【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)の業績は以下の通りです。
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
増減率
百万円
百万円
%
営業収益
18,665
19,330
3.6
営業利益又は損失(△)
897
△404
-
税引前利益又は損失(△)
630
△527
-
親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失(△)
235
△443
-
当社グループは決済ソリューション事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしていませんが、可能な範囲で「BtoC取引向けサービス(NP後払い、atone、AFTEE等。以下「BtoCサービス」という。)」「BtoB取引向けサービス(NP掛け払い。以下「BtoBサービス」という。)」の区分で経営指標を開示しています。経営指標は以下の通りです。
前連結会計年度
当連結会計年度
増減率
百万円
百万円
%
GMV(non-GAAP)
472,589
499,035
5.6
BtoCサービス
374,606
362,070
△3.3
BtoBサービス
97,982
136,964
39.8
営業収益
18,665
19,330
3.6
BtoCサービス
16,343
16,400
0.4
BtoBサービス
2,322
2,929
26.1
-その他営業収益
441
489
10.9
売上収益
18,224
18,840
3.4
-請求関連費用
(non-GAAP)
7,429
7,888
6.2
-貸倒関連費用
(non-GAAP)
2,952
3,132
6.1
-その他決済に係る
費用(non-GAAP)
373
386
3.7
売上総利益(non-GAAP)
7,469
7,433
△0.5
BtoCサービス
6,049
5,710
△5.6
BtoBサービス
1,420
1,722
21.3
-販売管理費及び
その他営業費用
(non-GAAP)
7,013
8,327
18.7
営業利益又は損失(△)
897
△404
-
+減価償却費・償却費
1,315
1,383
5.2
+株式報酬費用
8
10
25.6
+固定資産除却損
25
57
120.3
+減損損失
-
-
-
-減損損失戻入益
-
-
-
EBITDA(non-GAAP)
2,246
1,045
△53.5
+上場準備費用
272
-
△100.0
+マーケティング
費用(non-GAAP)
481
813
69.2
調整後EBITDA
(non-GAAP)
3,000
1,859
△38.0
(注)当社は投資家にとって当社グループの業績を評価するために有効であると考える指標として、当社が適用する会計基準である国際会計基準(以下「IFRS」という。)において規定されていないnon-GAAP指標を追加的に開示しています。なお、2024年3月期より、調整後EBITDAの開示を終了します。当社は上場に伴い、マーケティング投資を加速しています。2022年3月期以前と2023年3月期以降を比較する際、マーケティング投資の加速によって収益性の前期比較がしづらいと考えたため、この影響を除いた状態での比較を可能にすることを目的として、調整後EBITDAを開示していました。
しかしながら、2024年3月期以降はマーケティング投資を加速した後の2023年3月期との比較となり、前年度比でマーケティング費用を控除する意味合いがなくなったことから、調整後EBITDAの開示を終了することとしました。
non-GAAP指標
指標の内容
GMV
当社グループ決済サービスの流通取引総額
請求関連費用
回収手数料+請求書発行手数料。主に請求1件当たりに発生する費用
貸倒関連費用
貸倒引当金繰入+貸倒損失+債権売却損。主に請求金額に対して割合で発生する費用
その他決済に係る費用
与信費用、NPポイント費用等、その他決済の提供に必要な費用
売上総利益
売上収益-(請求関連費用+貸倒関連費用+その他の決済に係る費用)
販売管理費
及びその他営業費用
営業費用-(請求関連費用+貸倒関連費用+その他の決済に係る費用)
EBITDA
営業利益+(減価償却費・償却費+株式報酬費用+固定資産除却損+減損損失-減損損失戻入益)
マーケティング費用
販売促進費(代理店手数料を除く)+広告宣伝費
調整後EBITDA
EBITDA+(上場準備費用+マーケティング費用)
当社グループの加盟店数は数万社にわたるため、特定加盟店への依存度が低い一方で、マクロ環境の変化を通じたEC・決済市場への影響を受けやすい事業構造となっています。
(GMVについて)
当連結会計年度において、前期比5.6%増の499,035百万円(BtoCサービスは同3.3%減の362,070百万円、BtoBサービスは同39.8%増の136,964百万円)となりました。要因は以下の通りです。
BtoCサービスについて
・新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことで、消費が実店舗へ移り、EC全体の成長が軟調となっていました。
・2022年11月に大手加盟店1社の退店が生じたことで第3四半期以降のGMVが減少しました。(採算を取ることが困難な店舗であったため、利益への影響はほぼありません)
・2021年8月に行われた薬機法の一部改正について、美容・健康業界の加盟店のGMVは当連結会計年度で影響を受けていました。一方で、薬機法影響は改善傾向が見られており、新規店のGMVも増加していることから、当第4四半期においては当第3四半期までと比較して、昨対比が改善しました。
・営業体制の強化等を実施し、atone/AFTEE/NP後払いair等の新規BtoCサービスのGMV伸長に注力していたため、新規BtoCサービスのGMVは堅調な伸びを見せました。
BtoBサービスについて
・新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことで、飲食関連業界を顧客とする加盟店を中心に、その他多くの業界の加盟店も含め、全体としてGMVが伸長し続けました。
