【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。なお、連結子会社である株式会社DAインベントの水熱処理事業を「環境機器関連事業」セグメントとして区分してきましたが、経営管理区分を変更したことを踏まえ、前連結会計年度において「再生可能エネルギー関連事業」セグメントへと区分する方法に変更しております。これに伴い、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
(1) 経営成績の状況① 当社グループの経営成績
前第3四半期連結累計期間
当第3四半期連結累計期間
増減額
増減率
売上高
275億71百万円
290億59百万円
+14億87百万円
+5.4%
営業利益
9億20百万円
5億90百万円
△3億30百万円
△35.9%
経常利益
10億36百万円
8億65百万円
△1億70百万円
△16.5%
親会社株主に帰属する四半期純利益
4億95百万円
4億89百万円
△5百万円
△1.1%
当第3四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く経営環境は、日本国全体として新型コロナウイルス感染症への対策を講じることで社会経済活動が正常化に向かいつつあります。しかし、中国上海の3月から5月までの長期間のロックダウンやウクライナ情勢の緊迫化に伴う各種資材の高騰・納期遅延等が、現在も継続して発生しております。また、スリランカがデフォルトに陥るなど世界情勢の不透明感の高まりによって景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。このような状況のもと、2025年度を最終年度とする中期経営計画「PROTECT×CHANGE」において以下の成長戦略を策定し、推進しております。
セグメント
成長戦略
環境機器関連事業
・海外における事業展開の推進・ストックビジネスであるメンテナンス事業および上水エスコ事業の拡大
住宅機器関連事業
・ECビジネスの開始、新規取り扱い商材の発掘等、安定事業から成長事業への転化
再生可能エネルギー関連事業
・循環型社会の実現と安定収益確保の強化・ポストFITを見据えた高付加価値事業の構築・商材の発掘
全社
・IT戦略を実現するための組織強化・生産性向上ツールとしてITを利活用
当第3四半期連結累計期間における売上高は290億59百万円(前年同四半期比5.4%増)および売上総利益は60億77百万円(前年同四半期比4.4%増)となりました。また、4月に実施したベースアップおよびインド新工場に関連した人員の教育研修のための先行採用による給与手当等の増加、輸送費の高騰による支払運賃の増加、新型コロナウイルス感染症に伴う各種制限の緩和による旅費交通費等の増加、前連結会計年度において子会社を2社取得したことによるのれんの償却額をはじめとした費用の増加による影響が発生しております。さらに、今後の企業成長を見据え、人材育成を軸とした組織の基盤強化に伴う施策や、プライム市場への上場維持基準を満たすための施策を推進するための費用を投資したことにより、販売費及び一般管理費は、54億87百万円(前年同四半期比12.0%増)となりました。その結果、営業利益は5億90百万円(前年同四半期比35.9%減)となり、円安に伴う為替差益の計上により経常利益は8億65百万円(前年同四半期比16.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億89百万円(前年同四半期比1.1%減)となりました。
② セグメントごとの経営成績セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(環境機器関連事業)
前第3四半期連結累計期間
当第3四半期連結累計期間
増減額
増減率
売上高
143億84百万円
150億81百万円
+6億96百万円
+4.8%
セグメント利益(営業利益)
12億11百万円
10億90百万円
△1億21百万円
△10.1%
・浄化槽・排水処理システム浄化槽・排水処理システムの国内売上高につきましては、大型工事案件の進捗状況等の影響によって前年同四半期と比較して減少しております。海外売上高につきましては、依然として新型コロナウイルス感染症拡大等による外部環境の影響はあるものの、イラクにおけるJICA支援プロジェクトへの浄化槽等の納入、インドネシアにおけるごみ処理処分場の排出液処理設備・外部廃液処理設備案件の完成、スリランカにおける中大型槽(インドネシア工場での製造)や小型槽(日本工場での製造)の販売によって売上が増加しております。ストックビジネスであるメンテナンス売上につきましては、成長戦略に基づいたメンテナンス契約の拡大を推進しており、堅調に推移しております。