドバイザーズにおいてマンションオーナー向けのリーシング及び賃貸管理とマンション建物の受託管理を行うレジデンス事業、並びにマンションオーナーの購入・売却ニーズに対応する不動産売買事業を営んでおります。レジデンス事業は、前年同期比で管理戸数やサブリース賃貸借契約の賃料水準に大きな変化はありませんでしたが、空室率が低下したことで稼働戸数に比例して家賃収入が増加し、売上高、売上総利益ともに増収増益となりました。また、不動産売買事業は、売上高がほぼ前年同期並みに推移するとともに、粗利率が改善しました。その結果、当第2四半期連結累計期間の不動産事業の売上高は、レジデンス事業の空室率の低下を主要因として、3,073百万円(前年同四半期比6.0%増)となり、営業利益はこれらに加え、販管費の抑制も貢献し、98百万円(前年同四半期比84.9%増)となりました。
② ホテル事業ホテル事業につきましては、現在、成田空港エリアで成田ゲートウェイホテル、倉敷美観地区エリアで倉敷ロイヤルアートホテルを運営しております。成田ゲートウェイホテルは、千葉県からの要請に基づき、2020年4月から新型コロナウイルス感染症の無症状者・軽症者の一時的な療養者施設として、およそ3年間に渡り運営を続けてまいりましたが、国内における新規感染者数の大幅な減少と新型コロナウイルス感染症の「5類」への移行を受けて、2023年5月末をもって施設提供を終了いたしました。ホテル営業を再開した2023年6月以降は、3年間に及ぶホテル営業の休業からの立ち上がり間もないこと、またインバウンド観光客等の仕込みを始めとした、段階的に稼働率を高めていく過程にあたることから、療養者施設として運営していた前年同期と比して売上高は落ち込み、当第2四半期連結累計期間においては前年同期比で減収減益となりました。一方、倉敷ロイヤルアートホテルにおいては、先の新型コロナウイルス感染症の「5類」への移行、および欧米を中心としたインバウンド観光客の回帰を受けて、倉敷美観地区エリアに賑わいが戻りつつある中で、ホテル稼働率と客室単価が前年同期比で大きく改善し、増収増益となりました。こうした両ホテルの業績を合算した結果、成田ゲートウェイホテルの営業再開以降の業績が大きく影響し、セグメント全体では減収減益となり、当第2四半期連結累計期間のホテル事業の売上高は485百万円(前年同四半期比10.9%減)、営業損失は17百万円(前年同四半期は営業利益86百万円)となりました。
③ 投資事業当社グループの投資事業につきましては、M&Aグローバル・パートナーズ株式会社において国内投資事業を、STRIDERS GLOBAL INVESTMENT PTE.LTD.において海外投資事業を、それぞれ営んでおります。当第2四半期連結累計期間におきましては、各国経済において不透明な投資環境が継続する中、新規の投資に対して慎重な姿勢を取りつつも、日本国内の事業承継やインバウンド投資の案件発掘を進めてまいりました。また国内を始め、南・東南アジア、欧州といった地域のスタートアップ投資、とりわけアグリテック、インシュアテック、ヘルステックならびにグリーンテックといった領域に注目してまいりました。こうした中、7月末にSTRIDERS GLOBAL INVESTMENT PTE.LTD.の投資先の一つである、スリランカおよびバングラデシュにおいてデジタル・メディアプラットフォームを運営するRoar Media社の株式の一部を売却し、これに伴うキャピタルゲインを得ています。その結果、当第2四半期連結累計期間の投資事業の売上高は30百万円(前年同四半期は売上高0百万円)となり、営業利益は6百万円(前年同四半期は営業損失1百万円)となりました。
(2) 財政状態に関する説明① 財政状態
(資産)当第2四半期連結会計期間末における流動資産は2,990百万円となり、前連結会計年度末に比べ74百万円減少しました。これは主にセグメント区分の変更に伴い、投資有価証券の一部を振り替えたことにより営業投資有価証券が143百万円増加した一方で、現金及び預金が84百万円、棚卸資産が67百万円、未収法人税等が54百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は1,446百万円となり、前連結会計年度末に比べ139百万円減少しました。これは主に投資有価証券が145百万円減少した一方で、出資金が33百万円増加したこと等によるものであります。この結果、総資産は4,437百万円となり、前連結会計年度末に比べ213百万円減少しました。
(負債)当第2四半期連結会計期間末における流動負債は1,210百万円となり、前連結会計年度末に比べ166百万円増加しました。これは主に1年内返済予定長期借入金が224百万円増加した一方で、未払法人税等が63百万円減少したこと等によるものであります。固定負債は751百万円となり、前連結会計年度末に比べ338百万円減少しました。これは主に長期借入金が300百万円、社債が20百万円減少したこと等によるものであります。この結果、負債合計は1,962百万円となり、前連結会計年度末に比べ171百万円減少しました。
(純資産)当第2四半期連結会計期間末における純資産は2,475百万円となり、前連結会計年度末に比べ42百万円減少しました。主な要因は配当により41百万円を利益処分したこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は、55.2%となりました。
② キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は2,317百万円となり、前連結会計年度末に比べ84百万円減少いたしました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、獲得した資金は140百万円(前年同期は69百万円の獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払額85百万円、棚卸資産の減少額67百万円、法人税等の還付額56百万円、減価償却費48百万円、売上債権の減少額32百万円があったこと等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、使用した資金は68百万円(前年同期は67百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出40百万円、匿名組合出資金の払込による支出28百万円があったこと等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、使用した資金は163百万円(前年同期は148百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出76百万円、配当金の支払額41百万円、社債の償還による支出30百万円があったこと等によるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動該当事項はありません。