(営業収益について)
当連結会計年度において、営業収益は前期比3.6%増の19,330百万円(BtoCサービスは同0.4%増の16,400百万円、BtoBサービスは同26.1%増の2,929百万円)となりました。要因は以下の通りです。
・BtoCサービスにおいて、コンビニエンスストア収納代行費用の値上がりに対応し、2022年9月より、加盟店への「請求書発行・郵便料金」の単価を見直したことにより、当連結会計年度においては営業収益が昨対比で増加しました。
・BtoBサービスにおいて、GMVが伸長したため、営業収益が増加しました。手数料率が相対的に低い大手加盟店の、当社のGMVに占める割合が上昇したことによって、平均営業収益率は低下しました。
(売上総利益について)
当連結会計年度において、売上総利益は前期比0.5%減の7,433百万円(BtoCサービスは同5.6%減の5,710百万円、BtoBサービスは同21.3%増の1,722百万円)となりました。要因は以下の通りです。
・BtoCサービスと比較してGMVに対する売上総利益率が相対的に低いBtoBサービスが大きく成長しているため、全体の売上総利益率は低下しました。
・当連結会計年度においては、BtoCサービスのGMV減少により、売上総利益は前期比で同水準となりました。
(営業利益、調整後EBITDAについて)
当連結会計年度において、営業利益は△404百万円(前期比1,302百万円減)、調整後EBITDAは1,859百万円(前期比38.0%減)となりました。要因は以下の通りです。
・マーケティング施策に注力し、BtoBサービスでテレビCMを含めた広告出稿等の施策強化に伴い、マーケティング費用が前期比で332百万円増加しました。
・今後のGMV拡大を目的として予め計画した範囲で営業体制とシステム開発投資の強化を行ったため、人件費・業務委託費が758百万円増加しました。
なお、当社グループは決済ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしていません。また、本事業報告において「当社グループ」とは、会社法施行規則第120条第2項に用いられる「企業集団」を意味するものとします。
② 財政状態の状況
前連結会計年度
(2022年3月31日)
当連結会計年度
(2023年3月31日)
増減
増減率
百万円
百万円
百万円
%
資産合計
53,037
55,404
2,366
4.5
流動資産合計
34,631
36,228
1,597
4.6
非流動資産合計
18,405
19,175
769
4.2
負債合計
34,394
36,936
2,541
7.4
流動負債合計
29,039
31,801
2,761
9.5
非流動負債合計
5,354
5,135
△219
△4.1
資本合計
18,642
18,467
△174
△0.9
当連結会計年度末における資産合計は、55,404百万円(前年同期比2,366百万円増加)となりました。流動資産は36,228百万円(同1,597百万円増加)となりました。これは主に、当連結会計年度末の金曜日に加盟店向け債務の支払いが行われたことにより、現金及び現金同等物が1,554百万円減少した一方で、取扱高の増加等に伴い営業債権及びその他の債権が2,521百万円増加したことなどによるものです。
非流動資産は19,175百万円(同769百万円増加)となりました。これは主に、有価証券の取得により、その他の金融資産が264百万円増加したこと、システム開発への投資により、その他の無形資産が564百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末における負債合計は、36,936百万円(前年同期比2,541百万円増加)となりました。流動負債は31,801百万円(同2,761百万円増加)となりました。これは主に、コミットメントラインの借入により短期借入金が3,000百万円増加したことによるものです。非流動負債は5,135百万円(同219百万円減少)となりました。これは主に、リース負債が244百万円減少したことなどによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
増減
百万円
百万円
百万円
営業活動によるキャッシュ・フロー
951
△2,629
△3,581
投資活動によるキャッシュ・フロー
△767
△1,765
△998
財務活動によるキャッシュ・フロー
3,625
2,841
△784
現金及び現金同等物に係る換算差額
5
△0
△5
現金及び現金同等物の増減額
(△は減少)
3,814
△1,554
△5,369
現金及び現金同等物の期首残高
8,304
12,119
3,814
現金及び現金同等物の当期末残高
12,119
10,564
△1,554
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,554百万円減少の10,564百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は2,629百万円(前年同期は951百万円の獲得)となりました。これは主に、営業債務及びその他の債務の増加額272百万円(前年同期は2,971百万円の獲得)が前年同期比で低水準に留まった一方で、資金の減少要因として税引前当期純利益が527百万円の減少(前年同期は630百万円の獲得)となったことに加え、法人所得税の支払額1,314百万円(前年同期は890百万円の使用)について前年同期比で増加したためです。