環境機器関連事業のセグメント利益の減少要因につきましては、「浄化槽・排水処理システム」事業において、新型コロナウイルス感染症の日本国内における規制緩和に伴う交通費の増加、輸送費の高騰および各種資材の高騰に伴う利益の圧迫、インドにおける新工場稼働に向けて教育のための工場要員の先行採用などを行ったことによります。なお、材料等の仕入価格の値上げ要請が発生しておりますが、認定品であり価格交渉の難しい小型浄化槽につきましては各ハウスメーカーとの間で販売価格に転嫁出来るように努めております。その他の受注生産品目につきましては、見積もり段階で仕入価格の値上げを考慮することで販売価格への転嫁を進めております。また、10月にスリランカの組立工場、11月にインドの中大型浄化槽の製造工場が完成しており、本格的な稼動に向けて準備を進めております。海外子会社につきましては3ヶ月遅れの決算を連結に取り込んでいますので損益への影響は翌連結会計年度からとなりますが、現地での組立・製造を行うことで輸送費の高騰に左右されない利益確保体制を構築してまいります。
・地下水飲料化事業ストックビジネスであるエスコ契約に係る売上高およびメンテナンス売上は新規契約によって増加しております。また、エスコ契約を行わない地下水飲料化装置の販売につきましても顧客ニーズが高まっていることによって売上が増加しております。この場合も、販売後のメンテナンス契約を締結することでストックビジネスの拡大に貢献しています。※エスコ契約:設備費用・運転費用をすべて当社が調達し、月々のシステム使用料金を水の使用量に応じて契約先にご負担頂く契約であります。なお、エスコ契約ではない機器のみの販売の場合においても、引き渡し後のメンテナンス契約を締結することにより、ストックビジネスの拡大に寄与しております。
(住宅機器関連事業)
前第3四半期連結累計期間
当第3四半期連結累計期間
増減額
増減率
売上高
119億40百万円
119億27百万円
△12百万円
△0.1%
セグメント利益(営業利益)
3億54百万円
2億35百万円
△1億19百万円
△33.6%
・建設関連業者等(ゼネコン・地場建築業者・ハウスメーカー等)向け住宅設備・建築資材等の販売前年において多くの需要が発生しておりました新型コロナウイルス感染症に関連した非接触型商材(自動開閉や自動洗浄等の機能を持つトイレ等)につきましては需要が一巡し、当第3四半期連結累計期間における計上は大きく減少しております。また、3月に発生しました中国上海のロックダウンの影響によって各メーカーの出荷制限が発生し、深刻な商品供給の遅延が当第3四半期連結会計期間におきましても続いております。この状況は当期中は継続すると見込んでおります。また、各メーカーにおける商材の値上げ要請が続いております。建設関連業者向けの販売につきましては仕入価格の値上げを販売価格に全ては転嫁出来ていない状況であり、利益率に影響を及ぼしております。セントラルバイイングによる仕入れ価格交渉等、販売価格および仕入価格の両輪の対策を講じることで対処してまいります。
・ホームセンター向けリテール商材の販売上記と同様に各メーカーの出荷制限によって商品供給が滞ったことが影響し、減少いたしました。
・住機部門工事(外壁・農業温室・店舗建築・冷凍冷蔵空調設備工事等)当第3四半期連結累計期間において、ホームセンター事業を展開しているDCMグループの店舗建築工事が完成し、売上を計上しております。また、農業温室事業について、昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響もあり設備投資に消極的な状況でしたが、回復傾向にあることから増加しております。今後も補助金の活用を合わせて提案することで受注拡大を図ります。また、住機部門工事におきましても各仕入先からの値上げ要請が発生しております。工事であるために値上げ要請が本格化する前から契約しているものもあり、契約済みの案件など請負金額の増額が難しい場合もございますが、粘り強く交渉を行うことで請負金額に転嫁できるように進めてまいります。
・ECビジネス(住宅設備関連工事のオンライン注文)ホームセンター事業を展開しているDCMとの協業によるECビジネスに加え、当社独自運営による全国の住宅設備リフォームのECビジネス構築を進め、2022年1月よりウェブサイトの開設やインスタグラム・YoutubeでのPR活動の強化を実施しております。また、ウェブサイトで全国の一般消費者への販売をおこなうとともに、企業と提携することで当該企業の従業員様向け福利厚生の一環として活用いただくための企画提案も進めております。
(再生可能エネルギー関連事業)
前第3四半期連結累計期間
当第3四半期連結累計期間
増減額
増減率
売上高
7億37百万円
15億64百万円
+8億27百万円
+112.1%
セグメント利益(営業利益)
