【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における市場環境として、7月初旬からの新型コロナウイルス感染症の第7波の影響があった一方で、通常時の人流はオフィス回帰に向けた動き等を背景に新型コロナウイルス感染症の拡大以前の水準まで回復してきております。実際に、全国主要地点における人出や首都圏・関西圏における駅の利用状況も感染拡大以前の約8〜9割の水準にまで回復するなど(注)、企業における出社状況も含め従来の生活様式に回帰する動きが見られております。また、2022年3月からの外国為替相場における円安の流れがさらに加速したことで、原材料や物流等のコストも上昇し、製造業等における厳しい市場環境が継続していることから、引き続き注視が必要な状況となっております。
このような状況を受け、当社グループの事業活動全体では、主力サービスである「Akerun入退室管理システム」による物理鍵のデジタル化やクラウドを通じた入退室管理がもたらす利便性や管理性の向上、そして勤怠管理や予約管理等の外部サービスとの連携を含む入退室データの利活用等の価値提供を通じて、新規及び追加での導入が引き続き促進されました。特に、「Akerun入退室管理システム」の主要顧客である中小規模企業だけでなく、同システムの市場における実績や信頼性等が評価され、大規模企業での導入も順調に進捗しております。さらに、フィットネスジム等の会員制スポーツ施設を中心に無人店舗運営への旺盛なニーズ等を受けて様々な業種や用途における継続的な問い合わせや導入も引き続き促進されております。
当社グループにおける具体的な取り組みとしては、主力事業であるオフィス領域における継続的な需要に対応するため、組織全体の生産性の強化や新たな地方拠点の開設に加え、サービスや製品の品質の向上や外部システムとの連携の拡大など、企業における多様なニーズに対応するための組織体制の強化とサービス価値の向上のための取り組みをさらに強化しました。また、グループ会社の株式会社MIWA Akerun Technologiesによる住宅領域における新規サービスの研究開発や経営基盤の強化への積極的な投資も継続的に実施しております。特に、当社グループのサービス・製品ポートフォリオの拡充として、株式会社MIWA Akerun Technologiesでは、新たに賃貸住宅向けにスマートロックを活用した「Akerun.Mキーレス賃貸システム」を発表しました。当社グループが推進するキーレス社会の実現をさらに加速するこの新ソリューションを通じて、賃貸物件の物理鍵をスマートフォンアプリやICカードを活用したスマートキーへと置き換えることで、不動産管理会社等の物件管理業務における手間やコストを低減すると同時に、入居者の利便性や安全・安心を向上できます。また、組織体制における主要な取り組みとして、当社グループが手掛けるオフィスや施設、住宅におけるセキュリティインフラとしての信頼性や安全性を維持・向上するために、新たに最高情報セキュリティ責任者(Chief Information Security Officer、CISO)を創設し、エンジニアとしての経験や実績も豊富な小嶋聡史が就任しております。一方で、当社の推進するHESaaSを含むSaaS業界における人材獲得競争が年初の想定以上に激化しており、営業及び開発の人材獲得がさらに厳しさを増しております。引き続き人材獲得に向けた各種施策及び採用体制の強化を推進するとともに、組織全体における生産性の向上等を図ることで、事業拡大のための事業基盤の強化に取り組んでおります。
これら組織体制の強化や研究開発のための投資に加え、事業基盤としての地方拠点の活用を通じた全国規模での販売網/サポート網の強化と拡大等を通じて、主要事業である「Akerun入退室管理システム」の売上、契約社数、ARPUの拡大と新規顧客の獲得を実現した当第3四半期連結累計期間となりました。
この結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は1,445,799千円(前年同期比24.2%増)、営業損失は489,233千円(前年同四半期は523,397千円)、経常損失は477,521千円(前年同四半期は532,321千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は459,181千円(前年同四半期は532,469千円)となりました。
なお、当社グループは、Akerun事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(注)内閣官房 新型コロナウイルス感染症対策ページ「駅の利用状況(朝のピーク時間帯)[速報値]<令和4年10月14日(金)の増減率>」(国土交通省提供、令和4年10月18日更新)、及び「全国の主要地点・歓楽街の人出(ピーク値比、2022年10月19日時点)」
(2)財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は3,660,448千円となり、前連結会計年度末に比べ647,680千円減少しました。これは主に、賃貸用資産が216,596千円、賃貸用資産仮勘定が320,567千円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が1,326,749千円減少したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債は1,328,571千円となり、前連結会計年度末に比べ299,454千円減少しました。これは主に、契約負債(前連結会計年度は前受収益)が64,329千円増加した一方で、流動負債のその他に含まれる未払金が83,223千円減少したこと、及び長期借入金(1年内返済予定のものを含む)が218,330千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は2,331,877千円となり、前連結会計年度末に比べ348,225千円減少しました。これは主に、非支配株主持分が73,074千円増加した一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失459,181千円を計上したことによるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は41,361千円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの資本の財源及び資金の流動性についての分析に重要な変更はありません。
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