【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況にあり、一時的に個人消費や鉱工業生産には持ち直しの動きがみられましたが、回復の動きは弱く不透明な状況にあります。
原油CIF価格は、年度当初の1バレル60ドル台後半から、経済活動の正常化の加速を背景に上昇基調で推移しました。2月以降、ウクライナ情勢の緊迫化に伴うロシアからの原油・天然ガスの供給不安等により騰勢を強め、年度末では90ドル台前半となっております。
為替相場は、年度当初は1米ドル100円台後半でしたが、年度後半にかけて円安傾向が強まり、年度末時点では110円台半ばとなっております。この結果、当社グループの原油販売価格は、前連結会計年度に比べ、年度平均では上昇しました。
一方、国内の天然ガス販売については、石油製品等の競合燃料との価格競争に加え、電力・ガス小売全面自由化のもとエネルギー業界全体で競争が継続し、市場環境は当社グループにとって引き続き厳しい状況にありました。
このような状況のもとで、当社グループは、2018年5月に公表した「長期ビジョン2030・中期事業計画2018-2022」に基づき、事業を推進してまいりました。一方で、世界的な脱炭素化の更なる加速等、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しており、これらの変化に迅速かつ柔軟に対応する必要が生じております。そのため、当連結会計年度においては、世界的な2050年のCО2実質排出量ゼロ達成のために、当社が果たすべき責務と取り組む課題を整理し、今後の当社の対応方針及び事業展開の方向性を示した「JAPEX2050」を2021年5月に、また、収益力の強化と2030年以降を見据えた事業基盤の構築を基本方針とする「JAPEX経営計画2022-2030」を2022年3月に、それぞれ策定・公表しました。これらに基づき、今後も鋭意事業を推進してまいります。
当連結会計年度の売上高は249,140百万円と前連結会計年度に比べ9,062百万円の増収(+3.8%)となり、売上総利益は、49,903百万円と前連結会計年度に比べ13,368百万円の増益(+36.6%)となりました。前連結会計年度に比べ増収増益となった主な要因は、原油買入販売の大半が収益認識に関する会計基準の適用に伴う純額表示により減収となったものの、原油価格の上昇により、国内原油及び希釈ビチューメンの販売収支が改善したことなどによるものです。
探鉱費は、359百万円と前連結会計年度に比べ629百万円減少(△63.6%)し、販売費及び一般管理費は29,734百万円と前連結会計年度に比べ1,618百万円減少(△5.2%)した結果、営業利益は19,809百万円と前連結会計年度に比べ15,616百万円の増益(+372.5%)となりました。
経常利益は、主に為替差損が為替差益に転じたことや、持分法による投資利益が増加したことなどにより、43,674百万円と前連結会計年度に比べ33,672百万円の増益(+336.7%)となりました。
税金等調整前当期純損失は、政策保有株式の一部売却による投資有価証券売却益を計上したものの、カナダ・オイルサンドプロジェクトを推進する連結子会社であるJapan Canada Oil Sands Limited(以下、「JACOS」)の全株式を譲渡したことによる子会社株式売却損や、JAPEX Montney Ltd.(以下、「JML」)が保有するカナダ国ブリティッシュ・コロンビア州ノースモントニー地域のシェールガス鉱区の権益譲渡による権益譲渡損を計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ11,178百万円減益の18,501百万円となり、親会社株主に帰属する当期純損失は、前連結会計年度に比べ28,262百万円減益の30,988百万円となりました。
なお、売上高の内訳は次のとおりであります。
(イ)E&P事業
E&P事業の売上高は、主に原油及び希釈ビチューメンの販売価格が上昇したものの、原油買入販売の大半が純額表示の影響を受けて減少した結果、73,422百万円と前連結会計年度に比べ24,059百万円の減収(△24.7%)となりました。
(ロ)インフラ・ユーティリティ事業
インフラ・ユーティリティ事業の売上高は、天然ガス(国内)の販売数量が減少したものの、天然ガス(国内)、液化天然ガス及び電力の販売価格上昇などにより、119,845百万円と前連結会計年度に比べ18,543百万円の増収(+18.3%)となりました。
(ハ)その他の事業
請負(掘さく工事及び地質調査の受注等)、液化石油ガス(LPG)・重油等の石油製品等の販売及びその他業務受託等の売上高は、55,872百万円と前連結会計年度に比べ14,578百万円の増収(+35.3%)となりました。
主なセグメントごとの業績(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりであります。
日本
日本セグメントの売上高は、主に原油及び天然ガス(LNG含む)、電力、請負及び石油製品等により構成され
ております。当連結会計年度における売上高は、原油、天然ガス及び電力などの販売価格が上昇したものの、収
益認識に関する会計基準の適用により、代理人取引について総額表示から純額表示に変更したことから、192,669百万円と前連結会計年度に比べ20,649百万円の減収(△9.7%)となりました。セグメント利益は、原油