1億55百万円
1億91百万円
+35百万円
+22.7%
・太陽光発電事業昨年10月に買収した株式会社サンエイエコホームの影響により太陽光発電に係る売電事業の売上高は大きく増加しております。なお、当該子会社買収前の太陽光発電に係る売電事業における売上はDCMグループの店舗屋根を賃借して発電施設を建設し、固定価格買取制度(FIT)を利用した売電が主でありました。当該子会社は自社保有の施設を使ったFIT事業に加え、太陽光発電施設の提案から施工・保守までも可能であることから自社保有の施設を使った売電のみならず発電施設の販売も行っております。FITを活用した当社グループが従来行っていた売電の利益率と比較すると、施設の販売の利益率は低いことから売上高の増減率とセグメント利益の増減率には差異が生じております。
・小形風力発電事業当第3四半期連結累計期間におきましては、他3社と共同参画しております環境省の「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」における売上を計上しております。なお、FITを利用した小形風力発電に係る売電のための施設について当第3四半期連結累計期間において10サイトの連系が完了いたしました。現在は22サイトが稼働しており、2025年までに総数70サイトの稼働を計画しております。
・バイオディーゼル燃料関連事業「B5軽油」の営業強化に引き続き取り組んでいることから契約件数は増加しており、前年同四半期と比較して売上高は増加しております。※B5軽油:当社グループでは、使用済み天ぷら油を精製したバイオディーゼル燃料である「D・OiL」を製造しております。「B5軽油」は軽油にD・OiLを5%混合したものであり、国の定める軽油の強制規格(法律に基づいて守ることが義務付けられている規格)を満たしており、軽油と同様に安全かつ安心して使用可能です。
・水熱処理事業当該事業では現在、新技術確立に向けた研究開発を行っており、売上につきましては堅調に推移しております。※水熱処理:高温高圧状態の水で有機物を処理することで廃棄物等を有効活用することのできる処理方法であり、燃焼を伴わないことからNOx(窒素酸化物), SOx(硫化酸化物),ダイオキシン等の有害物質を処理時に発生させない処理です。
(その他の事業)
前第3四半期連結累計期間
当第3四半期連結累計期間
増減額
増減率
売上高
5億8百万円
4億85百万円
△22百万円
△4.5%
セグメント利益(営業利益)
1億2百万円
40百万円
△62百万円
△60.7%
家庭用飲料水事業について、ボトルウォーターの契約数の減少はございますが、サブスクモデルである水道直結型のウォーターサーバ―の契約者数は増加しております。水道直結型のウォーターサーバーの契約数増加に対応するために人員を先行投資していることから、当該セグメントのセグメント利益率は低下しております。
(2) 財政状態の状況(資産)
前連結会計年度
当第3四半期連結会計期間
増減額
増減率
流動資産
199億81百万円
168億45百万円
△31億35百万円
△15.7%
固定資産
122億70百万円
127億27百万円
+4億56百万円
+3.7%
資産合計
322億52百万円
295億73百万円
△26億78百万円
△8.3%
流動資産につきましては、会計方針の変更により第1四半期連結会計期間の期首から「収益認識に関する会計基準」等を適用したことにより未成工事支出金が減少しております。固定資産につきましては、太陽光発電設備および風力発電設備等を取得したことに伴い機械装置及び運搬具が増加しております。また、風力発電設備を建設中であることにより建設仮勘定が増加しております。
(負債・純資産)
前連結会計年度
当第3四半期連結会計期間
増減額
増減率
流動負債
168億39百万円
138億20百万円
△30億19百万円
△17.9%
固定負債
65億72百万円
63億63百万円
△2億8百万円
△3.2%
純資産
88億39百万円
93億89百万円
+5億49百万円
+6.2%
負債・純資産合計
322億52百万円
295億73百万円
△26億78百万円
△8.3%
流動負債につきましては、会計方針の変更により第1四半期連結会計期間の期首から「収益認識に関する会計基準」等を適用したことにより未成工事受入金が減少しております。固定負債につきましては、グリーンボンドの償還により社債が減少しております。純資産につきましては、行使価額修正条項付新株予約権の行使により資本金、資本準備金が増加しております。
(3) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は44百万円であります。
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