【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)における世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴うエネルギー価格の高騰、先進諸国でのインフレ加速や欧米での急速な政策金利の引き上げに伴う金融資本市場及び為替の混乱、軟調な中国経済等、先行き不透明感が強まりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響については、感染症抑制と経済活動の両立が進む一方で、中国では2022年12月のゼロコロナ政策解除に伴う感染急拡大が懸念されました。
当社グループが注力する自動車関連市場では、半導体不足の継続に加え、ウクライナ情勢や中国ゼロコロナ政策、米国での急激なインフレ進行等による世界的な景気停滞等により需給両面で不安定な状況が続き、自動車生産台数・新車販売台数が予想を下回る状況が続きました。
こうした中、当社グループは車載関連ビジネスの受注活動において、ターゲット顧客への提案活動の強化により中期事業計画完了時(2025年3月期)の9割程度の受注を確保しました。また、自動車メーカとの連携強化により需要予測の精度を高め最適な生産体制を保持すべく努めました。高騰した原材料費・部材費や国際物流運賃への対応に関しては、継続的に原価改善、固定費削減施策を推進するとともに、多くのお客様からご理解をいただいたことにより、価格転嫁が進捗したことから収益改善が進みました。また、コロナ禍で増加した棚卸資産の適正化に引き続き取り組んでいます。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は88,612百万円(前年同期比35.1%増)、営業利益は723百万円(前年同期は営業損失3,146百万円)、経常利益は1,219百万円(前年同期は経常損失2,762百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は241百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失3,298百万円)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
[スピーカ事業]
自動車関連市場を取り巻く環境が厳しい中、出荷数量の増加や円安効果から、売上高は72,037百万円(前年同期比47.0%増)となりました。損益面では、韓国の連結子会社(12月決算)が2022年初の空輸費用の発生で第1四半期に7億円余りの赤字を計上しましたが、全体としては原価改善、固定費削減及び価格転嫁の進捗により、営業利益は633百万円(前年同期は営業損失2,638百万円)と黒字転換しました。
[モバイルオーディオ事業]
民生用アクチュエータや車載用ヘッドホンは、半導体チップ不足により悲観的な予想もありましたが、計画通りの出荷となりました。一方、スマートフォン同梱用ヘッドセットの販売は引き続き減少しており、売上高は10,907百万円(前年同期比2.4%減)となりました。損益面では、付加価値の高い製品への注力に加え、研究開発型ビジネスの導入・推進に伴い営業利益は608百万円(前年同期は営業損失670百万円)と今年度に入り黒字基調で推移しています。
[その他事業]
小型音響部品事業や「フォステクス」ブランドの製品を含むその他事業は、2021年9月設立の中国子会社(广州富星電声科技股份有限公司)の当社グループへの部品売上高が増加(連結上は消去されます。)したことから、売上高は7,653百万円(前年同期比28.8%増)と増加しました。一方、利益面では、「フォステクス」ブランド製品の売上の停滞や棚卸資産の評価減、また急激な円安により国内販売向け製品原価が悪化したことから518百万円(前年同期は営業利益163百万円)の営業損失となりました。
(2)財政状態の分析
総資産は、主に売上債権の増加により前連結会計年度末に比べ12,083百万円増加して98,232百万円となりました。負債は、主に短期借入金の増加により前連結会計年度末に比べ8,941百万円増加して43,457百万円となりました。純資産は、主に為替換算調整勘定の増加により前連結会計年度末に比べ3,142百万円増加して54,774百万円となりました。また自己資本比率は、前連結会計年度末比4.3ポイント減の50.4%になりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期末における現金及び現金同等物の残高は、以下に記載のキャッシュ・フローにより13,525百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,435百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の減少は、売上債権の増加等により4,055百万円(前年同期比57.3%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、設備投資等により1,261百万円(前年同期比46.8%減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は、短期借入金の増加により6,262百万円(前年同期比5.9%増)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は2,066百万円です。
