【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症による行動制限や海外からの入国制限の緩和により社会活動の正常化が進み、緩やかな景気持ち直しの動きが継続しております。一方、世界的な金融引き締めや物価上昇のほか、世界情勢の先行きによる景気引き下げリスクは依然として存在しており、引き続き注視が必要です。
当社グループを取り巻く事業環境におきましては、岸田内閣が2022年を「スタートアップ創出元年」と表明し、同年11月には「スタートアップ育成5か年計画」を発表するなど、当社の起業支援「スタートアップスタジオ」の取り組みに強い追い風が吹いております。また、シェアリングエコノミー分野においては、2032年度には最大約15兆円にまで日本の市場が拡大すると予測されており、当社出資先の多拠点居住サービスを提供する株式会社アドレスは7月、株式投資型クラウドファンディングの申込金額が国内最高額に達しております。そしてweb3分野においては、世界市場が2030年には2021年の約25倍となる800億ドルに成長すると予測されているほか、6月の改正資金決済法の施行により、ステーブルコインが電子決済手段として明確に定義され、引き続き注目を集めていく見通しです。
このような背景のもと、当社は、引き続き成長が期待されるシェアリングエコノミー分野やオンライン事業分野、そしてweb3(ブロックチェーン、DAO・分散型自律組織)に注力し、様々なサービスの開発や起業・事業支援をするとともに、ソーシャルメディアサービス事業のノウハウを展開し、ビジネス領域の更なる拡充と優位性の確保に努めてまいりました。8月には、北海道庁より受託した「スタートアップ創出促進委託業務」において、道内から起業家を連続的に輩出する「北海道スタートアップスタジオ」を立ち上げており、当社の新規事業創出ノウハウの委託事業への活用が引き続き拡大しております。
当第3四半期連結累計期間の売上高は、ソーシャルメディアサービス事業においては、当連結会計年度に買収し子会社化したスナップマート株式会社との連携により、SNSマーケティング・プロモーションが大きく伸長いたしました。インキュベーション事業においては、新型コロナウイルス感染症の制限等が緩和され、海外旅行や体験等のアクティビティへの参加者が増加し、体験型マッチングサービスの売上高が増加いたしました。また、保有している営業投資有価証券の一部売却があったものの少額だったこと、吸収分割でシェアオフィス事業の売上が減少したことなどにより前第3四半期連結累計期間に比べて減少する結果となりました。利益面については、人件費の増加、各種オンラインツール費用の増加が損益に影響いたしました。
この結果、売上高は、1,897,456千円(前年同期比2.0%減)、営業利益は、248千円(前年同期51,572千円の損失)、経常利益は、12,811千円(前年同期16,523千円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、139,129千円(前年同期4,847千円の損失)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(ソーシャルメディアサービス事業)
①ソーシャルメディア領域
<コミュニティパッケージ、企業向けブログ、活性化サービス>
Facebook、Twitter、LINE@、Instagram、ブログなどソーシャルメディア活用の企画提案やシステム構築・運営、多店舗向けのブログシステムの提供、グループウェア、クラウド型グループウェアを提供
②マーケティング支援領域
<ソーシャルメディアマーケティング、Webマーケティング>
ソーシャルメディアやブログなどを活用したマーケティングのコンサル業務、Webサイトの構築・運営
③その他領域
動画面接スカウトサービスのオンライン就活、ウェルビーイング、コーチング
当第3四半期連結累計期間は、円安による金融市場の変動に不透明な状況が続いてはいるものの、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行により、行動制限の解除や社会活動の正常化が進む中、Instagram、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを活用したプロモーションの需要も依然として高まっております。SNSを活用したプロモーションの代行業務及びコンサルティング売上は順調に伸張し、新規取引先も増加いたしました。営業費用においては、売上件数増加に伴い人的リソースが不足し、原価となる外部の業務委託者への発注が増加いたしました。この結果、売上高は1,407,676千円(前年同期比7.9%増)、セグメント利益は269,915千円(前年同期比4.7%減)となりました。
(インキュベーション事業)
インキュベーション事業は、グループ外における投資育成支援(グループ外インキュベーション)とグループ内で創設される新規事業(グループ内インキュベーション)で構成されております。
グループ外インキュベーションにおきましては、投資先企業の株式を保有し、事業育成・成長支援などのハンズオン支援を行っております。
グループ内インキュベーションにおきましては、地域体験マッチングサービス「aini」、海外在住の日本人が案内する「LOCOTABI」などを提供しております。
当第3四半期連結累計期間においては、保有している営業投資有価証券の一部を売却したものの、シェアオフィス事業の吸収分割に伴う売上高の減少が影響し、売上高及びセグメント利益については、前第3四半期連結累計期間に比べて減少しております。スタートアップスタジオにおいては、北海道庁より受託した「北海道スタートアップスタジオ」を立ち上げました。福岡市に次いでさらにスタートアップの活性化に貢献しております。
この結果、売上高は493,236千円(前年同期比24.7%減)、セグメント損失は3,560千円(前年同期80,581千円の損失)となりました。
(2)財政状態に関する説明
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて0.0%減少し、2,127,079千円となりました。これは、主に現金及び預金が88,881千円、受取手形及び売掛金が13,560千円減少したこと、営業投資有価証券が42,843千円、流動資産のその他に含まれる棚卸資産が37,245千円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて36.1%増加し、103,756千円となりました。これは、主にのれんが54,901千円、建物及び構築物(純額)が9,315千円増加したこと、敷金及び保証金が29,662千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて1.2%増加し、2,230,835千円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて7.3%減少し、451,586千円となりました。これは、主に未払法人税等が19,990千円、1年内返済予定長期借入金が23,282千円減少したこと、預り金が38,947千円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて11.8%減少し、340,156千円となりました。これは、長期借入金が16,250千円、固定負債のその他に含まれる預り保証金が14,140千円、資産除去債務が14,000千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて9.3%減少し、791,743千円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて8.1%増加し、1,439,092千円となりました。これは、主に利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益により139,129千円増加したこと、資本剰余金が配当により25,513千円、新株予約権が18,776千円減少したことによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
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