なお、営業債務及びその他の債務は主に加盟店向けの債務です。当社グループが提供する決済サービスの加盟店向け債務の支払は主に金曜日に行われるため、期末日の曜日によって期末残高が大きく変動します。当連結会計年度末は金曜日、前連結会計年度末は木曜日であったため、前年同期比に大きな変動が生じました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は1,765百万円(前年同期は767百万円の使用)となりました。これは主に、無形資産の取得による支出1,357百万円(前年同期は799百万円の使用)等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は2,841百万円(前年同期は3,625百万円の獲得)となりました。主な増加要因としては、短期借入金3,000百万円(前年同期は獲得・使用共になし)によるものです。主な減少要因としては、リース負債の返済による支出383百万円(前年同期は379百万円の使用)によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は以下の通りです。なお、当社グループは決済ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしていません。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
販売高(百万円)
前年同期比(%)
決済ソリューション事業
18,840
103.38
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループは第1期連結会計年度(2018年7月2日から2019年3月31日)より従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しています。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断していますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表 注記3.重要な会計方針及び注記4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載していますが、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、以下の会計方針は連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えます。
(貸倒引当金)
当社グループは、主に将来の債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率等を勘案して必要額を、貸倒懸念債権等の特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上していますが、ユーザーの支払が遅延、その支払能力が低下した等の場合には追加の引当金が必要となる可能性があります。
(のれんの減損)
当社グループは、のれんの減損の判断をする際に、のれんが配分された資金生成単位について、回収可能価額の見積りが必要となります。使用価値の見積りにあたり、資金生成単位により生じることが予想される将来キャッシュ・フロー及びその現在価値を算定するための割引率を見積っています。仮に、資金生成単位により生じると予想したキャッシュ・フローが減少した場合又は現在価値を算定するための割引率が上昇した場合には減損損失が発生又は増加する可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態)
第5期連結会計年度における財政状態とそれらの要因につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しています。
(経営成績)
第5期連結会計年度における経営成績とそれらの要因につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しています。
(キャッシュ・フロー)
第5期連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
(資本の財源及び資金の流動性)
a.資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、決済関連事業の拡大に伴い増加する運転資金やシステム開発費等によるものです。
b.財務政策
主に、手元資金に加えて、運転資金については金融機関からの借入により必要な資金を調達しています。資金調達については事業計画に基づく資金需要・金利動向等の調達環境を考慮の上、調達の規模・手段について資金計画を作成し、状況を適宜判断し実施しています。
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、年間取扱高及び購入者による未払い率を掲げています。それぞれについて以下の通り記載します。
a.年間取扱高
第5期連結会計年度末におけるBtoC取引向けサービスの年間取扱高は362,070百万円(前期比3.3%減)、BtoB取引向けサービスの年間取扱高は136,964百万円(前期比39.8%増)となりました。
BtoCサービスについては、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことで、消費が実店舗へ移り、EC全体の成長が軟調となっていました。2021年8月に行われた薬機法の一部改正について、美容・健康業界の加盟店のGMVは当連結会計年度で影響を受けていました。一方で、薬機法影響は改善傾向が見られており、新規店のGMVも増加しています。営業体制の強化等を実施し、atone/AFTEE/NP後払いair等の新規BtoCサービスのGMV伸長に注力していたため、新規BtoCサービスのGMVは堅調な伸びを見せました。
BtoBサービスについては、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことで、飲食関連業界を顧客とする加盟店を中心に、その他多くの業界の加盟店も含め、全体としてGMVが伸長し続けました。
b.未払い率
係る未払い率(18か月を超えて未払いとなった取引額の割合(貸倒処理前のものを含む))はNP後払いサービスが0.59%(前期は0.52%)、NP掛け払いサービスが0.49%(前期は0.57%)となりました。今後は一層の与信・督促業務の改善を講じることにより、更なる低減を図ってまいります。
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