【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、前第3四半期連結累計期間及び前連結会計年度末の数値については、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定による遡及修正後の金額を記載しております。
① 経営成績の状況
当社は、「データとICTの力で、持続可能なヘルスケアシステムを実現する」ことを目指して、日本のヘルスケア業界の多様なデータを結集し、社会に還元することを通じて、生活者の健康増進や医療プロバイダーの価値向上・業務最適化を支援しております。
ヘルスビッグデータセグメントは、健康保険組合を中心とした保険者の保健事業を推進するため、保険者が保有するデータの分析サービスの他、当社開発のPHRサービスを提供しております。また、医療機関に対しても医療データ分析サービス、診療報酬ファクタリングサービスの他、薬剤DBの提供等を行っております。さらに、こうした業務の付帯として受領した匿名加工情報をデータベース化し、学術・産業利用を進めております。
遠隔医療セグメントは、放射線診断専門医が不足している医療機関と契約読影医を遠隔読影システムでつなぐマッチングサービスの他、医療機関と放射線診断専門医をクラウドでつなぎ、遠隔での画像診断を可能としたASPサービスを提供しております。
調剤薬局支援セグメントは、保険薬局に対してレセコン及び電子薬歴システムなどのシステム開発・販売事業を行う他、自らも調剤薬局を運営する中で、自社システムのオペレーションテストを実施しております。
当第3四半期連結累計期間の業績は、以下のとおりであります。
(当期の業績) (単位:百万円)
区 分
第9期
第3四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年12月31日)
第10期
第3四半期連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年12月31日)
比較増減
売上収益
15,679
19,542
+3,863
+24.6%
営業利益
3,405
4,028
+623
+18.3%
EBITDA(マージン)
4,580
(29.2%)
5,332
(27.3%)
+751
+16.4%
(セグメントの業績) (単位:百万円)
区 分
第9期
第3四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年12月31日)
第10期
第3四半期連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年12月31日)
比較増減
ヘルスビッグデータ
セグメント売上収益
9,883
13,144
+3,260
+33.0%
セグメント利益(率)
3,412
(34.5%)
4,022
(30.6%)
+609
+17.9%
遠隔医療
セグメント売上収益
3,370
3,799
+428
+12.7%
セグメント利益(率)
1,200
(35.6%)
1,416
(37.3%)
+216
+18.0%
調剤薬局支援
セグメント売上収益
2,567
2,788
+220
+8.6%
セグメント利益(率)
209
( 8.2%)
310
(11.1%)
+101
+48.2%
調整額
セグメント売上収益
△143
△189
△46
-
セグメント利益
△242
△417
△174
-
合計
売上収益
15,679
19,542
+3,863
+24.6%
EBITDA(マージン)
4,580
(29.2%)
5,332
(27.3%)
+751
+16.4%
(注)当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、EBITDAがあります。当社グループは、EBITDAを用いて各セグメントの業績を測定しており、当社グループの業績評価をより効果的に行うために有用かつ必要な指標であると考えております。EBITDA及びEBITDAマージンの計算式は以下のとおりです。
・EBITDA :営業利益+減価償却費及び償却費±その他の収益・費用
・EBITDAマージン:EBITDA/売上収益×100
[ヘルスビッグデータ]
当社グループは健康保険組合より寄せられたレセプト(入院、外来、調剤)、健診データ及び加入者台帳を匿名加工することで、民間利用可能な国内最大規模のヘルスビッグデータを有しております。当第3四半期連結累計期間においても取引先健康保険組合数、利活用先である製薬企業及び保険会社の1顧客あたりの年間取引額はそれぞれ前年同期比ベースで継続して増加しており、事業は拡大を続けております。
また、当社開発の健康情報プラットフォーム「PepUp」(ペップアップ)により、上記のヘルスビッグデータに基づいて、一人ひとりのユーザーに合わせた個別アドバイスや疾病リスク表示を行っております。PepUpの発行ID数は当第3四半期連結累計期間においても拡大を続けております。
上記の事業拡大に加え、2022年7月にリアルワールドデータ株式会社を子会社化すること等により、医療機関由来のデータを大きく拡充するとともに、臨床試験等の新たな領域へのサービス提供への取り組みを開始しております。
また、株式会社LayerXとの間で、データプライバシー保護に関する共同研究を開始いたしました。これにより、当社が第三者提供を行う医療・健康分野に関するデータの匿名性を数学的にも説明可能なものとするとともに、匿名性担保のプロセスの効率性とデータの有用性をそれぞれ向上させることを目指しております。
当第3四半期連結累計期間においても、新型コロナウィルス感染症拡大による対面営業の抑制等のマイナス要因は続いておりますが、その中で事業は拡大を続けております。
この結果、当第3四半期連結累計期間のセグメント売上収益は、13,144百万円となり、セグメント利益(セグメントEBITDA)は4,022百万円となりました。
[遠隔医療]
当社グループは国内最大の放射線診断専門医プラットフォームを有しております。当第3四半期連結累計期間においても、新型コロナウィルス感染症拡大による来院自粛に伴う医療機関あたりの画像診断依頼の減少の影響が続いておりますが、前年同期比では回復の動きがみられており、また、遠隔読影サービスを活用する医療機関数が拡大した結果、売上収益は前年同期比ベースで増収となりました。
なお、画像診断をアシストする人工知能エンジンプラットフォーム「AI―RAD」の機能追加や中国での事業展開を本格化するための準備等、事業拡大のための施策は引き続き進めております。
この結果、当第3四半期連結累計期間のセグメント売上収益は、3,799百万円となり、セグメント利益(セグメントEBITDA)は1,416百万円となりました。
[調剤薬局支援]