及び天然ガス販売収支の改善などにより、前連結会計年度に比べ2,751百万円増益(+12.5%)の24,739百万円となりました。
北米
北米セグメントの売上高は、主に原油・天然ガス(希釈ビチューメン含む)により構成されております。当連
結会計年度における売上高は、主にJACOSハンギングストーン鉱区における希釈ビチューメンの販売価格が改善
したことなどにより、33,814百万円と前連結会計年度に比べ7,748百万円の増収(+29.7%)となりました。セグメント損益は、前連結会計年度に比べ11,163百万円増益の、1,789百万円のセグメント利益(前連結会計年度は9,374百万円のセグメント損失)となりました。
欧州
欧州セグメントにおいては、英領北海アバディーン沖合に位置する海上鉱区での開発作業を実施しております。当連結会計年度におけるセグメント損失は、151百万円(前連結会計年度は132百万円のセグメント損失)となりました。
中東
中東セグメントの売上高は、原油により構成されております。当連結会計年度における売上高は、主に販売価格が上昇したことなどにより、22,657百万円と前連結会計年度に比べ5,907百万円の増収(+35.3%)となりました。セグメント利益は、2,644百万円と前連結会計年度に比べ2,479百万円の増益となりました。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ152,845百万円減少し、471,941百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ5,885百万円の増加となりました。これは、現金及び預金が減少した一方で、受取手形及び売掛金ならびにその他に含めている未収還付法人税等が増加したことなどによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ158,730百万円の減少となりました。これは、投資その他の資産のその他に含めている生産物回収勘定の増加の一方で、繰延税金資産の取崩しや、JACOS全株式の譲渡に伴い、同社を連結の範囲から除外したことによる有形固定資産の減少などによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ121,123百万円減少し、69,171百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ78,534百万円の減少となりました。これは、主に連結子会社であるJMLの借入金に係る保証債務の履行により、1年内返済予定の長期借入金の減少によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ42,588百万円の減少となりました。これは、JACOSの借入金に係る保証債務の履行により長期借入金が減少したことなどによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ31,721百万円減少し、402,770百万円となりました。
これは、主に利益剰余金が減少したことなどによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ13,449百万円減少し、144,513百万円となりました。主な内訳は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1,052百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失△18,501百万円、有価証券及び投資有価証券売却損益53,579百万円及び債務免除益△42,462百万円の計上などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は52,067百万円となりました。これは主に、生産物回収勘定の支出23,244百万円などの資金を使用しましたが、投資有価証券の売却及び償還による収入53,062百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入29,382百万円による資金を得たことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は70,939百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出59,703百万円などの資金を使用したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
・日本
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
前年同期比(%)
E&P事業
原油(kl)
280,997
△8.8
天然ガス(千㎥)
542,563
△2.9
ビチューメン(kl)
-
-
インフラ・ユーティリティ事業
液化天然ガス(t)
2,136
△36.1
電力(千kWh)
2,655,529
4.4
・北米
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
前年同期比(%)
E&P事業
原油(kl)
37,000
