【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進む中で景気は持ち直しの動きがみられましたが、資源価格の高騰や円安進行の影響等による物価上昇が続いており、消費マインドの低下が懸念される状況となっております。当業界におきましても、原材料価格や光熱費の上昇に加え、包材費や物流費の高止まりが続く中、円安進行の影響も重なり、厳しい経営環境が続きました。また、消費行動の変化やデジタル化の加速、サステナビリティに対する関心の高まりなど、急速に変化し多様化する消費者ニーズや価値観への対応が引き続き求められております。このような状況の中、当社グループは「中期経営計画2023」の重点取り組み方針に則り、「経営基盤の強化」と「収益基盤の強化」に向けて、より効率的で競争力のある事業執行体制と組織体制を構築し、統合効果の最大化と成長力の向上に繋げるため、2023年4月1日付で当社を事業持株会社とするグループ全体の組織再編を行うことを決定しました。また、「新規事業・市場への取り組み」では、ノンミート商品のラインアップ強化に加え、ヘルスケア事業の強化にも取り組んでおります。さらに、「サステナビリティへの取り組み」として、当社グループの温室効果ガス排出量を2030年度までに2016年度比で半減し、2050年にネットゼロとする目標を策定し、実行に向けての取り組みを進めております。「中期経営計画2023」における定量指標としては、投下資本利益率(ROIC)を重視し、対象期間中に6.8%まで向上させていくことを目指しております。また、財務健全性と資本効率性を勘案した株主還元策によって株主価値の最大化を図るため、配当性向については、30~50%の範囲で、40%を目途に安定的に増配していく方針です。自己株式についても、当年度は50億円の取得枠を設定し、第3四半期末までに37億円の取得と5百万株の消却を行っております。上記のとおり、経営環境の変化に対応した取り組みを行った結果、当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は701,596百万円(前年同四半期比7.0%増)、営業利益は23,917百万円(同3.4%増)、経常利益は26,011百万円(同2.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は17,754百万円(同4.5%減)となりました。
報告セグメント別の業績の概況は、次のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分方法を変更しており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」の「2.報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおりであります。
<加工食品事業>ハム・ソーセージについては、テレビコマーシャルの投入や消費者キャンペーンの実施により、「The GRAND アルトバイエルン」「朝のフレッシュシリーズ」「ポークビッツ」「御殿場高原あらびきポーク」「原形ベーコンシリーズ」等、家庭用主力商品の拡販に努めたことに加え、ローストビーフをはじめとする業務用商品の販売が伸長したことから、売上高は増加しました。調理加工食品については、「ラ・ピッツァ」「ピザガーデン」などのピザ類や簡便調理の「クイックディナーシリーズ」「お肉屋さんの惣菜シリーズ」「米久の肉だんごシリーズ」、大豆ミートを使用した「まるでお肉!シリーズ」等、消費者ニーズの多様化に対応した商品の拡販に努めたことに加え、外食向け業務用商品の販売が伸長したことから、売上高は増加しました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の加工食品事業の売上高は285,963百万円(前年同四半期比2.3%増)となりましたが、経常利益は、原材料価格や光熱費の上昇等による影響が商品価格改定による効果を上回ったことから、8,256百万円(同31.1%減)となりました。
<食肉事業>国内事業については、輸入食肉における現地価格の高止まりの影響等により販売数量は減少しましたが、国内事業全般において販売単価が上昇したことから、売上高は増加しました。利益については、輸入鶏肉及び輸入牛肉が仕入価格の上昇分を販売価格に反映しきれなかったことに加え、飼料価格及び燃料費の上昇等による影響を受けて、減益となりました。海外事業については、アンズコフーズ社が採算重視の調達及び販売に努めたことに加え、海外での堅調な食肉需要を受けて販売価格が上昇したことから、売上高、利益ともに増加しました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の食肉事業の売上高は412,279百万円(前年同四半期比10.5%増)、経常利益は、アンズコフーズ社の業績が好調に推移したことから、18,528百万円(同20.9%増)となりました。
次に、当第3四半期連結会計期間末における財政状態の状況につきましては、総資産は、前連結会計年度末に比べて63,624百万円増加し、476,747百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金並びに棚卸資産の増加と現金及び預金の減少によるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べて54,178百万円増加し、204,561百万円となりました。これは主に、短期借入金並びに支払手形及び買掛金の増加によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて9,445百万円増加し、272,185百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものであります。
(2)経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、1,138百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。