【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の分析当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年9月30日)の国内景気は、半導体不足の一時的な緩和を受けた自動車の輸出や円安を追い風とするインバウンド需要が増加基調を示しましたが、物価高騰を背景として個人消費を中心に国内需要が伸び悩みました。このような状況のもと、当社グループの事業につきましては、化学品セグメントは、基礎化学品、ファインケミカルともに減収となりました。機能性材料セグメントでは、ディスプレイ材料は堅調でしたが、半導体材料は減収となりました。農業化学品セグメントは、減収となりました。ヘルスケアセグメントは、「ファインテック」(課題解決型受託事業)が増収となりました。この結果、当期間における業績は以下の通りとなり、売上高、各利益ともに前年同期及び5月に発表した業績予想を下回りました。
(単位:百万円、百万円未満切捨て)
2023年3月期第2四半期(実績)
2024年3月期第2四半期(実績)
前年同期比増減
2024年3月期第2四半期(業績予想)
業績予想比増減
売上高
109,531
105,675
△3,855
108,600
△2,925
営業利益
28,159
24,094
△4,064
26,100
△2,006
経常利益
31,986
26,197
△5,788
26,400
△203
親会社株主に帰属する四半期純利益
23,684
19,497
△4,187
19,700
△203
セグメント別概況は以下のとおりであります。
化学品セグメント 基礎化学品では、尿素・「アドブルー®*」(高品位尿素水)や硝酸製品(金属溶解・表面処理等)が増収となりました。メラミン(接着剤等)は、構造改革に伴い昨年第3四半期に販売を終了した結果、減収となりました。ファインケミカルでは、環境化学品(プール・浄化槽用殺菌・消毒剤等)は堅調に推移しましたが、「テピック」(粉体塗料硬化剤、封止材材料等)は減収となりました。この結果、当セグメントの売上高は178億74百万円(前年同期比18億78百万円減)、営業損失は86百万円(同11億47百万円減益)となりました。業績予想(注)比では、売上高、営業利益ともに13億円の下ぶれとなりました。* アドブルー®はドイツ自動車工業会(VDA)の登録商標です。
(注) 業績予想数値は2023年3月期決算説明資料(2023年5月15日発表)Part2 P21に記載
機能性材料セグメントディスプレイ材料では、「サンエバー」(液晶配向材用ポリイミド)が増収となりました。半導体材料は、半導体用反射防止コーティング材(ARC®*)及び多層材料(OptiStack®*)が顧客の稼働低調を受けて減収となりました。無機コロイドは、「スノーテックス」(電子材料用研磨剤、各種表面処理剤等)やオルガノシリカゾル・モノマーゾル(各種コート剤、樹脂添加剤)が減収となりました。この結果、当セグメントの売上高は405億13百万円(前年同期比14億88百万円減)、営業利益は111億29百万円(同27億37百万円減)となりました。業績予想(注)比では、売上高は12億円の下ぶれ、営業利益は16億円の下ぶれとなりました。* ARC®、OptiStack®はBrewer Science, Inc. の登録商標です。
(注) 業績予想数値は2023年3月期決算説明資料(2023年5月15日発表)Part2 P21に記載
農業化学品セグメントフルララネル(動物用医薬品原薬)は増収となりました。国内向け農薬は、「グレーシア」(殺虫剤)は堅調に推移しましたが、「ラウンドアップ」(非選択性茎葉処理除草剤)が減収となりました。海外向け農薬は、「グレーシア」は伸長しましたが、「ライメイ」(殺菌剤)は減収となりました。この結果、当セグメントの売上高は352億79百万円(前年同期比4億9百万円減)、営業利益は116億38百万円(同4億27百万円減)となりました。業績予想(注)比では、売上高は15億円の下ぶれ、営業利益は4億円の下ぶれとなりました。
(注) 業績予想数値は2023年3月期決算説明資料(2023年5月15日発表)Part2 P21に記載
ヘルスケアセグメント「リバロ」(高コレステロール血症治療薬)原薬は、国内、海外ともに減収となりました。「ファインテック」は、増収となりました。この結果、当セグメントの売上高は35億46百万円(前年同期比2億98百万円増)、営業利益は18億5百万円(同3億48百万円増)となりました。業績予想(注)比では、売上高、営業利益ともに3億円の上ぶれとなりました。
(注) 業績予想数値は2023年3月期決算説明資料(2023年5月15日発表)Part2 P21に記載
卸売セグメント当セグメントの売上高は487億93百万円(前年同期比11億42百万円増)、営業利益は17億82百万円(同1億69百万円減)となりました。業績予想(注)比では、売上高は1億円の上ぶれ、営業利益は3億円の上ぶれとなりました。(注) 業績予想数値は2023年3月期決算説明資料(2023年5月15日発表)Part2 P72、73に記載
その他のセグメント当セグメントの売上高は122億65百万円(前年同期比1億80百万円減)、営業利益は1億58百万円(同57百万円増)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、売上債権、現預金が減少したことなどにより、前連結会計年度末比66億1百万円減の2,921億14百万円となりました。負債は短期借入金が減少したことなどから、前連結会計年度末比109億50百万円減の662億38百万円となりました。また、純資産は前連結会計年度末比43億49百万円増の2,258億76百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末比3.0ポイント増加し、76.1%になりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益、減価償却費、運転資金の増減などから法人税等の支払額を控除した結果、360億26百万円の収入(前年同期は433億81百万円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、工場などの設備投資による支出などにより、84億86百万円の支出(前年同期は96億33百万円の支出)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローでは、借入金の返済、配当金の支払、自己株式の取得による支出などにより、362億32百万円の支出(前年同期は292億18百万円の支出)となりました。現金及び現金同等物の四半期末残高は、換算差額の増加額2億15百万円を調整したことで、前連結会計年度末に比較して84億76百万円減少しており、211億71百万円(前年同期は439億9百万円)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は79億37百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。