△48.6
天然ガス(千㎥)
132,025
△72.1
ビチューメン(kl)
656,377
△26.2
インフラ・ユーティリティ事業
液化天然ガス(t)
-
-
電力(千kWh)
-
-
・中東
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
前年同期比(%)
E&P事業
原油(kl)
488,391
3.9
天然ガス(千㎥)
-
-
ビチューメン(kl)
-
-
インフラ・ユーティリティ事業
液化天然ガス(t)
-
-
電力(千kWh)
-
-
(注)1.天然ガスの生産量の一部は、液化天然ガスの原料として使用しております。
2.ビチューメンとはオイルサンド層から採取される超重質油です。
b. 受注実績
当社及び連結子会社は受注生産を行っておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
・日本
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
前年同期比(%)
数量
金額
(百万円)
数量
金額
E&P事業
原油(kl)
312,181
16,951
△86.1
△76.0
希釈ビチューメン(kl)
-
-
-
-
天然ガス(海外)(千㎥)
-
-
-
-
小計
16,951
△76.0
インフラ・ユーティリティ事業
天然ガス(国内)(千㎥)
1,061,244
58,024
△10.3
13.1
液化天然ガス(t)
295,536
22,596
4.0
44.9
電力(千kWh)
3,023,294
34,320
0.2
14.1
その他
4,903
13.2
小計
119,845
18.3
その他の事業
請負
6,395
△16.2
石油製品・商品
47,354
48.3
その他
2,122
22.7
小計
55,872
35.3
合計
192,669
△9.7
・北米
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
前年同期比(%)
数量
金額
(百万円)
数量
金額
E&P事業
原油(kl)
39,112
1,448
△46.5
△3.5
希釈ビチューメン(kl)
959,777
31,121
△27.3
43.5
天然ガス(海外)(千㎥)
130,214
1,244
△72.3
△56.7
小計
33,814
29.7
インフラ・ユーティリティ事業
天然ガス(国内)(千㎥)
-
-
-
-
液化天然ガス(t)
-
-
-
-
電力(千kWh)
-
-
-
-
その他
-
-
小計
-
-
その他の事業
請負
-
-
石油製品・商品
-
-
その他
-
-
小計
-
-
合計
33,814
29.7
・中東
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
前年同期比(%)
数量
金額
(百万円)
数量
金額
E&P事業
原油(kl)
318,632
22,657
-
-
希釈ビチューメン(kl)
-
-
-
-
天然ガス(海外)(千㎥)
-
-
-
-
小計
22,657
-
インフラ・ユーティリティ事業
天然ガス(国内)(千㎥)
-
-
-
-
液化天然ガス(t)
-
-
-
-
電力(千kWh)
-
-
-
-
その他
-
-
小計
-
-
その他の事業
請負
-
-
石油製品・商品
-
-
その他
-
-
小計
-
-
合計
22,657
-
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.「原油」には、当社グループが鉱山より産出した原油及び他社から購入した原油が含まれております。
3.希釈ビチューメンとはパイプライン輸送のために超軽質油で希釈したビチューメンです。
4.インフラ・ユーティリティ事業の「天然ガス(国内)」は、国内において導管により供給されるガスであり、国産天然ガスとLNG気化ガスの合計です。国産天然ガスの生産拠点と、気化ガスの製造拠点であるLNG基地とは当社パイプライン網で連結され、これらのガスは当社供給ネットワークで一体となって販売されることから、インフラ・ユーティリティ事業に区分しております。
5.インフラ・ユーティリティ事業の「その他」には天然ガスの受託輸送及び発電燃料用LNGの気化受託等が含まれております。
6.その他の事業の「石油製品・商品」には、液化石油ガス(LPG)、重油、軽油、灯油等が、「その他」にはその他業務受託等が含まれております。
7.当連結会計年度の期首において、収益認識に関する会計基準の適用により、代理人取引について純額表示となったため、日本セグメントの「原油」の販売実績が著しく減少しております。その内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
④ 当社グループの埋蔵量
2022年3月31日現在、提出会社及び連結子会社の保有する確認埋蔵量並びに持分法適用会社が保有する確認埋蔵量の当該会社に対する提出会社出資比率相当量は下表のとおりです。
確認埋蔵量
連結対象会社
持分法適用会社
合計
国内
海外
小計
原油
千kl
ガス
百万㎥
原油
千kl
ビチューメン
千kl
ガス
百万㎥
原油
千kl
ビチューメン
千kl
ガス
百万㎥
原油
千kl
ガス
百万㎥
原油
千kl
ビチューメン
千kl
ガス
百万㎥
2021年3月31日現在
