【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年9月30日)における我が国経済は、7月以降の新型コロナウイルス感染第7波の急拡大に加えて、資源高と円安の同時進行による物価上昇圧力が強まり、回復基調になりつつあった経済活動、消費活動に悪影響を及ぼしました。世界的な金融引き締めが続くなか、更なる物価上昇や、金融資本市場の変動など、景気の先行きについては、下振れリスクに注視を要する状況にあります。
教育業界では、2020年以降小学生の英語教科化、プログラミング教育の導入、大学入試改革として「大学入学共通テスト」への移行、さらに2022年度からは高等学校で新学習指導要領が実施されるなど、教育改革が制度面から進んでおります。一方で、コロナ禍を契機として文部科学省のGIGAスクール構想の実現が急がれ、オンライン型教育の需要が急激に高まるなど、社会環境の変化に応じた新たな学習形態やコンテンツが求められております。また、5Gをはじめとする通信インフラの整備やデジタル化の急速な進展を背景とした、AIやIoTの活用による教育手法の革新という面でも、機動性の高い民間教育が担うべき役割や責務はますます大きくなっております。各企業は、少子化による市場縮小に加え、事業環境の大きな変化や他業種企業の参入、また、生徒、保護者の厳しい選別にも直面し、企業間競争はさらに激しさを増しております。
このような環境の下、当社グループは、人財育成企業として、「独立自尊の社会・世界に貢献する人財の育成」という教育理念をグループ全体が共有し、その実現に取り組んでおります。
「心・知・体」の教育を総合的に行える体制の構築を目指し、高校生部門(東進ハイスクール、東進衛星予備校、早稲田塾等)、小・中学生部門(四谷大塚等)、スイミングスクール部門(イトマンスイミングスクール・イトマンスポーツスクール)を中心に、各部門が提供するコンテンツの充実や教育指導方法の深化、受講環境の整備などを進めており、前期末から新たにグループに加わったイトマンスポーツスクールの体制整備にも取り組みました。
高校生部門では、受験生対象の「志望校別単元ジャンル演習講座」「第一志望校対策演習講座」に加え、高校2年生対象の「個人別定石問題演習講座」を新たに開発、当社ならではのAIを活用した講座の充実を進めたほか、夏期の恒例イベントとして毎年実施している、高校の先生対象の「夏の教育セミナー」や、高校生対象の「大学学部研究会」をオンラインにて開催、多数のご参加をいただきました。
こうしたなか、当第2四半期連結累計期間の営業収益は対前年同期2,070百万円の増加となる24,198百万円(前年同期比9.4%増)となりました。これは、スイミングスクール部門がイトマンスイミングスクールの増収及びイトマンスポーツスクールの加入により1,807百万円の増収となったことに加え、小・中学生部門が四谷大塚などの小学生の在籍者数増加により224百万円の増収となったことによるものであります。なお、高校生部門では前期末と夏期(7月・8月)の生徒募集期に新型コロナウイルス感染再拡大があったことも影響し、99百万円の減収(前年同期比0.7%減)となりました。
費用面では、イトマンスポーツスクールの加入による経費増があったことを主因として、対前年同期1,278百万円の増加となる21,753百万円(前年同期比6.2%増)となりました。既存部門の経費においては、当期も学力の大巾向上の実現に焦点を絞った施策を引き続き積極的に進め、また、光熱費等の増加要因があったものの、費用対効果の検証を通じた経費のコントロールにより、前年以下に抑えた運営を実現いたしました。
また、期中に、当社が杉並区に保有していた研修施設の土地・建物等を売却したことなどにより、固定資産売却益1,023百万円を特別利益に計上しております。
この結果、営業利益2,445百万円(前年同期比47.9%増)、経常利益2,297百万円(前年同期比55.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,253百万円(前年同期比119.2%増)となりました。
なお、当社グループでは営業収益の計上が生徒募集期に当たる第3、第4四半期に集中し、第1四半期から第2四半期にかけては、費用計上が先行する傾向があります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、セグメント利益(又は損失)は四半期連結損益計算書の営業利益に調整額を加えたものであります。
①高校生部門
当部門は、東進ハイスクール、東進衛星予備校、早稲田塾等で、主に高校生を対象とした教育事業を行っております。当第2四半期連結累計期間のセグメント売上高は13,277百万円(前年同期比0.7%減)、セグメント利益は2,774百万円(前年同期比8.8%減)となりました。
②小・中学生部門
当部門は、四谷大塚、東進四国、東進育英舎等で、主に小学生、中学生を対象とした教育事業を行っております。当第2四半期連結累計期間のセグメント売上高は5,285百万円(前年同期比4.4%増)、セグメント利益は1,391百万円(前年同期比33.6%増)となりました。
