【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、ウクライナ情勢の長期化等の地政学的リスクに加えて、世界的な金融引き締め等により不安定な状況であったものの、全体としては緩やかな持ち直しの動きがみられました。わが国経済においても、経済活動の正常化が進む中、コロナ禍からの本格的な回復には至らないものの、景気は緩やかな持ち直しの動きが見られました。しかしながら、当社グループを取り巻く事業環境は、中国の経済活動の停滞や半導体等の部品供給不足による自動車メーカーの減産影響に加えて、石炭、電力、副資材、物流等のコストが高値で推移したことなどにより依然として先行きが不透明な状況が続きました。
このような経営環境下、当社グループは、2022年度から2025年度を実行期間とする新中期経営計画「TOPY Active & Challenge 2025」をスタートしました。グループ基本戦略として「セグメント経営の推進」「海外収益力の強化」「国内事業基盤の強化」及び「脱炭素化への貢献」の4項目を掲げ、前中期経営計画で築いた事業基盤を生かした収益力の強化策を着実に進めております。また、2050年カーボンニュートラルを見据えたサステナビリティ長期ビジョン「TOPY Sustainable Green Vision 2050」を策定するなど、当社グループの強みを生かした新たな価値の創造と社会課題の解決を図るサステナビリティ経営の推進に取り組んでいます。
当第3四半期連結累計期間における業績につきましては、原材料や電力等のコスト上昇に見合った販売価格の適正化や堅調な鉱山機械用超大型ホイールの需要の捕捉等を進めたことに加え、構造改革等によるコスト改善等により、売上高・利益ともに前年同期から大きく回復し、売上高は248,801百万円(前年同期比26.3%増)、営業利益は5,355百万円(前年同期 営業損失849百万円)、経常利益は6,255百万円(前年同期 経常損失672百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、4,666百万円(前年同期 親会社株主に帰属する四半期純損失1,490百万円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、従来「サイエンス」としていた報告セグメントの名称を「事業開発」に変更しています。
この変更はセグメント名称の変更であり、セグメントの業績に与える影響はありません。
(鉄鋼セグメント)
鉄鋼業界は、建設向け及び製造業向け鋼材需要が底堅く推移しました。主原料である鉄スクラップの価格は引き続き高い水準で推移したほか、電力や副資材価格も高値で推移しました。
このような環境下、当社グループは、鉄スクラップ、電力、副資材等のコストに見合った鋼材販売価格の適正化を進め、利益を重視した受注活動を進めた結果、売上高は78,555百万円(前年同期比18.8%増)、営業利益は6,026百万円(前年同期 営業損失323百万円)となりました。
(自動車・産業機械部品セグメント)
自動車業界においては、半導体等の部品不足に加え、中国の経済活動の停滞による影響等により自動車生産の回復が想定よりも遅れ、国内生産台数は前年同期比で緩やかな回復に留まりました。建設機械業界においては、米国や東南アジアでの需要が堅調に推移したものの、足元では部品不足による建設機械の生産への影響が顕在化し始めました。鉱山機械需要については、旺盛な資源需要を背景に引き続き好調に推移しました。
このような環境下、当社グループは、建設機械用足回り部品や鉱山機械用超大型ホイールの需要を着実に捕捉したことに加え、原材料や電力等のコストの上昇に見合った販売価格の適正化を進めたこと等により、売上高は150,723百万円(前年同期比25.6%増)となりました。しかしながら、当社製乗用車用ホイールが採用されている車種の減産や海上輸送、電力等のコスト上昇が大きく影響し、営業利益は3,098百万円(前年同期比18.8%減)となりました。
(発電セグメント)
発電燃料である石炭価格が高値で推移したことに加え、円安の進行によるコスト上昇により電力販売価格の改善が後追いとなり、想定よりも厳しい事業環境が続きました。このような環境下、電力販売価格の適正化に努めたもののコストの上昇に追い付かず、売上高は14,746百万円(前年同期比132.3%増)、営業損失802百万円(前年同期 営業損失1,463百万円)となりました。
(事業開発セグメント)
化粧品等に使われる合成マイカの製造・販売等を行っております。合成マイカにおいては、国内外における化粧品の需要の回復を確実に捕捉したこと等により、売上高は748百万円(前年同期比7.1%増)、営業利益は97百万円(前年同期 営業損失163百万円)となりました。
(賃貸セグメント)
賃貸事業においては、営業利益は534百万円(前年同期比1.5%増)となりました。
(その他)
土木・建築事業及びスポーツクラブ「OSSO」の運営等を行っております。売上高は4,027百万円(前年同期比7.3%増)、営業利益は367百万円(前年同期比21.0%増)となりました。
(2)財政状態
① 資産
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、301,782百万円となり、前連結会計年度末比19,586百万円の増加となりました。
これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産の増加15,161百万円、原材料及び貯蔵品の増加2,614百万円、現金及び預金の増加2,058百万円によるものです。
② 負債
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、179,148百万円となり、前連結会計年度末比10,655百万円の増加となりました。
これは主に、電子記録債務の増加9,543百万円、長期借入金の増加5,803百万円、短期借入金の減少4,107百万円によるものです。
③ 純資産
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、122,634百万円となり、前連結会計年度末比8,931百万円の増加となりました。
これは主に、為替換算調整勘定の増加6,358百万円、利益剰余金の増加3,748百万円によるものです。
(3)経営方針及び対処すべき課題等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針及び対処すべき課題等について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、834百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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