【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年9月30日)におけるわが国経済は、製造業、非製造業とも改善傾向にあります。特にインバウンド需要の回復もあり、小売業、卸売業の回復が顕著になっています。しかしながら、製造業においては、海外需要の低迷や、燃料価格の高騰をはじめとする物価上昇や円安の長期化等の懸念により、先行きについては引き続き予断を許さない状況が続いております。一方、世界経済に目を移すと、欧米におけるインフレの長期化や金融環境の引き締まりにより、景気は緩やかに減速傾向となり、また当社の主要マーケットの一つである中国においては、不動産販売の不振、個人消費の減少、輸出低迷の長期化により、景気の減速感が強まっています。このような経営環境のなか、当社グループにおいては、梱包・包装用および産業用テープの販売が好調に推移したものの、中国市況の低迷や電子部品市場の在庫調整の長期化により、電機・電子用テープの販売が大きく落ち込んだことから、売上高は前年同期比で減少となりました。一方、営業利益については、期初より取り組んでいた長期不動在庫の削減や原材料価格値上げ分の一部転嫁により、原価が改善したことおよび全社を挙げた聖域なきコスト削減による工場経費・販管費が減少したことで、営業利益の赤字幅は前年同期比で縮小しました。しかしながら、市況の低迷や特定製品の一部に不良が発生し、電機・電子用テープの販売が落ち込んだことにより、黒字転換までには至りませんでした。
その結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は91億70百万円(前年同期比3.5%減)となりました。営業損失は5億81百万円(前年同期は8億5百万円の営業損失)、主に円安に伴う外貨建債権の評価による為替差益を3億56百万円を計上したものの経常損失は2億1百万円(前年同期は4億87百万円の経常損失)、投資有価証券売却益3億69百万円および固定資産売却益1億35百万円を計上したことにより親会社株主に帰属する四半期純利益は3億25百万円(前年同期は3億46百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
当社グループは、粘着テープの製造・販売を行っておりますが、製品部門別の売上高状況は以下の通りです。
(梱包・包装用) 新製品による新規商圏の獲得および値上げの浸透により、当製品部門の売上高は15億6百万円(前年同期比22.1%増)となりました。
(電機・電子用) 電子部品市場の在庫調整が長期化していることを主要因として、電機・電子用テープの販売が低調に推移し、当製品部門の売上高は40億67百万円(前年同期比15.6%減)となりました。
(産業用) 車載の結束用テープおよび鉄骨養生用テープの拡販が寄与し、当製品部門の売上高は35億97百万円(前年同期比4.2%増)となりました。
(ご参考)販売実績
(単位:百万円)
粘着テープ事業製品部門別
前第2四半期連結累計期間2022年4月1日から2022年9月30日まで
当第2四半期連結累計期間2023年4月1日から2023年9月30日まで
前年同期比
金額
構成比
金額
構成比
増減金額
増減率
梱包・包装用
1,233(69)
13.0
%
1,506(204)
16.4
%
272
22.1%
電機・電子用
4,816(2,610)
50.7
%
4,067(1,986)
44.4
%
△749
△15.6%
産業用
3,453(100)
36.3
%
3,597(456)
39.2
%
143
4.2%
合計
9,503(2,780)
100.0
%
9,170(2,647)
100.0
%
△332
△3.5%
(注) (
)内の数字は海外売上高
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ0.4%減少し325億2百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比べ1.9%減少し158億71百万円となりました。これは、主として棚卸資産の減少によるものです。固定資産は、前連結会計年度末と比べ1.0%増加し166億31百万円となりました。これは、主として設備投資による建設仮勘定の増加によるものです。当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ11.9%減少し61億1百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末と比べ16.1%減少し42億46百万円となりました。これは、主として電子記録債務の減少によるものです。固定負債は、前期末と比べ0.3%減少し18億55百万円となりました。これは、主として長期借入金の減少によるものです。当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ2.7%増加し264億円となりました。これは、主として利益剰余金および為替換算調整勘定の増加によるものです。以上の結果、自己資本比率は81.2%(前連結会計年度末78.8%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ5億50百万円増加し51億90百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金の増加は、2億19百万円(前年同期は8億65百万円の増加)となりました。これは、主に棚卸資産の減少によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の増加は、1億87百万円(前年同期は6億70百万円の減少)となりました。これは、主に投資有価証券の売却によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金の減少は、96百万円(前年同期は60百万円の減少)となりました。これは、主に配当金の支払いによるものです。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は5億6百万円であります。