【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症からの影響も落ち着きを見せ、経済活動が平常に戻りつつあります。一方、ウクライナ情勢の長期化のほか、急激な円安進行が物価を押し上げる状況にあります。またインフレ抑制を目的とした世界的な金融引き締め等が景気の先行きを非常に不透明なものとしております。当社グループを取り巻く事業環境におきましては、岸田内閣が2022年を「スタートアップ創出元年」と表明した結果、当社の起業支援「スタートアップスタジオ」の取り組みにおいても追い風となっております。また、シェアリングエコノミー分野においては、2030年度には最大約14兆円にまで日本の市場が拡大すると予測されています。また、web3分野においては、世界市場が2030年には2021年の約25倍となる800億ドルに成長すると予測されています。このような背景のもと、当社は、引き続き成長が期待されるシェアリングエコノミー分野やオンライン事業分野、そしてweb3(DAO、分散型自律組織)に注力し、様々なサービスの開発や起業・事業支援をするとともに、ソーシャルメディアサービス事業のノウハウを展開し、ビジネス領域の更なる拡充と優位性の確保に努めてまいりました。2022年8月には、web3に特化したシェアオフィス「CryptoBase(クリプトベース)」を渋谷で開始し、さらに日本初となる既存NPO組織のDAOへの移行に着手するなど、他社に先駆けていち早く新技術の市場を開拓してまいりました。
当第3四半期連結累計期間の売上高は、インキュベーション事業で保有している営業投資有価証券の売却を行ったため、前第3四半期連結累計期間に比べて大幅に増加いたしました。ソーシャルメディアサービス事業の売上については、引き続きSNSを活用したマーケティング、広告代行やコンサルティングが増加し、好調に推移いたしました。また、利益面については、人件費の増加、各種オンラインツール費用の増加が損益に影響いたしました。
この結果、売上高は、1,936,702千円(前年同期比39.9%増)、営業損失は、51,572千円(前年同期306,606千円の損失)、経常損失は、16,523千円(前年同期295,793千円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は、4,847千円(前年同期129,230千円の損失)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(ソーシャルメディアサービス事業)
①ソーシャルメディア領域
<コミュニティパッケージ、企業向けブログ、活性化サービス>
Facebook、Twitter、LINE@、Instagram、ブログなどソーシャルメディア活用の企画提案やシステム構築・運営、多店舗向けのブログシステムの提供、グループウェア、クラウド型グループウェアを提供
②マーケティング支援領域
<ソーシャルメディアマーケティング、Webマーケティング>
ソーシャルメディアやブログなどを活用したマーケティングのコンサル業務、Webサイトの構築・運営
③その他領域
動画面接スカウトサービスのオンライン就活、ウェルビーイング、コーチング
当第3四半期連結累計期間は、新型コロナウイルス感染症の収束が未だ見通せず、円安による金融市場の変動など引き続き不透明な状況が続いているもののInstagram、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを活用したプロモーションの代行業務及びコンサルティング売上は順調に伸張し、新規取引先も増加いたしました。営業費用においては、売上件数増加に伴い人的リソースが不足し、外部の業務委託者への発注が増加いたしました。この結果、売上高は1,304,940千円(前年同期比19.0%増)、セグメント利益は283,300千円(前年同期比11.1%増)となりました。
(インキュベーション事業)
インキュベーション事業は、グループ外における投資育成支援(グループ外インキュベーション)とグループ内で創設される新規事業(グループ内インキュベーション)で構成されております。
グループ外インキュベーションにおきましては、投資先企業の株式を保有し、事業育成・成長支援などのハンズオン支援を行っております。
グループ内インキュベーションにおきましては、地域体験マッチングサービス「aini」、海外在住の日本人が案内する「LOCOTABI」、オンライン配信サービスなどを提供しております。
当第3四半期連結累計期間においては、保有している営業投資有価証券を売却をしたため、売上高及びセグメント利益については、前第3四半期連結累計期間に比べて増加しております。新型コロナウイルス感染症の影響は落ち着きを見せ始め、Nagatacho GRiDの運営、「aini」、「LOCOTABI」は徐々に回復に向かっております。また、起業支援のスタートアップスタジオでブロックチェーン技術を活用し非営利組織をDAOへ移行させ、組織活動を促進するためのDAO化プロジェクトを日本で初めて開始しました。この結果、売上高は654,821千円(前年同期比122.1%増)、セグメント損失は80,581千円(前年同期329,826千円の損失)となりました。
(2)財政状態に関する説明
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて17.0%減少し、1,984,194千円となりました。これは、主に現金及び預金が142,261千円、営業投資有価証券が349,108千円減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて11.2%減少し、259,764千円となりました。これは、主にのれんが26,997千円、長期貸付金が28,427千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて16.4%減少し、2,243,959千円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて7.7%減少し、389,977千円となりました。これは、主に未払費用が20,966千円、1年内返済予定長期借入金が8,344千円減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて29.9%減少し、350,877千円となりました。これは、長期借入金が39,782千円、繰延税金負債が119,623千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて19.7%減少し、740,855千円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて14.6%減少し、1,503,103千円となりました。これは、主にその他有価証券評価差額金が236,611千円減少したこと、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純損失により4,847千円減少したことによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
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