【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年6月30日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行するなど、社会経済活動の正常化へ一段の動きが見られたものの、先行きについては、ウクライナ情勢の長期化と、世界的な金融引き締めが続く中、物価の上昇、為替や金融資本市場の変動などの影響に注視を要する状況にあります。
教育業界では、2020年以降小学生の英語教科化、プログラミング教育の導入、大学入試改革として「大学入学共通テスト」への移行、さらに2022年度からは高等学校で新学習指導要領が実施されるなど、教育改革が制度面から進んでおります。また、教育手法の革新という面では、通信インフラの整備やデジタル化の急速な進展を背景として、AIやIoTの活用による新たな学習形態やコンテンツが求められております。さらに、政府も強力に推進する社会人の学び直し、リスキリングとしてのITリテラシー教育需要の高まりなどにより、機動性の高い民間教育が担うべき役割や責務はますます大きくなっております。各企業は、少子化による市場縮小に加え、事業環境の大きな変化や他業種企業の参入、また、生徒、保護者の厳しい選別にも直面し、企業間競争はさらに激しさを増しております。
このような環境の下、当社グループは、人財育成企業として、「独立自尊の社会・世界に貢献する人財の育成」という教育理念をグループ全体が共有し、その実現に取り組んでおります。
「心・知・体」の教育を総合的に行える体制の構築を目指し、高校生部門(東進ハイスクール、東進衛星予備校、早稲田塾等)、小・中学生部門(四谷大塚、木村塾等)、スイミングスクール部門(イトマンスイミングスクール、イトマンスポーツスクール)を中心に、各部門が提供するコンテンツの充実や教育指導方法の深化、受講環境の整備などを進めてまいりました。高校生部門においては、受験生対象の「志望校別単元ジャンル演習講座」「第一志望校対策演習講座」の進化に加え、今年から英語を含む英数2教科対応となった高校2年生対象の「個人別定石問題演習講座」など、当社ならではのAIを活用した講座の充実を進めました。また、ビジネススクール部門では、企業対象の語学・ビジネススキル研修で培ったノウハウを活かし、新たなる成長分野としてIT・DX研修への取り組みを積極的に推進いたしました。そのほか、2023年1月から新たにグループに加わったヒューマレッジの体制整備も進めました。
こうしたなか、当第1四半期連結累計期間の営業収益は対前年同期625百万円の増加となる11,691百万円(前年同期比5.7%増)となりました。これは、小・中学生部門がヒューマレッジ(木村塾等)の加入及び四谷大塚の増収により518百万円の増収となったことに加え、ビジネススクール部門が企業向けIT・DX講座の大口受注により457百万円の増収となったことによるものであります。なお、高校生部門では前期末募集期に新規入学者数が前年を下回った影響が残り、354百万円の減収となりました。
費用面では、ヒューマレッジの加入による経費増、また、新規校舎に係る物件費や、全国統一小学生テストのTVCM広告に伴う費用などにより、費用全体で対前年同期1,194百万円の増加となる11,860百万円(前年同期比11.2%増)となりました。その他の経費においては、当期も学力の大巾向上の実現に焦点を絞った施策を引き続き積極的に進める一方、費用対効果の検証を通じた経費のコントロールにより概ね前年並みで推移しております。
この結果、営業損失169百万円(前年同期は400百万円の利益)、経常損失138百万円(前年同期は399百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失150百万円(前年同期は937百万円の利益)となりました。
なお、前期には、当社が保有していた研修施設の土地・建物の売却益1,009百万円を特別利益として計上していたため、前年比では税金等調整前四半期純利益、親会社株主に帰属する四半期純利益でこの影響がでております。
当社グループでは営業収益の計上が生徒募集期に当たる第3、第4四半期に集中し、第1四半期から第2四半期にかけては、費用計上が先行する傾向があります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、セグメント利益(又は損失)は四半期連結損益計算書の営業損失に調整額を加えたものであります。
①高校生部門
当部門は、東進ハイスクール、東進衛星予備校、早稲田塾等で、主に高校生を対象とした教育事業を行っております。当第1四半期連結累計期間のセグメント売上高は5,723百万円(前年同期比5.8%減)、セグメント利益は484百万円(前年同期比56.3%減)となりました。
②小・中学生部門
当部門は、四谷大塚、木村塾、東進四国、東進育英舎等で、主に小学生、中学生を対象とした教育事業を行っております。当第1四半期連結累計期間のセグメント売上高は2,704百万円(前年同期比23.7%増)、セグメント損失は112百万円(前年同期は276百万円の利益)となりました。
なお、上記にはヒューマレッジに係るのれん償却額58百万円を含んでおります。
③スイミングスクール部門
当部門は、イトマンスイミングスクール、イトマンスポーツスクールにおいて、主に水泳教室、フィットネスクラブの運営を行っております。
当第1四半期連結累計期間のセグメント売上高は2,459百万円(前年同期比0.2%増)、セグメント利益は89百万円(前年同期比17.8%増)となりました。
なお、上記にはイトマンスポーツスクールに係るのれん償却額31百万円を含んでおります。
④ビジネススクール部門
当部門は、東進ビジネススクール等で、主に大学生、社会人を対象とした教育事業を行っております。当第1四半期連結累計期間のセグメント売上高は628百万円(前年同期比267.9%増)、セグメント利益は366百万円(前年同期は59百万円の損失)となりました。
⑤その他部門
その他部門は、出版事業部門、こども英語塾部門、オンライン学校部門、国際事業部門を含んでおります。当第1四半期連結累計期間のセグメント売上高は465百万円(前年同期比1.0%減)、セグメント利益は37百万円(対前年同期34百万円の増加)となりました。
財政状態の分析は次のとおりであります。
当第1四半期連結会計期間末における財政状態は、前連結会計年度末に比べ総資産が3,448百万円減少し、74,656百万円に、純資産が2,262百万円減少して、24,184百万円となっております。
総資産の異動は、流動資産の減少4,112百万円、および固定資産の増加663百万円が主な要因であります。流動資産の減少は、生徒募集期に発生した売掛金が当第1四半期連結累計期間中、順調に回収された一方で、配当金や法人税等の支払などがあり、現金及び預金が4,400百万円、売掛金が602百万円それぞれ減少したことによるものであります。また、固定資産の増加は、投資有価証券の期末評価に伴う増加713百万円を主因とした投資その他の資産の増加811百万円があった一方で、のれんの償却による減少89百万円があったことなどによるものであります。
純資産の異動は、その他有価証券評価差額金等、その他の包括利益累計額の増加521百万円を計上した一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失150百万円、および配当金の支払2,632百万円があったことによるものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)従業員数
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。
(7)生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(8)主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの主要な設備に関し、著しい変動はありません。
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