【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、先進国を中心に新型コロナウイルスの感染状況がやや沈静化し、行動制限や海外渡航制限の緩和により経済活動が再開しました。一方、中国のゼロコロナ政策による経済活動への影響、ロシアのウクライナ侵攻がサプライチェーンの混乱を招き、部品供給不足や資源・素材の価格が高騰しました。また、インフレ抑制策として、欧米各国の金利が引き上げられたことによる為替市場や株式市場の動揺など、世界経済の先行き不透明感が強まりました。
このような状況の中、半導体市場においてはデータセンター向けサーバー需要が依然堅調ではあるものの、パソコンやスマートフォン等の民生用電子機器需要が減速し、メモリ半導体価格の下落基調が継続しております。メモリ半導体メーカー各社への在庫調整圧力も強まっており、生産調整、設備投資の見直しなどに繋がっています。一方、先端ロジックや車載向け、産業機器向け半導体市場は、一部では依然として需要に対し供給が追いつかない状況にあり、市場の二極化が進んでいます。
FPD市場においては、テレビ・パソコンともに需要の回復が見られず、液晶パネル需要の減速と価格の下落が続いています。
このような事業環境において、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は、メモリ半導体の生産調整等の影響を受け業績予想を下回ったものの、引き続き堅調な水準を維持できたことで前年同期比増収となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高30,135百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益6,302百万円(前年同期比1.1%減)、経常利益7,107百万円(前年同期比6.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益4,447百万円(前年同期比3.3%減)となりました。
<セグメントの状況>
(各セグメントの売上高は、外部顧客に対するものであります。)
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、一部製品の報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
① プローブカード事業
売上高は、メモリ半導体の生産調整等により、メモリ向けプローブカードが予想を下回ったものの、ノンメモリ向けプローブカードにおいてはほぼ予想通りとなり、全体としては前年同期比で増収となりました。利益面においても、予想は下回りましたが、安定稼働が継続したことで堅調な利益水準となりました。
この結果、売上高は27,486百万円(前年同期比5.8%増)、セグメント利益は7,998百万円(前年同期比5.5%増)となりました。
② TE事業
売上高は、FPD市場の需要減速を受けプローブユニットが予想を下回ったものの、半導体テストソケットはほぼ予想通りの結果となり、全体としては前年同期比で増収となりました。
この結果、売上高は2,649百万円(前年同期比7.0%増)、セグメント利益は84百万円(前年同期比67.4%減)となりました。
(2)財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,556百万円増加し、52,293百万円となりました。受取手形、売掛金及び契約資産(前連結会計年度においては受取手形及び売掛金)が2,822百万円減少しましたが、棚卸資産が3,163百万円、有形固定資産の「その他(純額)」に含まれる土地が1,630百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ19百万円増加し、16,698百万円となりました。未払法人税等が1,105百万円減少しましたが、流動負債の「その他」に含まれる前受金が1,563百万円増加したこと等によるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,536百万円増加し、35,594百万円となりました。主に利益剰余金が1,922百万円増加したこと等によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書「コーポレート・ガバナンスの状況等」中の株式会社の支配に関する基本方針に記載した、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,841百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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