【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①
財政状態
当第3四半期連結会計期間末は、流動資産が3,162百万円、固定資産が1,141百万円それぞれ減少したことから、総資産は前連結会計年度末比4,303百万円減少の114,660百万円となりました。
負債は、流動負債が1,292百万円、固定負債が1,024百万円それぞれ減少したことから、前連結会計年度末比2,316百万円減少の29,770百万円となりました。
純資産は、自己株式が1,164百万円増加したことに加えて、配当金の支払等により利益剰余金が960百万円減少した結果、前連結会計年度末比1,987百万円減少の84,890百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の73.0%から74.0%に上昇しました。
②
経営成績
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、中国の新型コロナウイルス感染症への対応の混乱による影響を受けましたが、世界的な行動制限の緩和や解除が進み、回復基調にて推移いたしました。一方、今後も世界経済は、ウクライナ戦争、原材料価格の高騰が続くうえ、世界的なインフレと金利の上昇による景気後退懸念が強まっております。これに加え、国内では円の急激な為替変動による影響も懸念されており、依然として不透明で予断を許さない状況にあります。
このような環境のなか、2022年5月に’21中期経営計画(2021年度~2023年度)の見直しを行い、変化にぶれない強い企業体質の確立を目指し、財務体質の強化から資本効率の向上へと進化を図り、収益向上とバランスシート改善に取り組んでおります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の当社グループの経営成績は、期初に想定した以上の円安の影響もあり、売上高63,827百万円(前年同期比14.6%増)、営業利益7,280百万円(前年同期比21.3%増)、経常利益8,026百万円(前年同期比20.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5,609百万円(前年同期比18.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
〔国内ベルト〕
自動車用ベルトの売上高は、四輪車用システム製品の新機種立ち上げなどが寄与し増加、補修向けはバス・トラック用ベルトが増加しました。一方、二輪車用補修向けはユーザによる在庫調整に伴い需要が減少しました。自動車用ベルト全体では増加となりました。
一般産業用ベルトは、半導体不足による顧客での生産調整の影響を受けたことなどから減少しました。
一方、搬送ベルトは、食品業界や物流業界向けの販売がいずれも好調に推移し、補修需要も回復してきたことから増加しました。
加えて、合成樹脂素材においても市況の回復や、キャストナイロン等の主力製品の拡販活動が寄与し、売上高が増加しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は21,597百万円(前年同期比3.2%増)、セグメント利益は7,138百万円(前年同期比19.7%増)となりました。
〔海外ベルト〕
自動車用ベルトの売上高は、四輪車用については、ゼロコロナ政策の影響が残る中国では減少しましたが、東南アジアを中心に回復しました。一方、二輪車・多用途四輪車用については、米国での補修市場の在庫調整等の影響を受け、その他の地域においては堅調に推移しましたが、前年同期比微減となりました。自動車用ベルト全体では増加となりました。
一般産業用ベルトは、東南アジアや欧米にて、新規需要拡大、拡販活動に努めた結果、売上高が増加しました。
また、OA機器用ベルトについても半導体不足の解消により、顧客の生産が回復し、売上高が増加しました。
以上の結果、為替の円安影響もあり、当セグメントの売上高は34,685百万円(前年同期比29.5%増)、セグメント利益は3,145百万円(前年同期比22.4%増)となりました。
〔建設資材〕
建築部門は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、建築防水工事の遅れがあったものの、公共物件を中心に改修工事市場の回復により、売上高は増加しました。一方、土木部門は完成工事物件の減少や規模の縮小が影響し、売上高は減少しました。
その結果、当セグメントの売上高は3,557百万円(前年同期比12.5%減)、セグメント利益は137百万円(前年同期比4.5%減)となりました。
〔その他〕
その他には、エンジニアリング ストラクチュラル フォーム、電子材料、仕入商品などが含まれております。
その他の売上高は電子材料の拡販もあり、3,986百万円(前年同期比2.6%増)、セグメント利益は122百万円(前年同期比1.8%増)となりました。
(注)
上記の各セグメントにおける売上高は外部顧客への売上高を記載しており、セグメント利益はセグメント間取引消去前の金額を記載しております。
なお、セグメント利益は、営業利益ベースの数値であります。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,398百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。