1,647
6,722
13,484
13,237
10,252
15,131
13,237
16,975
4,254
1,451
19,385
13,237
18,426
拡張及び発見等による増加
66
691
–
–
–
66
–
691
–
–
66
–
691
前期評価の修正による増減
184
344
△730
–
△1
△546
–
343
53
△50
△494
–
294
買収・売却による増減
–
–
△551
△12,610
△9,605
△551
△12,610
△9,605
–
–
△551
△12,610
△9,605
生産による減少
△281
△571
△693
△627
△275
△974
△627
△847
△498
△407
△1,472
△627
△1,253
2022年3月31日現在
1,616
7,187
11,510
–
371
13,127
–
7,557
3,808
995
16,934
–
8,552
(注)1.以下の連結子会社保有量には、非支配株主に帰属する数量を含んでおります。(括弧内は非支配株主比率)
国内:日本海洋石油資源開発㈱(29.39%)
海外:カナダオイルサンド㈱(5.42%)、JAPEX Montney Ltd.(45.00%)、㈱ジャペックスガラフ(45.00%)
2.連結子会社及び持分法適用会社のうち、決算日が連結決算日と異なる会社については、各社の事業年度における埋蔵量を計上しております。
3.当社は、JAPEX Montney Ltd.が保有する全鉱区権益を同鉱区のオペレーターであるPetronas Energy Canada Ltd.に譲渡し、また、カナダオイルサンド㈱が保有する連結子会社Japan Canada Oil Sands Limitedの全株式をHE Acquisition Corporationに譲渡し、それぞれ2021年7月5日、9月17日に手続きが完了しました。これらの譲渡にともない減少する数量は、JAPEX Montney Ltd.分が連結対象会社・海外原油△1,422千kl、ガス△9,749百万m3、カナダオイルサンド㈱分が連結対象会社・海外のビチューメン△12,610千klとなり、「買収・売却による増減」に含んでおります。
上表における確認埋蔵量とは、評価時点において既知の油・ガス層から地質的、工学的データに基づき経済的にも操業面からも今後確実に採取可能であろうと予測された油・ガスの地上状態での数量であり、過去の生産量、未発見鉱床に係る資源量は含んでおりません。
埋蔵量の定義については、石油技術者協会(SPE)、世界石油会議(WPC)、米国石油地質技術者協会(AAPG)及び石油評価技術協会(SPEE)の4組織により2007年に策定されたPetroleum Resources Management System(PRMS)が国際的な基準として知られています。
上表の確認埋蔵量は、2018年に改定されたPRMSにおける「確認埋蔵量(Proved Reserves)」の定義に準拠した当社自身による評価に基づく数値であり、PRMSにおいて確認埋蔵量よりも将来の採取可能性の不確実性が高いものとして区分されている「推定埋蔵量(Probable Reserves)」や「予想埋蔵量(Possible Reserves)」に該当する埋蔵量は含んでおりません。また、同定義においては、例えば、資源の賦存が確認されている鉱区であっても商業開発計画が未確定な段階のプロジェクト等については、埋蔵量(Reserves)とは区分して「条件付資源量(Contingent Resources)」に分類することとされており、当社グループにおいても、開発計画が未確定な地域の「条件付資源量」に該当する数量は、上表の数値に含めておりません。
なお、PRMS以外には、米国証券取引委員会(SEC)による確認埋蔵量の定義が米国の投資家を中心に広く知られており、SECによる確認埋蔵量の定義は、PRMSと基本的には類似しています。
当社は、PRMSによる「確認埋蔵量(Proved Reserves)」の定義に準拠して当社自身の判断に基づく値を開示しております。また、海外プロジェクト会社の保有埋蔵量については、各プロジェクト会社の現地政府等との契約による経済的取分に基づく数量を示しております。
また、当社は、当社自身による埋蔵量評価・判断の妥当性を検証するため、上表に示した2022年3月31日現在の国内における当社及び連結対象会社の確認埋蔵量の約77%に相当する部分[1]について、Ryder Scott Company, L.P.へ第三者評価・鑑定を委託しております。また、海外については、Japex (U.S.) Corp.、JAPEX UK E&P Ltd.及びKangean Energy Indonesia Ltd.の埋蔵量について第三者評価を受けており、上表の2022年3月31日現在の確認埋蔵量総計のうち約37%に相当する部分[2]について第三者評価を受けております。当社自身による評価値と第三者評価の値は近似しており、当社は、上表の当社自身の評価による確認埋蔵量の値は妥当であると判断しております。
埋蔵量は、元来、不確実性を内包した将来の生産可能量の見通しであり、当社は、現時点において入手可能な地質的・工学的データ等の科学的根拠に基づき正確な評価の実施に努めておりますが、今後新たに取得されるデータ等に基づく見直しや経済条件の変動及び国際的に認知された埋蔵量定義の変更等によって、上方にも下方にも修正される可能性があります。
