【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が収束しつつあり、経済活動の正常化が一層進みました。一方、海外に目を向けると、ウクライナ情勢の長期化等によるエネルギー費や原材料価格の高止まり、世界的な金融引き締め、さらに中国経済の低迷など、依然として先行きが不透明な状態で推移しました。
このような状況のもと、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の当第2四半期連結累計期間の業績は、産業用構造材料の売上高が増加したものの、主力事業分野である電子材料において、中国市場での需要減少が大きく影響し、売上高が減少したことから、売上高は198億95百万円(前年同四半期比13.5%減)となりました。利益面につきましては、売上高減少の影響に加え、エネルギー費や原材料価格の高騰を受けて、営業利益は1億69百万円(前年同四半期比90.9%減)、経常利益は2億18百万円(前年同四半期比90.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億63百万円(前年同四半期比78.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a.電子材料分野
電子材料分野では、フレキシブルプリント配線板材料(受注高18.2%減、生産高26.3%減、前年同四半期比較、提出会社単体ベース)、及びプリント配線板用ガラスクロスの販売が減少したこと等により、売上高は117億25百万円(前年同四半期比23.8%減)となりました。セグメント利益は売上高の減少に加え、エネルギー費や原材料価格の高騰の影響を受けて2億9百万円のセグメント損失(前年同四半期は13億60百万円のセグメント利益)となりました。
b.産業用構造材料分野
産業用構造材料分野では、水処理用FRP製圧力容器、及び航空機用ハニカムパネルの販売が増加したこと等により、売上高は51億1百万円(前年同四半期比27.2%増)となりました。セグメント利益は、5億71百万円(前年同四半期比3.9%減)となりました。
c.電気絶縁材料分野
電気絶縁材料分野では、インフラ関連向けの販売が減少したこと等により、売上高は12億32百万円(前年同四半期比1.7%減)となりました。セグメント利益は、1億13百万円(前年同四半期比116.3%増)となりました。
d.ディスプレイ材料分野
ディスプレイ材料分野では、3D関連材料、及び偏光利用部材の販売が減少したこと等により、売上高は16億77百万円(前年同四半期比23.1%減)となりました。セグメント利益は、4億20百万円(前年同四半期比26.8%減)となりました。
e.その他(その他の事業分野)
その他分野では、売上高は1億57百万円(前年同四半期比2.9%減)、セグメント利益は99百万円(前年同四半期比9.9%増)となりました。
②財政状態
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて3億23百万円増加し、679億83百万円となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が19億66百万円、有形固定資産が8億99百万円それぞれ増加し、現金及び預金が17億49百万円、商品及び製品が5億83百万円、投資有価証券が5億37百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べて25億56百万円増加し、231億8百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が10億31百万円、長期借入金が11億71百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。純資産は、前連結会計年度末に比べて22億32百万円減少し、448億75百万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が9億69百万円増加し、利益剰余金が30億88百万円減少したこと等によるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前第2四半期連結会計期間末に比べ19億4百万円(前年同四半期比9.5%減)減少して182億6百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は7億3百万円(前年同四半期比54.9%減)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益8億55百万円の計上、減価償却費11億4百万円、仕入債務の増加額8億90百万円による資金の増加と、売上債権の増加額15億38百万円、有価証券及び投資有価証券売却益6億56百万円による資金の減少であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は11億2百万円(前年同四半期比73.9%減)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入16億53百万円の資金獲得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は27億34百万円(前年同四半期比19.1%減)となりました。これは主に、配当金の支払額29億74百万円の資金使用によるものであります。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は9億87百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。