【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症の5類移行や行動制限が解除されたことにより社会経済活動は一段と正常化に向かい、また、インバウンドが徐々に回復するなど、一部で明るい兆しが見え始めました。一方で、働き手不足の深刻化や原材料価格・エネルギー価格の更なる高騰、また、物価上昇による消費マインドの悪化懸念など、依然として先行き不透明な状態が続きました。
このような状況のもと、当社グループは、2023年経営スローガンを「超絶ド成長元年!」とし、経営理念の徹底実践をベースとした「全員参画による超現場主義」経営を推進し、人財力及び組織力の向上に注力いたしました。また、美味しさをより一層追求した「プレミアム・ギフトスイーツ」の創造と育成に邁進し、商品力・販売力・売場力の更なるレベルアップ、人財採用と共育、ブランド開発と売場獲得、インバウンド復活準備などの重点対策の推進に取り組んでまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は28,891百万円(前年同期比43.7%増)、営業利益は6,622百万円(前年同期比134.0%増)、経常利益は6,668百万円(前年同期比118.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4,453百万円(前年同期比123.3%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
① シュクレイ
シュクレイは、更なるブランド価値の向上を図るため、売場ディスプレイの改良、限定商品の発売や超試食販売による販売力の強化などに注力いたしました。また、成田空港など主要国際線ターミナルを中心にインバウンド対策の強化、大型催事出店の展開強化などにも取り組みました。新規出店では、5月に「ザ・メープルマニア」京王新宿店を、6月にはJR東京駅「グランスタ東京」に新ブランド「ザ・ドロス」を出店するなど、計4店の出店を行いました。その結果、売上高は11,713百万円(前年同期比46.4%増)、営業利益は2,412百万円(前年同期比97.2%増)となりました。
② ケイシイシイ
ケイシイシイは、25周年を迎えた「小樽洋菓子鋪ルタオ」の更なるブランド価値の向上を図るため、「ルタオ本店」及び「ルタオパトス」の売場改装を行い、商品面では、「ドゥーブルフロマージュ」、「小樽色内通りフロマージュ」などの主力商品を軸に、「まああるガトーノワール」や25周年記念菓「フロマネージュ」などの新商品を加えて、各販売チャネルでの販売強化に注力いたしました。また、インバウンド対策では、主要国際線ターミナルを中心に、販売体制を早期に整え、販売力の向上に努めました。道外店舗では、「Now on Cheese♪ (ナウオンチーズ)」などの首都圏ブランドの育成に注力いたしました。その結果、売上高は7,738百万円(前年同期比39.8%増)となり、営業利益は1,366百万円(前年同期比203.3%増)となりました。
③ 寿製菓・但馬寿
寿製菓・但馬寿は、土産需要の回復を見据え、代理店及びグループ会社との連携強化を図り、売場改善提案などによる主力商品対策や新商品開発に注力いたしました。また、山陰地区では、12年に一度の「うさぎ年」に発売55周年を迎えた山陰銘菓「因幡の白うさぎ」の販売強化や築城30周年を迎えた「お菓子の壽城」ではイベント開催などによる集客力の強化に努めました。その結果、売上高は6,239百万円(前年同期比42.1%増)、営業利益は1,344百万円(前年同期比114.0%増)となりました。
④ 販売子会社
販売子会社は、交通拠点チャネルを重点に、土産需要の回復を見据え、主力商品及び新商品による売場面積の拡大に注力いたしました。エリア別では、関西地区は、主力商品「フレンチトーストラングドシャ」のリニューアルや季節限定商品「大阪レモンスカッシュわらび餅」による販売強化、福岡地区では「博多まっかな苺」ブランドの展開強化や新商品「博多万能ねぎ天ぷらえびせんべい」の拡販などに取り組みました。その結果、売上高は3,373百万円(前年同期比47.4%増)、営業利益は417百万円(前年同期比215.7%増)となりました。
⑤ 九十九島グループ
九十九島グループは、製造小売型経営への変革を図るため、当社グループのシナジーを最大限活用し、製品の改廃、組織改革、製造ラインの見直しなどの経営改革を推進いたしました。また、10周年を迎えたフレンチトースト専門店「アイボリッシュ」では、グランスタ東京のリニューアルオープンに「フレンチトーストプディング」などの東京駅限定商品を発売するなど、更なるブランド認知度の向上に取り組みました。その結果、売上高は2,914百万円(前年同期比57.8%増)、営業利益は397百万円(前年同期は営業損失1百万円)となりました。
⑥ その他
その他は、損害保険代理業、健康食品事業、海外(台湾)における菓子事業が含まれております。売上高は316百万円(前年同期比2.8%減)となり、営業利益は30百万円(前年同期比15.1%減)となりました。
(2)財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、38,413百万円となり前連結会計年度末と比べ1,460百万円増加いたしました。
主な要因は、商品及び製品の増加(1,207百万円)、流動資産のその他の増加(537百万円)、受取手形及び売掛金の減少(782百万円)などによるものです。
負債は、9,589百万円となり前連結会計年度末と比べ845百万円減少いたしました。
主な要因は、流動負債のその他の減少(571百万円)、未払法人税等の減少(527百万円)などによるものです。
純資産は、28,824百万円となり前連結会計年度末と比べ2,306百万円増加いたしました。
主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益計上による増加(4,453百万円)、配当金の支払いによる減少(2,178百万円)などによるものです。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ3.2ポイント増加し75.0%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度に比べ79百万円増加し、16,241百万円(前期末比0.5%増)となりました。
当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、3,067百万円(前年同期比40.7%増)となりました。
主な要因は、税金等調整前四半期純利益6,665百万円、非資金項目であります減価償却費539百万円の増加要因があった一方、法人税等の支払額が△2,668百万円、棚卸資産の増減額が△1,341百万円となったこと等による減少要因によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、736百万円(前年同期比143.7%増)となりました。
主な要因は、有形固定資産の取得による支出が666百万円となったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,260百万円(前年同期比114.2%増)となりました。
主な要因は、配当金の支払額2,178百万円、長期借入金の返済による支出79百万円などの減少要因によります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、27,439千円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。
(8)生産、受注及び販売の状況
当第2四半期連結累計期間において、新型コロナウイルス感染症が5類へ移行したこと等から人流が回復し、業績が伸長したことに伴い、生産実績及び販売実績が著しく増加いたしました。セグメント別の生産実績はシュクレイが10,108百万円(前年同期比54.4%増)、ケイシイシイが6,820百万円(前年同期比55.4%増)、寿製菓・但馬寿が7,247百万円(前年同期比47.2%増)、九十九島グループが3,331百万円(前年同期比63.4%増)であります。
なお、販売実績については「(1)経営成績の状況」をご参照ください。