[1] 原油・ビチューメン1kl=天然ガス1,033.1m3(1BOE=5.8Mscf)として計算しております。
[2] [1]と同様。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は、下記の図表1「当期純損益の主な増減要因(前期比)」に示すように、前連結会計年度に比べ282億円減益の309億円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。この主たる増減要因を段階利益ごとに以下に分析します。
図表1:当期純損益の主な増減要因(前期比)
(営業利益+156億円)
営業利益の156億円増益の主な内訳は、主に、原油価格の高騰による原油・天然ガス販売価格の上昇の影響を受けた海外と国内のE&P事業がそれぞれ134億円及び117億円の増益となったこと、前連結会計年度における一過性の増収要因が無くなったインフラ・ユーティリティ事業の87億円の減益となったことによるものであります。
a.海外E&P事業
海外E&P事業は、主に北米セグメントに含まれるJACOS及びJML、中東セグメントに含まれる㈱ジャペックスガラフを対象としております。
海外E&P事業の134億円増益の主な要因は、JACOSにおける希釈ビチューメン販売価格の上昇による収支改善であります。
販売数量は2021年9月にJACOSの全株式を譲渡したことにより959千klと前連結会計年度に比べ360千kl減少(△27.3%)となりました。
希釈ビチューメンの販売価格は下記の図表2「原油価格・為替等の前期比較」に示すように、前連結会計年度の25.06米ドル/バレルから当連結会計年度は46.90米ドル/バレルと21.84米ドル/バレル(+87.2%)上昇いたしました。
また、㈱ジャペックスガラフにつきましては24億円の増益となりました。主な要因は、前連結会計年度において新型コロナウイルス感染症の影響により開発生産操業を一時休止していた影響が無くなったことや、当連結会計年度より仮決算を行う方法に変更した結果、当連結会計年度において15ヵ月間の決算を取り込んだことなどによるものであります。
図表2:原油価格・為替等の前期比較
b.国内E&P事業
国内E&P事業は、日本セグメントに含まれる当社及び連結子会社である日本海洋石油資源開発㈱の原油・天然ガスの生産及び販売活動を主な対象としております。国産原油は外部顧客への販売を認識する一方、国産天然ガスはインフラ・ユーティリティ事業に供給する内部管理上の取引を販売として認識しております。
国内E&P事業の117億円増益の主な要因は、主に原油及び天然ガスの販売価格*の上昇によるものであります。上記の図表2「原油価格・為替等の前期比較」に示すように、原油CIF価格は前連結会計年度の42.91米ドル/バレルから当連結会計年度は73.28米ドル/バレルと30.37米ドル/バレル(+70.8%)上昇しており、増益要因となっております。
*国産天然ガスの販売価格は国内E&P事業からインフラ・ユーティリティ事業への内部管理上の取引価格
c.インフラ・ユーティリティ事業
インフラ・ユーティリティ事業は、主に当社のガスパイプライン網を通じて沿線地域の需要家への天然ガスの販売、パイプライン沿線以外の地域における天然ガスの需要に対応するためにタンクローリー及び鉄道タンクコンテナを利用したLNGサテライト供給や電力の販売を対象としております。
インフラ・ユーティリティ事業の87億円減益の主な要因は、前連結会計年度における日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格の高騰による一過性の増収が無くなったことや、LNG 調達先で発生した生産トラブルを受け、代替ソースをスポット市場で調達したことによる調達コストの増加により減益となりました。
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ336億円増益(+336.7%)の436億円となりました。上記の図表1「当期純損益の主な増減要因(前期比)」に示すように、336億円増益の要因は、上述の営業利益の増益に加えて、営業外損益の180億円増益からなります。
(営業外損益+180億円)
為替差損益106億円の増益は、主に、㈱ジャペックスガラフの外貨預金に係る為替差損が為替差益に転じたことや、当社の外貨建金銭債権及び外貨預金に係る為替差益が円安により増加したことなどによるものであります。
持分法による投資損益の84億円の増益は、主にサハリン石油ガス開発㈱において原油価格上昇に伴い売上高が増加したことによるものであります。
その他の営業外損益の10億円減益は、受取配当金の12億円増加や支払利息の13億円減少などの増益要因があったものの、遅延損害金を33億円計上したことによる減益要因が上回ったことなどによるものであります。
当連結会計年度の税金等調整前当期純損益は前連結会計年度に比べ111億円減益の185億円の税金等調整前当期純損失となりました。上記の図表1「当期純損益の主な増減要因(前期比)」に示すように、111億円減益の要因は、上述の経常利益の増加と特別損益の448億円の減益からなります。