当第3四半期連結累計期間においては、既存顧客の買換え(リプレース)需要を確保しつつ、新規顧客の開拓に努めてまいりました。新型コロナウィルス感染症拡大による医療機関への来院控えに伴う調剤薬局への利用頻度の低下に起因する、自社で営む調剤薬局の売上減少及び顧客調剤薬局の投資抑制の影響は引き続き受けておりますが、前第1四半期の期中に同業者が当社グループに加入した影響もあり、前年同期比ベースでは増収となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間のセグメント売上収益は、2,788百万円となり、セグメント利益(セグメントEBITDA)は310百万円となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上収益は19,542百万円、営業利益は4,028百万円、EBITDAは5,332百万円の増収増益となりました。なお、EBITDAから営業利益への調整は以下のとおりであります。
(EBITDAから営業利益への調整表)
(単位:百万円)
第9期
第3四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年12月31日)
第10期
第3四半期連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年12月31日)
EBITDA
4,580
5,332
減価償却費及び償却費
△1,191
△1,487
その他の収益
47
203
その他の費用
△31
△18
営業利益
3,405
4,028
② 財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産は、前連結会計年度末と比べ33,085百万円増加し95,138百万円となりました。これは主に、リアルワールドデータ株式会社の株式の取得(子会社化)等に伴い、のれんが19,832百万円増加したことに加え、海外募集による新株式発行及びオムロン株式会社に対する第三者割当による新株式発行を行った結果、現金及び現金同等物が8,561百万円増加したことによります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末と比べ1,393百万円増加し32,281百万円となりました。2022年7月に既支払分を含む複数の株式取得資金を使途とした資金の借入19,330百万円を実行しましたが、同年11月に全額を期限前返済しております。
(資本)
当第3四半期連結会計期間末における資本は、前連結会計年度末と比べ31,691百万円増加し62,857百万円となりました。これは主に、海外募集による新株式発行及びオムロン株式会社に対する第三者割当による新株式発行を行ったこと等により資本金及び資本剰余金が14,888百万円及び14,714百万円それぞれ増加したことに加え、四半期利益2,655百万円の計上と、配当金の支払565百万円を計上したこと等により利益剰余金が2,092百万円増加したことによります。
③ キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8,562百万円増加し、21,754百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における税引前四半期利益は4,007百万円となり、前年同期比ベースで611百万円増加しております。その他、減価償却費及び償却費1,487百万円、営業債権及びその他の債権の増減額△588百万円、法人所得税の支払額△1,818百万円等を計上した結果、営業活動から得られた資金は、2,490百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、21,803百万円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出19,213百万円、有形固定資産の取得による支出1,192百万円を計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、27,874百万円となりました。これは主に、海外募集による新株式発行及びオムロン株式会社に対する第三者割当による新株式発行により、株式の発行による収入29,212百万円を計上した一方で、配当金の支払額564百万円を計上したことによるものであります。なお、2022年7月に既支払分を含む複数の株式取得資金を使途とした資金の借入19,330百万円を実行しましたが、同年11月に全額を期限前返済しております。本取引については短期借入れによる収入及び短期借入金の返済による支出にそれぞれ含まれております。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定には、新型コロナウィルス感染症の影響を考慮しております。前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は52百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)従業員数
急速に拡大する事業機会を取り込むため、積極的な人員増強、体制強化を行っております。当第3四半期連結会計期間末における従業員数は、前連結会計年度末に比べ404名増加し、1,370名となりました。セグメント別の従業員数は次のとおりであります。
(単位:名)
セグメントの名称
第9期
連結会計年度
(2022年3月31日)
第10期
第3四半期連結会計期間
(2022年12月31日)
増減
ヘルスビッグデータ
661
1,052
+391
遠隔医療
103
115
+12
調剤薬局支援
199
201
+2
全社(共通)
3
2
△1
合計
966
1,370
+404
(注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であります。
2.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない従業員数であります。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの資本の財源及び資金調達の方針について重要な変更はありません。なお、ヘルスビッグデータ分野における豊富な事業機会を捉えるための、継続的かつ機動的な新規事業開発とM&A実施に向けた財務余力の確保を目的として、2022年9月20日を払込期日とする海外募集による新株式発行及びオムロン株式会社に対する第三者割当による新株式発行を行った結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は21,754百万円となり、流動負債の借入金は875百万円、非流動負債の借入金は11,297百万円となっております。
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