【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における市場環境は、2020年初から3年にわたって続いた新型コロナウイルス感染症による様々な制限や対策が緩和されたことを受け、企業でも社内におけるイノベーションやコラボレーションの促進を目的に出社を推奨する動きが活発化しております。このような動きの一環として、企業ではオフィスの再整備やハイブリッド勤務を含む多様な働き方への対応、コラボレーションやイノベーションの創出のためのオフィスの再活性化等の取り組みが多く見られております。また、コロナ禍における非対面・非接触のニーズを受けて需要が高まった施設や店舗等の無人・省人運営が一般化し、施設運営効率の改善やコスト削減を通じた価値が広く認識されたことで、引き続きそれらの運営方式への旺盛な需要が喚起されております。
このような状況を受け、当第1四半期連結累計期間における当社グループの事業活動全体では、主力サービスである「Akerun入退室管理システム」によるセキュリティの強化に加え、物理鍵のデジタル化やクラウドを通じた入退室管理がもたらす利便性や管理性の向上、そして勤怠管理や会員管理、予約管理等の外部サービスとの連携を含む入退室データやデジタル鍵の利活用及び無人・省人運営への活用等の価値提供を通じて、新規及び追加での導入が引き続き促進されました。特に、「Akerun入退室管理システム」の主要顧客である中小規模企業での導入が堅調に進んだことに加え、これまでに培った市場における実績や信頼性等が評価され、大規模企業や大型ビルでの導入も加速しております。さらに、フィットネスジムやコワーキングスペース等の会員制施設を中心に無人・省人運営への引き続き旺盛なニーズ等、オフィスだけにとどまらない様々な業種や用途における問い合わせや導入も促進されております。
当社グループにおける具体的な取り組みとしては、主力事業であるオフィス領域における継続的な需要や大規模企業や大型ビル等における提案機会の拡大等に対応するために、組織全体の生産性の強化や地方拠点の戦略的統合、サービスや製品の品質の向上、外部連携サービスの拡充等、企業における多様なニーズに対応するための組織体制や収益性の強化、サービス価値の向上に継続的に取り組んでおります。特に、パートナー企業のクラウド型サービスとのAPI連携による提供価値の拡充に引き続き積極的に取り組んでおり、クラウド型勤怠管理システム「ジョブカン勤怠管理」との連携ソリューションの提供を新たに開始しております。また、サッポロ不動産開発株式会社が運営する恵比寿ガーデンプレイスタワーでは、セキュリティ強化と来訪者向け受付業務の効率化のために、自動ドア等の電気錠を後付けで制御できるAkerunコントローラーを全棟規模で導入するなど、大型ビルでの導入も加速しております。さらに、グループ会社の株式会社MIWA Akerun Technologiesでは、住宅領域における新規サービスの研究開発や経営基盤の強化、積極的な営業活動への投資を継続的に実施しております。
当第1四半期連結累計期間では、2023年度中の連結営業利益の単月での黒字化、及び2024年度の連結営業利益と連結フリーキャッシュフローの通期黒字化の達成に向けて、これら組織体制や収益性の強化、研究開発のための投資、外部連携サービスの拡充に加え、事業基盤としての地方拠点の活用による全国規模での販売網/サポート網の強化等を通じて、主要事業である「Akerun入退室管理システム」の売上、契約社数、ARPUの拡大と新規顧客の獲得を実現しました。
この結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間の売上高は571,423千円(前年同期比22.8%増)、営業損失は55,407千円(前年同四半期は営業損失211,196千円)、経常損失は53,688千円(前年同四半期は経常損失208,341千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は49,338千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失204,661千円)となりました。
なお、当社グループは、Akerun事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における総資産は3,435,763千円となり、前連結会計年度末に比べ36,212千円減少しました。これは主に、有形固定資産に含まれる賃貸用資産及び賃貸用資産仮勘定が97,693千円、無形固定資産に含まれるソフトウエアが48,670千円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が191,538千円減少したことによるものであります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債は1,295,089千円となり、前連結会計年度末に比べ23,925千円増加しました。これは主に、その他に含まれる未払費用が28,539千円減少した一方で、契約負債が46,360千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は2,140,674千円となり、前連結会計年度末に比べ60,138千円減少しました。これは主に、非支配株主持分が10,799千円減少したこと、及び親会社株主に帰属する四半期純損失49,338千円を計上したことによるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、18,586千円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの資本の財源及び資金の流動性についての分析に重要な変更はありません。
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