③スイミングスクール部門
当部門は、主に水泳教室、フィットネスクラブの運営を行っております。前期末に新たに株式会社イトマンスポーツスクール(旧ブリヂストンスポーツアリーナ株式会社)が加わり、運営を開始しております。
また、2022年4月に、イトマンスイミングスクール福岡マリナタウン校を新たに開設しております。
当第2四半期連結累計期間のセグメント売上高は5,006百万円(前年同期比56.5%増)、セグメント利益は278百万円(前年同期は75百万円の損失)となりました。
なお、上記にはイトマンスポーツスクールに係るのれん償却額63百万円を含んでおります。
④ビジネススクール部門
当部門は、東進ビジネススクール等で、主に大学生、社会人を対象とした教育事業を行っております。当第2四半期連結累計期間のセグメント売上高は302百万円(前年同期比3.0%増)、セグメント損失は151百万円(対前年同期26百万円の改善)となりました。
⑤その他部門
その他部門は、出版事業部門、こども英語塾部門、オンライン学校部門、国際事業部門を含んでおります。当第2四半期連結累計期間のセグメント売上高は939百万円(前年同期比10.9%増)、セグメント利益は25百万円(前年同期は112百万円の損失)となりました。
財政状態の分析は次のとおりであります。
当第2四半期連結会計期間末における財政状態は、前連結会計年度末に比べ総資産が4,753百万円減少し、71,811百万円に、純資産が689百万円増加して、23,800百万円となっております。
総資産の異動は、流動資産の減少2,804百万円、および固定資産の減少1,949百万円が主な要因であります。流動資産の減少は、不動産売却に伴う収入があった一方で、配当金や法人税等の支払などがあったことに加えて、生徒募集期に発生した売掛金が順調に回収されたことなどにより、現金及び預金が2,466百万円、売掛金が812百万円それぞれ減少したことによるものであります。また、固定資産の減少は、不動産売却による土地・建物などの有形固定資産の減少1,920百万円などがあったことなどによるものであります。
純資産の異動は、親会社株主に帰属する四半期純利益2,253百万円、およびその他有価証券評価差額金等、その他の包括利益累計額の増加190百万円を計上した一方で、配当金の支払1,755百万円があったことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物は、以下に記載のキャッシュ・フローにより16,406百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,514百万円減少いたしました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは1,947百万円の資金減少となりました。これは、税金等調整前四半期純利益3,351百万円を計上したものの、預り金の減少額2,425百万円、前受金の減少額1,280百万円、仕入債務の減少額901百万円があったことなどが主な要因となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは1,342百万円の資金増加となりました。これは、不動産売却に伴う有形固定資産の売却による収入3,032百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出981百万円、および無形固定資産の取得による支出435百万円があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,930百万円の資金減少となりました。これは、短期借入金の増加1,000百万円に対し、社債の償還による支出848百万円および長期借入金の返済による支出328百万円のほか、配当金の支払額1,753百万円による資金減少があったことなどによるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
(7)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。
(8)生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(9)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、以下の主要な設備を売却しております。
会社名
事業所名
(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
帳簿価額(百万円)
売却時期
建物及び
構築物
工具、器具
及び備品
土地
(面積㎡)
合計
提出会社
ナガセ杉並宮前研修所
(東京都杉並区)
全社
(共通)
研修施設
173
0
1,753
(3,186.02)
1,927
2022年6月
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