特別損益の減益は、政策保有株式の一部を売却したことにより398億円の投資有価証券売却益を計上した一方で、JMLが保有するシェールガス鉱区の権益譲渡による権益譲渡損447億円及びJACOSの全株式を譲渡したことによる子会社株式売却損943億円を計上したことによる減益要因が大幅に上回ったことなどによるものであります。
親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度に比べ282億円減益の309億円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。上記の図表1「当期純損益の主な増減要因(前期比)」に示すように、282億円減益の要因は、上述の税金等調整前当期純損失の増加により減益していること、及び法人税等並びに非支配株主損益を合わせた170億円減益からなります。
当連結会計年度の「法人税、住民税及び事業税」に「法人税等調整額」を加えた法人税等の金額は96億円(前連結会計年度に比べ115億円の減益)となりました。これは、主に、当社の経営計画のもとで想定する中長期の原油価格やキャッシュ・フローの見通しに照らして、将来における繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、繰延税金資産を75億円取り崩して法人税等調整額に計上したことなどにより、法人税等調整額で136億円の増加によるものであります。また、当連結会計年度の非支配株主損益の金額は28億円(前連結会計年度に比べ55億円の減益)となりました。これは、主に当連結会計年度において㈱ジャペックスガラフにおける当期純利益の増加によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(基本方針)
当社グループでは、事業継続及び新規投資等のために必要となる資金について、「有利子負債/EBITDA<2」を目安とした財務規律のもと、財務の健全性を維持しつつ確保することとしております。前連結会計年度と当連結会計年度の同倍率の推移は、下記の図表3「EBITDA有利子負債倍率の推移」に示す通りであります。
当連結会計年度において、JMLが保有するシェールガス鉱区の権益等の譲渡やJACOSの全株式の譲渡にともない、これらに係る長期借入金(1年内返済予定を含む)の残高が前連結会計年度末に比べ1,115億円減少しております。
この結果、「有利子負債/EBITDA<2」は達成されておりますが、引き続き財務規律として維持をしていくこととしております。
図表3:EBITDA有利子負債倍率の推移
(調達手段)
当社グループでは、資金需要に応じて、内部資金及び銀行借入を有効に活用することにより、必要資金を確保しております。
運転資金は、主に内部資金により賄っており、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、資金の効率化及び流動性の確保を図っております。
なお、LNGの購入などに備え、外貨を調達する場合等には、為替変動リスクをヘッジすることを目的として適宜、先物為替予約等を締結しております。
また、機動的な資金調達を目的として、複数の取引銀行と円及び米ドルでの借入が可能な貸出コミットメント契約を締結しております。
(資金使途・配分方法)
a.連結財務状況及び資金配分方針
当社グループでは、下記の図表4「JAPEX経営計画2022-2030資金配分方針」に示した通り2022年度から2030年度までの9年間で、E&P、インフラ・ユーティリティ、カーボンニュートラルからなる各分野への成長投資に4,500億円、株主還元に500億円を配分することとしております。また、株主還元の基本方針に連結配当性向を導入し、30%を目安に各期業績に応じた配当を行います。
なお、資金配分の原資となる5,000億円は、営業キャッシュ・フローにより3,800億円、手元資金及び銀行借入により1,200億円を確保する想定としております。
図表4:JAPEX経営計画2022-2030資金配分方針
b.保有資金の考え方
主にE&P事業に関しては、多額の投資を要する一方、事業に着手してから投資額を回収するまで長いリードタイムを要するのが通例であり、この間、事業環境が変化するリスクに晒されます。このような事業特性に照らし、円滑な事業運営に必要な水準の手元流動性を確保できるように月次にて資金計画を作成する等の方法により、資金管理を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内において、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し継続評価しており、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらとは異なる場合があります。
当連結会計年度において、不確実性の高い会計上の見積りとして、繰延税金資産の回収可能性があります。この項目は、その判断において当社グループが主たる事業活動から将来にわたり稼得する収益や生み出すキャッシュ・フローの見積りに大きく依拠しており、特に原油価格や為替などの市況要因と埋蔵量の見積りの影響を直接的に受けることになります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、上記の重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
