【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における市場環境は、2023年5月からの新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行を受けて、企業におけるオフィス回帰の流れがさらに進展すると同時に、従業員の出社機会の増加に伴い、オフィスのデジタル化などのインフラの再整備も進捗しています。一方で、引き続きテレワークやハイブリッドワークなどの場所を選ばない働き方へのニーズも堅調なことから、シェアオフィスやコワーキングスペース、サテライトオフィス等のいわゆるサードプレイスオフィスの活用も推進されております。さらに、2022年から続く連続侵入強盗事件や住宅における侵入強盗の認知件数が増加に転じる(注)等の影響により、住宅だけでなくオフィスや店舗等における防犯のためのセキュリティ強化の意識がこれまで以上に全国的に高まっております。
このような状況を受け、当第2四半期連結累計期間における当社グループの事業活動全体では、主力サービスである「Akerun入退室管理システム」によるセキュリティや防犯対策の強化に加え、物理鍵のデジタル化やクラウドを通じた入退室管理がもたらす利便性や管理性の向上、そして勤怠管理や会員管理、予約管理等の外部サービスとの連携を含む入退室データやデジタル鍵の利活用を通じて、新規及び追加での導入が引き続き促進されました。特に、「Akerun入退室管理システム」の主要顧客である中小規模企業での導入促進に加え、大規模企業からの引き合いも堅調に推移しております。さらに、従来から防犯意識の高かった都市部だけでなく、地方における防犯ニーズのさらなる高まりを受け、全国規模での導入も促進されております。
当社グループにおける具体的な取り組みとしては、主力事業であるオフィス領域における継続的な需要や大規模企業における提案機会の拡大等に対応するために、組織全体の生産性の強化や地方拠点の活用、サービスや製品の品質の向上、外部連携サービスの拡充等、企業の多様なニーズに対応するためのサービス価値の向上や組織体制の強化に継続的に取り組んでおります。特に、外部企業のクラウド型サービスとのAPI連携による提供価値の拡充に引き続き積極的に取り組んでおり、当第2四半期連結累計期間には、ソフトバンク株式会社が提供するオフィスビルの利用に関わる様々な機能を一つに集約してスマートな働き方を支援するアプリケーション「WorkOffice+」との連携ソリューションの提供に加え、JBアドバンスト・テクノロジー株式会社の提供するクラウド連携プラットフォーム「Qanat Universe API-Connect」との自動連携サービスを共同開発しております。また、新規事業となる住宅領域を担うグループ会社の株式会社MIWA Akerun Technologiesでは、賃貸物件の管理工数の大幅な削減と安全・安心かつスマートな居住体験を実現する「Akerun.Mキーレス賃貸システム」の営業活動も活発化しており、当第2四半期連結累計期間にCIFO株式会社が管理する賃貸物件で順次導入されることを発表しております。
当第2四半期連結累計期間では、2023年度中の連結営業利益の単月での黒字化、及び2024年度の連結営業利益と連結フリーキャッシュフローの通期黒字化の達成に向けて、これら組織体制や収益性の強化、外部連携サービスの拡充、地方拠点の活用による全国規模での販売網/サポート網の強化等を通じて、主要事業である「Akerun入退室管理システム」の売上、契約社数、ARPUの拡大と新規顧客の獲得を実現しました。
この結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間の売上高は1,166,186千円(前年同期比24.2%増)、営業損失は93,054千円(前年同四半期は営業損失371,478千円)、経常損失は92,440千円(前年同四半期は経常損失368,649千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は79,151千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失357,257千円)となりました。
なお、当社グループは、Akerun事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(注)警察庁「住まいる防犯110番」
(2)財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は3,563,551千円となり、前連結会計年度末に比べ91,574千円増加しました。これは主に、現金及び預金が193,729千円減少した一方で、賃貸用資産が101,926千円、賃貸用資産仮勘定が119,777千円、無形固定資産が108,557千円それぞれ増加したことによるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債は1,320,204千円となり、前連結会計年度末に比べ49,040千円増加しました。これは主に、流動負債のその他に含まれる未払金が32,165千円、未払費用が21,895千円それぞれ減少した一方で、契約負債が105,697千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は2,243,346千円となり、前連結会計年度末に比べ42,534千円増加しました。これは主に、非支配株主持分が121,685千円増加したこと、及び親会社株主に帰属する四半期純損失79,151千円を計上したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は1,660,075千円となり、前連結会計年度末に比べ193,729千円減少しました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は55,828千円(前年同四半期は332,130千円の支出)となりました。主な増加要因は、税金等調整前四半期純損失101,489千円(前年同四半期は税金等調整前四半期純損失370,249千円)、減価償却費74,611千円(前年同四半期は減価償却費25,802千円)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は375,956千円(前年同四半期は472,920千円の支出)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出239,058千円(前年同四半期は364,441千円の支出)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は126,397千円(前年同四半期は52,360千円の支出)となりました。これは非支配株主からの払込みによる収入147,000千円等によるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、30,070千円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの資本の財源及び資金の流動性についての分析に重要な変更はありません。
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