【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 業績の状況当第2四半期累計期間における菓子・食品業界は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行により人流が回復し、個人消費に持ち直しの動きが見られました。一方で、原材料・エネルギー価格などが高騰する中、多くの企業が商品の値上げを余儀なくされ、物価上昇に伴う消費マインドの冷え込みが懸念されるなど、先行き不透明な状況が続きました。当社におきましては、2年目を迎えた『2022年-2024年中期経営計画』のもと、3つの年度指針「総花思考の打開」「部分最適の打開」「前例踏襲の打開」を新たに定め、課題解決に取り組みました。具体的には、原材料・エネルギー価格など、想定を上回るコストアップに対処するため、商品アイテムの絞り込みや規格の見直しによる効率化を図り、必要に応じた価格改定を行いました。また、おいしさの土台となる生産ラインでは、機械化・省人化を推進すべく、環境整備に努めました。そして売上拡大に向けた中心的な施策として、中華まんの春夏向けのキャンペーンや販促活動を積極的に行い「夏の中華まん」として認知度を上げるべく、その拡販に全社で取り組みました。さらに、目標達成に向けた迅速な判断が可能となるよう、目標管理マネジメントの徹底と、社内システムの整備などを進めました。以上のような営業活動の結果、当第2四半期累計期間の売上高は、12,714,734千円
前年同期に対し553,587千円、4.6%の増収となりました。利益面では、売上増収から、営業損失は2,255,708千円
前年同期に対し87,617千円の改善、経常損失は2,180,303千円
前年同期に対し56,908千円の改善、四半期純損失は、環境対策費89,770千円を計上したことで、1,584,115千円
前年同期に対し39,345千円の減益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
①
菓子事業贈答菓子類では、手軽に利用できるギフトの強化のため、主力商品「うすあわせ」「月の菓」「なめらかクリームチーズケーキ」「とろける濃厚ガトーショコラ」の品質・パッケージの改良を行いました。また、米菓「おこのみあられ 花ごよみ」を新発売し品揃えを充実させました。夏のデザート類では主力商品の品質・パッケージ改良を行うとともに、新商品「ひとくちゼリー」を発売してギフト需要の変化にも対応しました。その他、日常使いの菓子類では「ご褒美喫茶」シリーズの品揃えを充実させ、加えて「どら焼」の拡販に努めました。また、独自のパイ製造技術を生かした新商品「幸せのサクサクパイ」を発売し、トースターで温めて焼きたての美味しさを味わうという楽しみ方を提案しました。中華まんじゅう類では、量販店販路を中心に、電子レンジでそのまま温められる個包装タイプの「肉まん」「あんまん」を、その簡便性を生かして朝食用途への訴求を行い、通年販売に向けた取組みを強化しました。コンビニエンスストア販路では基本商品である「肉まん」「ピザまん」「ごまあんまん」「大入り豚まん」の改良発売を行いました。新宿中村屋ビル地下1階「スイーツ&デリカBonna(ボンナ)」では人流が回復する中、ギフト向けの菓子やカレー(レトルト・缶詰)などの販売を強化し増収となりました。また、新たな取組みとして、ふるさと納税の返礼品協力事業者として参入し、売上に寄与しました。店舗展開では、東京駅や高速道路サービスエリアなどにおいて、「キャラメルマンデー」「新宿カリーあられ」の催事出店や納品販売など展開し、お土産需要に応え、売上を拡大することができました。以上のような営業活動を行った結果、菓子事業全体の売上高は7,793,492千円、前年同期に対し255,758千円、3.4%の増収となったものの、営業損失は1,430,010千円、前年同期に対し29,048千円の減益となりました。
②
食品事業市販食品では、「より簡便でよりおいしく」という消費者ニーズに合わせた商品開発を積極的に行いました。レトルト食品の「インドカリー」シリーズでは、昨年度、電子レンジ調理可能にリニューアルし好評をいただいたことを受け、同シリーズの「ベジタブル」「濃厚ビーフ」、さらに洋食シリーズの「ビーフハヤシ」「クリームシチュー」も電子レンジ調理タイプにリニューアルし品揃えを充実させるとともに、スパイスの見直しなどの品質改良を加え拡販を図りました。また、本格四川シリーズの「麻婆豆腐」を改良し、香りとコクを引き立たせることでおいしさを訴求し拡販に努めました。業務用食品では、中食販路においてコンビニエンスストア向けカレーの拡販を図りました。外食販路においては、カフェチェーンに対して、当社の調理技術の高さを生かしたメニュー開発や、きめ細かい提案をしました。また、当社製造のレトルトカレーがテレビ番組で取り上げられた際には需要拡大に積極的に対応するなど、各種の取組みを通じ商品の採用を増やし拡販を推進しました。新宿中村屋ビル直営店舗「カジュアルダイニングGranna(グランナ)」「レストラン&カフェManna(マンナ)」では、お客様が多くご来店され、「純印度式カリー」を中心に好評をいただきました。直営レストラン「オリーブハウス」では、季節メニューを販売し売上を大きく伸ばしました。また、オリーブハウス浦和店を6月に店舗リニューアルしました。以上のような営業活動を行った結果、食品事業全体の売上高は4,577,966千円、前年同期に対し197,452千円、4.5%の増収、営業利益は248,279千円、前年同期に対し116,937千円の増益となりました。
③
不動産賃貸事業不動産賃貸事業では、商業ビル「新宿中村屋ビル」において快適で賑わいのある商業空間の提供に努め、満室稼働を維持しました。また、保有土地の有効活用として、昨年武蔵工場敷地(埼玉県入間市)の一部遊休部分について、事業用定期借地権設定契約を締結したほか、本年8月には旧東京事業所(渋谷区笹塚)の再開発に伴う一般定期借地権設定契約を締結し、地代収入がありました。以上のような営業活動を行った結果、売上高は343,276千円、前年同期に対し100,377千円、41.3%の増収、営業利益は147,584千円、前年同期に対し88,595千円の増益となりました。
(2) 財政状態の概況当第2四半期会計期間末における総資産は、建物の減少175,083千円、機械及び装置の減少167,861千円等がありましたが、原材料及び貯蔵品の増加1,415,526千円、投資有価証券の増加1,130,080千円、売掛金の増加603,720千円等により、前事業年度末に比べ3,343,714千円増加し、45,824,078千円となりました。負債は、退職給付引当金の減少387,973千円等がありましたが、長期前受収益の増加3,123,613千円、短期借入金の増加1,000,000千円、未払金の増加523,538千円等により、前事業年度末に比べ4,451,158千円増加し、21,189,478千円となりました。純資産は、四半期純損失1,584,115千円等による利益剰余金の減少等により、前事業年度末に比べ1,107,443千円減少し、24,634,600千円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ、285,198千円増加し、1,503,024千円となりました。区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、46,224千円の収入(前年同期は2,395,359千円の支出)となりました。これは主に、税引前四半期純損失△2,276,417千円、棚卸資産の増加額△1,969,075千円等があったものの、長期前受収益の増加額3,123,613千円、減価償却費800,775千円、前受収益の増加額553,407千円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、407,228千円の支出(前年同期は274,276千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出△418,909千円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、646,171千円の収入(前年同期は2,542,573千円の収入)となりました。これは主に、配当金の支払額△297,938千円等があったものの、短期借入金の純増加額1,000,000千円等があったことによるものです。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期累計期間において新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期累計期間の研究開発費の総額は312,374千円であります。なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。